数学者の藤原正彦が若き日にアメリカを訪れた。その時の回想録である。

数論日米セミナーで「代数方程式におけるハッセ原理」について講演をしたとき、ミシガン大学のルイス教授の目に止まったのがきっかけだった。

最初はハワイでの思い出、「真珠湾」に行った時のことが書かれている。

次に立ち寄ったのがラスヴェガス。ルーレットの確率はなるほど、よく考えられているものだ。36分の1の確率の場所が掛率36倍となるはずが、0と00を別に設け、確率は38分の1、掛率は36倍となり、少しではあるがディーラーが有利となる。数学者として細かいところをよく見ている。

そしていよいよミシガン大学へ。
なかなか馴染めなかったアメリカでの生活を事細かに書いている。


最後はフロリダでのこと。繊細な心でアメリカ文化をとらえている。実際に教壇に立ち、アメリカの学生と関わることによって、アメリカの教育と日本の教育の違いにも言及している。アメリカでは知識を詰め込むより、自分の意志を論理的に伝える方法や、議論の問題点をどう掘り出しどう展開するかなど、基本的なことに教育の重点を置いている。

他にも面白いエピソードを所々に織り交ぜ、素敵な文章で書かれている。さすが新田次郎と藤原ていの次男である。


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