東大を出るところまでは、簡単なのかもしれませんよ。
むしろ。


自分自身が東大を出たわけではないのだが、
東大を目指す生徒を何人も指導してきた。

そして東大に入り、先生という立場に立つ先生も
沢山見てきている。

そして思うこと。


東大に入るには、勉強にバランス感覚が必要だ。
そして2次試験の傾向に合わせて、戦略的に勉強することも。
量をやればいいというわけではなく、
どの類にいくためにどの教科をどれくらい取らなければならないか
例えば数学は何問完答しなければならないか、
そういう情報をきちんと得て、そこまで
学力をコントロールできる子が
東大に合格していく印象を受ける。
そういう情報を知らず、
その意味では闇雲に勉強しただけで
ざっくり受かることの出来る2割の「天才」と言われる人間は、
自分で自分を制御できる能力があったのだと思うし、
それ以外の、
まわりにいるマネージメント能力のある人の力を利用した人も、
最終的にはバランスのよい学力を作り上げて、
胴上げをされるわけで。


そこまでバランスよく自分を仕上げられた人ならば、
東大にいる間も、「黒マジ」(って今もあるのだよね?)
を塗られる塗られないという立場に立つのは、
最低限のバランス感覚を
何かしらの理由で失った人だけだから。


でも東大を出た後でバランス感覚を失わないような
生き方を出来ている人は・・・どうだろうか。


それはどの大学を出た人でも
ある割合でいるのだけれど、


社会の中で生きていくとき、
自分と同質のひとはおろか、
自分と話が通じる人の少なさに
きちんと気づいて、
自分の枠を開放する
余裕と勇気がなければ、
能力が高いとされている人ほど
バランスが取れない、
「使えない」人になってしまい、
「ええ、あの人って本当に東大出身なの!?」

東大を出ていない人を中心に
後ろ指差されることと相成ってしまう。


だから新しいものを自分のものにしていく
バランス感覚と戦術を
受験勉強をしていく中で身につけ、
余裕と勇気を持って
自分より能力の低い人に
自分の能力を開陳できる
心を身につけ、
何よりも東大を出たあとに
何をやらかしてやるのかという
野望を
大学に入るまでにはとは言わない、
というか言えないから
(これは、大学に通っている間に
 野望を探そうと思っている
 東大生がいることにたまげたことからの
 反省からですが)
せめて教養を終えるまでに
(駒場にいる間に、というと
 駒場にずっといる専攻の方も多いので)
その野望を見つけてほしい。


勉強のやり方を
一から十まで
手取り足取り教えてもらえるのは
大学生になるまでですから。
勉強のやり方さえ身につければ
前に進んでいけるという
シンプルな時代は
高校生までですから。

そこから、
大学以降の身の処しかたに対する
ストラテジーを
学び取らせていきたいし、
学んでいただきたいと思いながら
指導に当たっています。


野望がかなうかどうかは別にして、
野望を早く持ったほうが、
若い時代の勉強を
より実りあるものに出来ますよ。