中東・北アフリカ:非同盟諸国会議:シリア問題を強調し、非同盟諸国の分断を図る、日本のマスコミ | 端事些事のブログ

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中東・北アフリカ:非同盟諸国会議:シリア問題を強調し、非同盟諸国の分断を図る、日本のマスコミ


非同盟首脳会議で、エジプト大統領が演説(2012/08/30(木曜) 19:47 イランラジオ)

エジプトのモルシ大統領が、「パレスチナ問題は、非同盟諸国が創設されたときからこの組織の優先事項である」と語りました。

非同盟諸国会議の議長国を3年間つとめたエジプトのモルシ大統領は、30日木曜、テヘランで開かれた第16回非同盟諸国首脳会議で、「パレスチナ人の権利は自らの意志で自らの将来を決定することであり、独立政府をパレスチナの完全な領土で樹立させることである」と語りました。

さらに、「我々は再度、権利を支持し、パレスチナ人に必要な政治的、非政治的なあらゆる支援を行い、これらの人々が自らの国や政府を持ち、国連に加盟し、数十年後に平穏の中で暮らすことができるよう努力する」と述べました。

また、「パレスチナ人の要求が実現され、パレスチナの捕虜がシオニスト政権イスラエルの手から解放されるべきだ」とし、「安保理は、世界的な公正を示すことができるよう、完全な改革が行われるべきだ」と語りました。

さらに、「公正が一カ国、あるいは数カ国で実現されたとしてもそれは正しいことではない。我々は各国の国民の見解を反映するものであるべきだ」と語りました。

モルシ大統領は、「非同盟諸国の中に複数の連帯を生じさせ、世界が一極主義とならないようにすべきだ」と語りました。

さらに、エジプトの革命の勝利について触れ、「エジプトの革命は自らの目的を実現することができ、現在エジプトは国民の意志で動いている」としました。

また、「現在エジプトは民主的な国であり、今日のエジプトは真の意味で、自らの意思によりその要求を実現することができた」と述べました。

テヘランで開催されている非同盟諸国の会議への各国の首脳、外務大臣、代表者の出席は、世界のメディアで大きく取り上げられています。

さらにこの大規模な参加は、アメリカやその同盟国による対イラン制裁、イランの孤立化をねらう政策を失敗に直面させています。

非同盟諸国運動は、120カ国が加盟し、国連に次いで2番目に大きな国際組織となっています。



イラン大統領、非同盟諸国首脳会議で演説 (2012/08/30(木曜) 22:13 イランラジオ)

イランのアフマディネジャード大統領が、世界の共同運営の実現、恒久的な平和の確立が非同盟諸国創設者の理念であるとしました。

アフマディネジャード大統領は、30日木曜、第16回非同盟諸国首脳会議で演説を行い、「すべての国の国民は現状に満足しておらず、今も人類共通の歴史的理想や理念、つまり公正や自由、尊厳、恒久平和に基づく貧困、差別、脅迫、蔑視、戦争、憎しみの根絶、美と愛情、喜び、健全性あふれる幸福な生活は、実現する機会を見出していない」と語りました。

さらに、「数百年もの間、次から次へと人間のさまざまな苦しみが続いてきた」とし、「世界の経済の中心、富の主要な部門は、複数の政府によるいくつかの投資グループの手に握られており、多くの国民は貧困の中で暮らしながら、悪用や不適切な運営の代償を支払わわされている」と語りました。

アフマディネジャード大統領はまた、アフリカや中南米諸国の豊かな鉱山の多くは世界の資本主義国に属する企業のものとなっており、その一方でこの地域の人々は、神から与えられたこの資源から最小限の利益も得ていない、とし、「世界を支配している経済政策は、システム面で、恒常的に資本主義国の問題を他国に、反対に他国の富を資本主義国に移転させるものだ」としました。

さらに、儲かる貿易としての兵器の売却が常態化していること、兵器市場を繁栄させるために戦争や対立が他国に押し付けられていることを指摘し、「人身売買、麻薬の栽培と密輸、テロリズムが明らかに支持され、強化されており、こうして恒久平和を実現できない理想に変えている」と述べました。

アフマディネジャード大統領はさらに、「多くの希望を作り出す国連の創設にもかかわらず、世界を支配する運営は、国民の現状を改善し、恒久平和の樹立によって世界の人々によりよい生活をもたらすことを妨げている」と語りました。

イラン大統領は、国連安保理の運営における独占もまた完全に明らかだ、とし、「65年前から、パレスチナ人の権利実現を多くの国民が認めているにもかかわらず、安保理の行動はシオニスト政権の犯罪や圧制、占領の拡大と安定化につながっている」と強調しました。




エジプト、イランとの立場の違い鮮明に(2012年08月30日(木) 22時45分 MBS)

 イランで開かれている非同盟諸国の首脳会議で、エジプトのモルシ大統領は「自由を求めて戦うシリアの人々と連帯する」と述べ、アサド政権を支持するイランとの立場の違いを鮮明にしました。

 テヘランで30日開幕した非同盟諸国の首脳会議で、エジプトのモルシ大統領は、内戦状態に陥っているシリアについて「抑圧的な政権に対して自由を求めて戦っているシリアの人々と連帯するのは倫理的な義務だ」と明言、あくまでアサド政権を支える姿勢を見せているイランとの立場の違いを鮮明にしました。

