もう1匹の体の弱い猫というのは、リーという雌猫だ。尻尾がリスのように大きくて立派なのでこの名前になった。
ミーコが家に来て数日たったある日、家の近くを歩いていると、痩せて衰弱した黒猫を見つけた。5,6ヶ月だろうか、痩せていて弱々しく、普通猫は人が寄って行くと逃げるのだが、リーは逃げることもできないようだった。5,6ヶ月と思ったのはその時リーのそばにいて逃げていった、兄弟と思しき黒い猫がそれぐらいだったからだが、リーはその兄弟よりも明らかに劣った体格だった。季節はこれから寒さがますます厳しくなるところ。このままでは死んでしまうと、私はとっさにその子を抱き上げた。家に急いで帰る間、抵抗するでもなく、私の腕に顎を乗せてぐったりしていた。
ミーコの食べていた子猫用のレトルトパウチとドライフードを別々の皿に入れて与えてみたが、レトルトパウチを少ししか食べなかった。夜はかなり寒くなっていたので、今夜から寒さを避けられるだけでもよかったと思った。猫用ベッドをミーコと別の部屋に置き、猫砂と食べ物と水をそばに置いた。リーの毛は汚くボサボサで、肩や背中の骨が突き出ていて、体全体で息をしていた。よほど衰弱しているのだろう。もう数日の命だったかもしれないと思えるくらいだった。
3日後、夫と二人でミーコとリーを健康診断に連れて行った。リーはカゴに入れ、ミーコは洗濯用ネットに入れて私が助手席で抱いた。ミーコは不安で、車の中も動物病院にいる間も鳴きどうしだった。リーはずっとしゃがんでいた。ミーコはアレルギー性鼻炎である以外は健康だった。
「問題はこの子なんです。」
リーを保護した時のこと、ずっと体で息をしているのが気になっていることなどを説明した。獣医はすぐに、胸のレントゲン写真を撮りましょうと言って、血液検査とX線検査をした。血液検査は問題なかったが、「こちらを見てください」と、リーのレントゲン写真を見せられた。いかにも痩せて弱々しいという印象はあるものの、素人には何か異常があるのかわからなかった。

