ここのところ、ミャンマー東部、タイと隣接する国境地帯での特殊詐欺グループ摘発問題が再び大きな問題になっているようです。
数年前から、ケニア人や中国人が拉致監禁され社会問題になっていましたが、監禁されている人たちの中に多数の日本人が居て、特殊詐欺に加担させられていることが明らかになったからでしょうか?
再び、メディアやネット等で報道が過熱しています。
しかも、そこには愛知県の16歳の高校生と宮城県の17歳の高校生が居たというのですから驚きです。
何故、どうやって、高校生がミャンマーまで行って犯罪グループに加担することになったのか?オンラインゲームで誘われたという話ですが、詳しい経緯は解りません。
また、現地では、多くの人達が保護されたらしいのですが、果たして彼等は全員被害者なのか?あるいは、加害者なのか?
この問題に限らず、最近のネット犯罪を見ていると、黒幕自らが手を下すのではなく、一般の人たちが騙されてこれに加担し実行犯になってしまっている点が問題を複雑にし、解決を難しくしてしまっているように思います。
そして、この様子は、私が働いていたことのある、ひと昔前の風俗やAV業界の構造と非常に似通っているように感じています。
これは、私の個人的な偏見であり、間違っているのかも知れません。
また、昔お世話になった世界を悪く言うつもりも、批判するつもりも有りません。
ただ、これから、こういう特殊な世界に入ろうとしている方々に、間違った選択をして欲しくないので、陥りやすい罠をいくつかご紹介しておこうと思い立ちました。
ネットでの勧誘に迷った時、あるいは、これから、社会的に微妙に批判されている特殊な業界に足を踏み入れようと思っている方は、ほんの少し参考にしていただけると幸いです。
先ず、騙されているのに気付かない、あるいは、騙されたと気付いているのに抜けられなくなってしまう第一のポイントは
「金銭感覚の心理的コントロール」にあります。
ミャンマーの事件でも、DMで「高額のバイト」「ホテルも渡航費も持ってくれる」等の誘いがあったそうですが、先ず狂わされるのが金銭感覚なんです。
私は、風俗やAVの世界で、同じようなことを体験しました。
確かに短期間で多額の報酬を手にすることは出来るのですが、決して安定性は無いのに高級マンションや贅沢な暮らしをあてがわれたりすると、それを保つために、再び同じ仕事をせざる得なくなっていくのです。
巧妙な使用者側は、それが解っているから巧みに金を使わせる仕組みを押し付けて来ます。
私の仲間には、稼いだお金をホストに貢いでしまって、借金まで背負わされた子まで居たんですよ。
そして、第二のポイントは
「精神的な威圧(あたかも脅迫されているような圧力)を受けること」
一度こういう類の仕事をしてしまうと、この事実を人質に足枷を嵌められるんです。
確か、ネット犯罪グループに情報を取られて、詐欺に加担しないと家族を殺害されると脅かされたというケースがありました。
風俗やAV業界に限って、そんな理不尽な足枷は決して無いのですが、一度仕事をしてしまうと、その事実を親族や知り合いに隠したくなる心理が働くのは確かです。
ちゃんとしたプロダクションやメーカーは変なことはしませんが、担当者やブロデユ-サーによっては、親族や知り合いに知られてしまうリスクを脅し文句に使う人もいるんです。
それと、自分自身がしっかりしていないと、勝手に前科者になってしまったみたいな罪悪感や強迫観念が働いて、何故か抜けられなくなってしまう・・・
三つ目のポイントは
「仲間意識によるプレッシャー」
チームで仕事をしている以上、ひとりが脱落すると、そのプロジェクトが壊れてしまうので、そのプレッシャーが半端無くのしかかるんです。
ミャンマーの事件では、タスクを達成しないと電気ショックによる拷問を受けていたそうですが、拷問されなくても、タスクが達成できないと迷惑をかけた仲間たちに対して精神的な後ろめたさは残ってしまう・・・
反面、タスクを達成した時には、それなりの達成感を得ることが出来るから、それがどんな悪いことであってもチームとしてのタスク達成のために、一生懸命頑張ってしまうんです。
最後に、最も怖いのが
「前科者になってしまうこと」
たとえ、脅かされて止む無く犯罪に加担したとしても、加担した事実は消えません。
私たちの世界でも、変態モノ、スカトロモノに一度出ちゃうと、例えそれが強要されてやった仕事だとしても「変態」の烙印を押され、中途半端に売れれば売れるほど、その烙印は色が濃くなり一生消せなくなるのです。
台詞で言わされたとしても、言葉に出してしまった事実は決して消えません・・・
デジタルタトゥは消えません。
いずれにしても、社会的に僅かでも批判されているような仕事を請け負う時は、それなりの覚悟が必要だと私は思っています。
そこにドップリ浸かって抜けなくなってしまった当事者からのせめてものアドバイスだと思って聞いて下さい。
覚悟があって、請け負うのなら良いのですが、覚悟も無しに飛び込むと、ちょっとやそっとじゃ抜け出せなくなる危険があること・・・若い人ほど知って欲しい。
だって、社会的に僅かでも批判されている世界には、必ず「裏」がありますから・・・
そして、そこに住む大人たちは、巧妙な罠を仕掛けて待ち構えているんです。





