中国経済がかなり不安視されています。
隣に位置する日本としても無関係ではいれませんので、なるべくわかりやすく解説したいと思います。
1 中国経済の現状
2011年くらいまでは毎年10%近い驚異的な経済成長率をほこってきました。
しかしここ数年の経済成長率は7%前後で、この傾向は今後もあまり変わらないと言われています。
元々、中国経済の成長を支えてきたのは不動産投資です。
ひたすら建物を建てまくり、その不動産に投資をすることで不動産価格が上昇するという不動産バブルが中国経済を支えてきました。
国の経済は、大きく内需(=国内消費)、輸出、投資の3つに分かれますが、中国は輸出できるような技術力も信用もありませんので、輸出はあまり期待できません。
そして、内需(=国内消費)が期待できないことは、日本での爆買いを見ればわかります。
中国国民が自国の製品に信用をしていないからこそ、日本で家電や医薬品を買いまくるのです。
ということで、投資で支えてきた中国経済ですが、その中心となる不動産については、過剰な建設ラッシュで一つの街全体がゴーストタウンになるなど、あり得ないくらいのひどい状況です。
以上のことから、普通にしていると今後の中国経済はかなり危なくなることがわかります。
2 AIIB
そこで、中国政府として起死回生を狙ったのが、最近よく報道に出てくるAIIB(アジアインフラ投資銀行)です。
このAIIBとは、アジア地域のインフラ支援整備を目的に、中国が中心となって設立しようとしている金融機関のことです。
アジアにはすでにADB(アジア開発銀行)と呼ばれる似たような目的の金融機関があります。
ADBはアメリカと日本が最大の出資国で、しかも歴代の総裁は全て日本人なので、中国は第3位の出資国ですが、発言力はそんなに強くありません。
中国としては、アジアの覇権国家を目指していますので、それに対抗するべくAIIBを設立しました。
しかし、ここに大きな問題があります。
中国はADBに対して1.6兆円の借金があります。
そんな借金を抱えた国が、出資比率50%でAIIBという金融機関を作ることにそもそも矛盾があります。
中国がAIIBを設立する目的は2つあると見ています。
AIIBは中国が出資比率50%ですので、当然中国が強い発言力を持ちます。
①アジアの覇権を握る
⇒アメリカ中心のADBから、中国が中心のAIIBに移行させたい
②自国の経済を再浮上させる
⇒国内ではまともな設備投資も期待できないので、アジアの開発投資に中国企業をからませることで高い経済成長を維持させたい。
ただし、AIIBに日本とアメリカが参加しなければ、②のシナリオは成り立ちません。
日米両国が参加しなければ国際的信用度は低くなります。そして、中国がもう一つ必要としているのは日本の高い技術力です。
鉄道事故の処理で列車そのものを埋めようとする国ですから、そもそも信用はありません。
しかし、日本が入れば話は変わります。
中国企業が受注し、下請けに日本企業を使えばいいのですから。
3 日本がとるべき対応
現段階で日本はAIIBには不参加としています。
1,2を読んでもらえば、AIIBに不参加とした安部政権の判断はすごく妥当だということが理解いただけると思います。
少なくともADBの借金を返してからAIIBを設立すべきだと思うのですが、中国にそんな国際常識は通用しません。
中国と距離を置く安倍政権の外交政策は、個人的にはすごくいいことだと思っています。
日本企業も中国に進出しようとはしなくなっています。
香港ですらいろいろ危なくなっていますので、中国とは深くかかわらないのがいろんな意味でも安全だと言えます。
『君子危うきに近寄らず』という中国のことわざがありますが、まさにそういう状況だと思います。