太宰治の墓ーー没後60年経っても愛される希有な作家 | 「墓マイラー」巡礼の旅! いにしえのヒーローに会いたい!

太宰治の墓ーー没後60年経っても愛される希有な作家

「やっとお会いすることができました」

東京・三鷹にある禅林時の山門をくぐり、
スロープを抜けて太宰のお墓に近づくと
自然と鳥肌が立ってきました。

「墓マイラー」巡礼の旅! いにしえのヒーローに会いたい!

私にとっては、やっとお会いすることが
できた憧れの作家、太宰治。

思い起こせば、その出会いは
中学1年の時に読んだ『人間失格』でした。

それまで読んだ本はどれもが
きれいにまとまっているストーリーばかり。
勧善懲悪であり、美談であり、
正義は勝つ、みたいな。

ところが太宰の本は衝撃的でした。
カウンターパンチを思いっきり
テンプルに喰らったような。

とにかく、弱い。
ずるい、どうしようもない。
絶対、教育書にはなり得ない
禁断の世界。

でも、『人間失格』に共感してしまうのは
なぜでしょう。

人間、誰もが持っている弱さ・・・。
それを否定できない自分がいます。
もっと強く生きなきゃいけないんだけど、
ひょっとしたら、自分にもそういうところが
あるだろうと思ってしまいます。

「墓マイラー」巡礼の旅! いにしえのヒーローに会いたい!

ーー太宰治のお墓の前で
しばらく合掌。桜桃忌の時は
この小さなスペースに
ファンがごった返すといいます。
わかるような気がしました。

場所■禅林時
(本堂脇に太宰治と森鴎外のお墓の案内図があります)