年初から始まった本ブログでも度々触れている通りですが、HKT48の活動拠点となる劇場は「E・ZO FUKUOKA(イーゾ フクオカ)」1階に新しくオープンします。この建物は福岡ソフトバンクホークス株式会社が建設したもので、絶景アトラクションやグルメなど様々なコンテンツを展開する大型エンターテインメント施設です。

 

 

2011年のグループ発足以来、HKT48の専用劇場は福岡ソフトバンクホークスの本拠地「福岡Yahoo!JAPANドーム(当時)」に隣接する「ホークスタウンモール」にありました。かつてはフットサル場だったそうですが、レッスン場まで完備している立派な劇場でした。私自身は数える程しか足を運んでいませんが、シンプルな内装が非常にカッコ良く、ロビーや場内の広々とした心地良い空間が印象に残っています。

 

しかし、2016年3月31日を以てホークスタウンモールは閉鎖となり、HKT48劇場も同日付で閉場することとなりました。最終日は1日3公演という異例ずくめでしたが、幸運にも1公演目のチームKⅣ「シアターの女神」公演に遠方枠で当選することが出来ました。前日はマリンメッセ福岡でのコンサートでしたが、早起きして朝から劇場を訪れ、観劇後も「移転記念特別公演」の終演まで約12時間をホークスタウンモールで過ごしました。まだ本格的なオタクになって日も浅い頃でしたが、専用劇場の閉場という出来事が非常に悲しく感じられたことを今でも鮮明に記憶しています。

 

止む無く専用劇場を失ったHKTでしたが、2016年4月以降は天神の中心部に位置する「ソラリアステージ」6階にある「西鉄ホール」を拠点としながら、利用状況に応じて「スカラエスパシオ」や「ガスホール」との併用で劇場公演を行っていました。3つの劇場はそれぞれに長所・短所がありましたが、公演を観劇する上では概ね快適な環境でしたし、公共交通機関による利便性は旧劇場と比較にならないほど魅力的でした。

 

とは言え、あくまでも「間借り」の身分ですし、ステージの設営などの費用面も考えれば、従来のような頻度で劇場公演を行うことは出来ません。この4年間は公演の回数もかなり減り、半月近い休館期間も日常になってしまいました。AKBの発足以来、48グループの根幹はあくまでも劇場公演ですから、専用劇場は必要不可欠なのです。

 

ホークスタウンモールの跡地には大型商業施設「MARK IS 福岡ももち」が建設され、2018年11月にオープンしました。情報が錯綜したものの、HKT48劇場の復帰は叶いませんでしたが、同年11月26日の「HKT48 7周年記念公演」において、建設予定である「E・ZO FUKUOKA」に復帰することが明らかにされました。福岡ヤフオク!ドーム(当時)に隣接するという位置関係は殆ど変わりませんが、一帯は旧劇場の時代とは大きく変貌を遂げています。旧劇場閉場の夜、冷たい雨が降り注ぐ中で「いつか必ず、再びこの場所」と願った夢は現実になったのです。

 

ドームの名称も「福岡PayPayドーム」と改まった今年、シーズン開幕に合わせてオープンする予定だった「E・ZO FUKUOKA」ですが、新型コロナウイルスの流行によって延期を余儀なくされました。そして漸く世間が落ち着きを取り戻す中で、7月21日にオープンすることが発表されたのです。HKT48劇場の柿落としは依然として日程未定のままですが、悲願だった専用劇場が戻ってくる日は目前に迫っているのです。

 

 

ホークスの公式サイトでは「E・ZO FUKUOKA」の各コンテンツの概要が紹介されていますが、HKT48劇場については従来から明らかになっていたとおり・・・

 

ではありませんでした!!!!

 

赤線を引いた部分は、これまでの告知では全く触れられていなかったのです。私は心底驚愕しました。これが事実だとするならば、とても専用劇場とは言えません。

 

旧劇場の魅力は数え切れない程ありましたが、劇場内に事務所やレッスン場が備わっていたという点もその1つでした。劇場公演への愛の強さで知られるはるたんは、敬意と称賛の意味を込めて「劇場に住んでいる」と言われていたほどでしたが、必ずしも誇張表現というわけではなく、それくらい気軽に足を運ぶことが出来たわけです。

 

自主練習などでメンバーが劇場を訪れる機会が増えれば、公演に出演するメンバーと出演しないメンバーが顔を合わせる機会も増え、必然的にチームの垣根を越えて様々なメンバーが交流することを可能にします。それはHKTというグループが強みにしている「仲の良さ」を育む上で大きな役割を果たしていたと言えるでしょう。

 

運営会社も変わり、これからどのようになっていくかは分からないものの、既に貸出の話が具体的に進んでいると見るべきですから、新劇場はメンバーがいつでも足を運べる場所では無いと言えます。更に言ってしまえば、ステージや客席の設営や片付けの手間を考えれば、旧劇場のように1日でもスケジュールに余裕が出来れば公演を実施する、というような身軽さを期待することも難しいと言わざるを得ません。「イベントに貸し出すから休館日にする」という本末転倒の事態が想像出来てしまうので、専用劇場の最大の利点であるはずの公演回数の確保すらも大いに危ぶまれます。

 

「別イベントへの貸出」という話が決定した時期は定かではありませんが、もっと早くから判明していたにも関わらず、こんな直前まで黙っていたというのであれば相当に悪質です。国内の48グループで、専用劇場を休館日に別の団体へ貸出するなど前代未聞ですし、グループの活動の根幹を揺るがしかねない一大事と言えるでしょう。期待が大きかった反動で非常にがっかりしてしまったというのが私の正直な感想です。

 

無観客での柿落としというわけにもいきませんし、劇場公演の再開すら見通せない状況ですが、メンバーはレッスンなどで久しぶりの再会を果たしているようです。様々な困難の解消を願いつつ、華々しい柿落としの当日を楽しみに待ちたいと思います。