 また、モルシ大統領は「シリアがさらなる内戦や分割に至るような事態も避けなければならない」とした上で、「シリアの流血は、我々が行動しないと終わらない」と参加国に呼びかけました。

 モルシ大統領の前後に演説したイランの最高指導者ハメネイ師とアハマディネジャド大統領は、それぞれ核問題などに絡めてアメリカを激しく批判したり国連改革を求めたりしましたが、シリア情勢への言及は避けました

 モルシ大統領はエジプト、イラン、トルコ、サウジアラビアの4か国でシリア問題解決の枠組みをつくることを提唱していますが、立場の違いをどう埋めていくのか、注目されます。(30日20:54)




シリア対応めぐり大荒れ=エジプト大統領が介入呼び掛け-非同盟諸国首脳会議が開幕(2012/08/30-21:02 時事)

 【カイロ時事】イランの首都テヘランで30日、途上国など100カ国以上が参加する非同盟諸国首脳会議が2日間の日程で始まった。核開発問題で欧米と対立する議長国イランは、欧米主導の国際秩序形成に一石を投じたい考えだが、エジプトのモルシ大統領がシリアのアサド政権を「抑圧的な体制だ」と非難、シリア代表団が退席するなど大荒れの展開となった
 エジプト大統領のイラン訪問は、1979年のイスラム革命後の断交以来初めて。両国関係改善の契機になるとの見方もあったが、モルシ大統領は、イランの同盟相手であるアサド政権を痛烈に批判、関係改善機運に冷や水を浴びせた
 大統領は「正当性を失った抑圧的な体制に対するシリア国民の闘争との連帯は倫理的な義務であり、政治的・戦略的な必然だ。効果的な介入がない限り、流血は止まらない」と訴えた。これに対しシリアのムアレム外相は「暴力を扇動しており、内政干渉だ」と猛反発した
 モルシ大統領が属したエジプト最大のイスラム原理主義組織であるムスリム同胞団は、中東各地に系列組織を持ち、シリアの反体制運動でも主導的な役割を果たしている。イランはシリア問題の対話による解決を訴えているが、非同盟諸国の間で結束した対応を打ち出すのに失敗した形だ



気づいただろうか、ここまでは、以前の記事と同じだ。

あの記事を書いた後、日本のマスコミが、「モルシがアサドを批判」と一斉に報道した。

エジプト・モルシ大統領、国際会議でシリア・アサド政権を批判‎(FNN)
エジプト大統領、アサド政権を強く批判 シリア反政府勢力支援を呼び掛け‎(CNN Japan)
エジプト大統領「アサド政権に正統性なし」‎(毎日放送)
エジプトのモルシ大統領、シリアのアサド政権に政権移譲を迫る‎(FNN)


以前の記事でも書いたが、

今回の非同盟諸国会議の議長国イランの方では、シリア問題に触れず、パレスチナ問題を強調している。

当然、モルシの発言内容を事前に聞いて、シリアに関する発言を、わざとしていない。

そこには、イラン自身の事情も加味して、非同盟諸国の協力関係を優先した配慮が感じられる。

それは、モルシのエジプトも同じだ。


従って、エジプト、イランを含む非同盟諸国は、

まず第一に、パレスチナに関する問題の重要性と方向で一致しており、

シリアに関する問題でも、「困った問題」として、各国の「立場」は違うものの「方向」はおおむね一致している。


この点を隠して、「モルシがアサドを批判」と一斉に報道した意味は、客観的には、

米政府の意図に従って、非同盟諸国内部の分断を狙うものだ。


シリア情勢に関して言えば、俺的な妄想では、

本来、中東・北アフリカの民主化運動として始まったシリアの一般大衆のデモを、

米欧、イスラエル、ロシア、イランなど利害対立する国々が裏から介入して、軍事紛争に捻じ曲げた。

例えば、米政府のやり方はCIAとかを使っていろんな国でやってきた工作とそう変わっていないようだ。

民兵の組織、テロによるかく乱。(「自由シリア軍」と米政府の関係は公然の秘密だろう)

似たような事をアサドを含む、各国政府がやっている。

だから、戦火は収まらない。


しかし、彼らに、(彼らがいくら頑張っても)シリアの未来を決する事は出来ない。

それは、アフガンや、イラクの状況を見れば明らかだ。

その力は、シリアの圧倒的多数の一般人による民主化運動のパワーしかない。

現状、そのパワーは、分断され押さえ込まれているようだし、

(俺的には、「自由シリア軍」は民主化勢力とは思っていない)

御用マスコミは、(日本で脱&反原発運動を報道しないように)そのパワーの存在を報道しない。

それだけでなく、御用マスコミは、この例のように、

非同盟諸国会議のパレスチナ問題に関する発展的側面を隠し、

「モルシがアサドを批判」だけを強調して、

中東・北アフリカの民主化運動の盛り上がりが、非同盟諸国会議に与えてる発展的影響を隠している。

(記事によっては会議が「大荒れ」のような印象を与え、非同盟諸国自体の対立を図っていそうなものもある)


あ、いつものおことわりだが、俺的にはいずれの国の政府も支持していない。

俺的には、国際的な政治不信でマスコミ不信な者なので、あしからず。