僕は超能力者だ。
僕の超能力は「タイムストップ」だ。


この力を使えば時間を止められるのだ。
ただし時間を止められるのは僕の周り半径30メートル以内の人間だけだ。
動物やクルマには効かない。

でも呪文を唱えれば回りの人間の動きを完全に止めることができる。
僕ら超能力者の仲間たちは、毎日お互いにこの力を使い合って訓練している。
今日も練習をした。

するとケンちゃんにだけはうまく力が伝わらなくて、ケンちゃんの身体が少しだけ動いて止まった。

「おかしいな。まだまだ練習が足りないのかな」
と僕が言うと、ケンちゃんは
「タダシくんが悪いんじゃないよ」
と言った。

今度はケンちゃんが超能力を使う番だ。
僕らは少し身構えた。
ケンちゃんが僕らから離れて呪文を唱えた。

 

「ダルマさんがころんだ」