あべぴょんの見え透いたウソ答弁に前川氏が速やかに反論、特区の黒幕は和泉補佐官とも
----------------------------------------
前川氏は心外とおっしゃっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうしてこうも、すぐバレるような嘘を国会の場でヌケヌケと答弁できるのだろうと理解に苦しみますが、それがあべぴょんの生態なのだとしたら、お気の毒。
14日の衆院予算委員会であべぴょんは、あたかも前川前事務次官が、加計と比較した上で、京産大は準備が足りないと判断したかのような答弁をしました。
前川氏のこれまでの発言を聞いていた者には「え?ウソでしょ。」と、すぐに分かりますし、前川氏ご自身も直ちに反論のコメントを出されました。これがまたスッキリ分かりやすい日本語です。グダグダな答弁の要点をピシリと押さえ、当時、前川氏が加計学園と京産大を比較しようにも、京産大の提案内容を知る立場になかったこと、安倍首相の直接指示はなかったが、和泉補佐官による間接指示は確固としてあったことを述べ、「安倍首相自身が関与していないと主張するための材料として」氏の名前を使われることは「極めて心外」「このように使わないでいただきたい」とキッチリ釘を刺されました。
これ以前に前川氏は、柳瀬氏についても「本当のことを言ったときの仕打ちが怖いというのが本心では。」とインタビューに答えています。官僚の実情を知る方としてさらに、加計学園新設を通す理屈を作った人物は和泉補佐官だという認識も示しました。ここまで分かっていながら追求しない日本の司法って。
また、現在の若い世代が全体主義に流れていることについて、「権力者の嘘を見破れない」教育への疑問を述べておられます。
ひどい国会ではありますが、前川氏のような発言が報道に上がるのを見ると、ようやくここまで追い詰めた、とも思えてきます。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
前川喜平前文科次官が15日、安倍首相の国会答弁に反論するコメントを出した。問題の答弁は、安倍首相が14日の衆院予算委で加計学園の獣医学部新設を巡る前川前次官の発言について触れた箇所。
安倍首相は、「加計ありき」との指摘について、<前川前次官ですら、京産大(京都産業大学)はまだ準備が十分ではない、熟度が十分でないという認識の上に、加計学園しかなかったということをおっしゃっていた>と答弁。あたかも前川前次官が「加計と比べて京産大は熟度が足りない」と考えていたかのように答えたのだ。
これに対し、前川前次官は、京産大の提案内容を知らされていなかったため<加計学園と京産大の提案とを比較考量することは不可能>だったと反論した。
加えて、加計学園の獣医学部新設が<安倍首相自身の強い意向だという認識を持っていた>と明言し、<首相が加計学園の獣医学部新設に自分が関与していないと主張するための材料として、私の名前に言及することは極めて心外>とクギを刺した。
(以下略)
官邸側は、国家戦略特区の前例に当たる千葉県成田市の医学部新設と同じ理屈でいけば、加計学園の獣医学部新設も通るだろうと踏んでいたのだろう。こうしたことを考えた黒幕は、(加計学園問題をめぐって、当時文部科学事務次官だった私に、“総理は自分の口からは言えないから、私が代わって言う”と迫った)和泉洋人首相補佐官だと思う。彼は特区の制度を作った張本人で、この制度の隅から隅までを知っている人物。(中略)
一国民視点で言えば、安倍政権は即刻やめるべき。(中略)20~30代の若い男性を中心に「安倍信者」がいるから厄介。この流れは非常にファシズム的で、全体主義に傾斜している。こうした権力者の嘘を見破れない若者について考えると、翻って教育に問題があったのかもしれないと、今、非常に危機感を抱いている。(本誌・松岡かすみ)
1 国民民主党玉木雄一郎衆院議員の質問に対し、安倍首相は、「(加計学園は)ずっと構造改革特区のときから岩盤規制に穴を開けようとしてきたのは事実であります。安倍政権になってからも構造改革特区については安倍政権では4回却下をしているわけであります。そこであの前川前次官ですらですね、前川次官ですら、京産大はすでに出していたんですが、そのことをですね、そのことはまだ準備が十分ではないという認識の上にですね、熟度が十分でないという認識の上に、加計学園しかなかったということをおっしゃっていたわけであります。」と述べましたが、この発言は事実に反します。
国家戦略特区ワーキンググループが2016年10月17日に京都府・京都産業大学からのヒアリングを実施したこと及びその内容については、その当時私は全く知りませんでした。文部科学省はこのヒアリングに呼ばれていなかったからです。「加計学園しかなかった」という認識は持っていましたが、それは首相官邸や内閣府が初めから加計学園の獣医学部新設を認めようとしていたこと、すなわち「加計ありき」という認識を持っていたということです。2016年10月17日の京産大の提案内容を知らされていない私が、加計学園の提案と京産大の提案とを比較考量することは不可能でした。
したがって、加計学園と比べて「(京産大は)まだ準備が十分ではない」「熟度が十分でない」という認識を私が持っていたとする安倍首相の発言は事実に反し、極めて心外です。
2 公明党中野洋昌衆院議員の質問に対し、安倍首相は、「これまでの国会審議を通じて、柳瀬元秘書官のみならず、前川前次官も含め、誰一人として私から国家戦略特区における獣医学部新設について、何らの指示も受けていないことが、すでに明らかになっています。」と述べました(共産党田村智子参院議員の質問に対しても同様の答弁あり)。
たしかに、私は、国家戦略特区における獣医学部新設について、安倍首相から直接の指示は受けておりません。
しかし、私は、2016年9月9日に和泉洋人首相補佐官に首相官邸へ呼ばれ、国家戦略特区における獣医学部新設について速やかな対応を求められました。その際、和泉補佐官は「総理は自分の口から言えないから、私が代わっていう。」と発言されましたので、私はこれを安倍首相自身の意思だと受け止めました。
また、内閣府から文科省担当課に伝えられた内容を記録した文書(「官邸の最高レベルが言っている」や「総理のご意向」と記された文書)からも、私は加計学園の獣医学部の平成30年度新設が安倍首相自身の強い意向だという認識を持っていました。
したがって、安倍首相が加計学園の獣医学部新設に自分が関与していないと主張するための材料として、私の名前に言及することは極めて心外であり、私の名前をこのように使わないでいただきたいと思います。
2018年5月15日
前川喜平