吉澤はじめ MY INNER ILLUSIONS -5ページ目
2014-09-11 12:15:49

【ニューアルバム楽曲解説12】記憶の平行棒

テーマ:Shared Illusions
いよいよ、リリースまで一週間を切りました。

本日はボーカル曲「記憶の平行棒」について話します。久々の日本語曲でもあります。
作曲したのは、もう10年以上前、まだモンド・グロッソの一員だった頃になります。さらに作詞のアイディアは20代の後半、陳腐な私小説をコソコソ書きなぐっていた頃に生まれました。

平歌、サビなどの、いわゆるポップスの定型の形を取らない楽曲形式ということもあって、デモ制作時の、レコード会社のディレクターからの受けは悪く、落ち込んだものです。ただ、「遠い記憶の平行棒に串刺しに連なる僕ら」というラインを当時の僕の代理人がとても気に入ってくれて、いつかこの曲を吹き込んでほしい、と励ましてくれたのは嬉しかったです。
モンド・グロッソを辞めて、Acoのプロデューサーだった頃、当時の担当ディレクターがこの曲をAcoに提供して欲しいという話までは進んだのですが、結果的にはデモ段階どまりでした。

そういうわけで、この曲を世の中に発表することは悲願でもありました。
全体を支配しているのは、子供の頃から、少し世の中に対してひねくれていた僕が抱いていた「桃源郷への逃避行」のイメージです。人は死んだらどうなるのか、死後の世界があるのかないのか。そういった命題に対して、この地上に生を受けて生き続ける間に証明することは不可能だと思いますが、それでも多くの人がその謎に答えを出そうともがいていることも事実です。この世で人に出会ったり別れたり、経験したことがすべて無に帰す、とは思えない自分としては人々の記憶が共鳴し合う平方根のようなものが存在するのではないかな、という漠然とした思いがあります。そして遠い日のどこかで、その平方根で響き合う遺伝子が引き寄せられたりするのではないだろうか?と考えるのです。

全編をフェンダーローズのあたたかいサウンドが初秋の夕方のような哀愁感を漂わせています。この手のサウンドにおけるストリングスとブラスのアレンジは、僕が得意分野にしているところでもあるので、楽しんで書き上げました。70年代以降、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)、あるいはニュー・ミュージックと呼ばれるジャンルには沢山の名曲が存在していて、そのエッセンスを凝縮していく仕事はまだまだ残っていると信じています。

2014-09-09 13:45:17

【ニューアルバム楽曲解説11】White March

テーマ:Shared Illusions
タイトルは「白の3月」と「静かな行進」のダブルミーニングになっています。
震災の日、テレビに津波とともに映し出された横殴りの雪が頭にこびりついていました。
現実の出来事として記憶に定着させるには、あまりにも衝撃的でした。
その後、岡淳氏の誘いでジャズ・フォー・東北に参加して被災地を訪れ、いかに恐ろしい災害がそこで起こったのかを頭ではなく体で感じました。

この楽曲は、美しい東北の海外線の景色、自然、そしてまた厳しい気候の中、幸せを求め努力する人々のくらしとともに、ひたひたと忍び寄る放射能の恐怖をイメージしています。
アルバム全体として、震災をモチーフにすることはするつもりはありませんでしたが、逆にいえばいっさいそれを排除する事も不可避だと感じました。
僕が音楽家として出来る仕事として、当然のように表現すべき一つのテーマであると思いこの曲を書き上げました。

震災後にノートPCで打ち込んだピアノのシークエンスとストリングスのテーマを編集しているうちに、7年くらい前に作ったSLOW TECHNOというアンビエント系のデモ曲の硬質なビートとウーリッツァのシークエンスを合体させたときに、この曲の全体像が僕の脳裏にはっきりを浮かびました。
岡淳による二本の篠笛がさらにこの曲の奥行きを広げ、より立体的な映像が浮かんできました。
もともとはダブ的な要素はなかった曲なのですが、こだま和文氏とのデュオユニットでの経験を生かしたいと考え、大胆なダブ処理(ディレイなどのエフェクト処理)を施すことにしました。

大好きな映画音楽「砂の器」から受けた影響も少なからずあります。聴く方々がそれぞれの記憶をこの曲に照射させて、思い思いの映像を結実していただけたら作曲者冥利につきます。
2014-09-06 13:14:16

【ニューアルバム楽曲解説10】Many things to worry...

テーマ:Shared Illusions
トレーラームービーの冒頭、吉澤がクラシックギターをチューニングする姿から、おもむろに弦をつま弾く映像を観て驚かれた方もいらっしゃると思います。
僕がギターを弾き始めたのは5年くらい前です。ブラジル音楽に傾倒している妻に、ボサノバの弾き語りが出来るようにとクラシックギターをプレゼントしたのですが、コードの押さえ方を教えるつもりで、一から教則本やYouTubeの教則ビデオを参考に習い始めたところ、すっかり自分がはまってしまったのです。妻に教えるのはそこそこに、四六時中自宅の居間で練習三昧の日々を送り続けました。古道具屋で自分専用のクラシックギターをもう一本購入して、さらにジャズギターを勉強するぞ、と意気込んでセミアコまで手に入れました。
その頃の僕は、実際のところ、ピアノを弾く時間の10倍以上ギターを練習していたと思います。一時期は共演するギタリストに片っ端から質問攻めをして、迷惑をかけたなと今は反省しています。2年くらい経ったころ、度胸をつけようと、国立のfukusukeでもステージで演奏しましたね。ここ最近は人前で演奏する事もなかったので、もうやめたのですか?と訊かれる事もたまにあったのですが、弾きたくなるバイオリズムに合わせてちょこちょこやっています。

というわけで、今作ではこのMany things to worry…のイントロでギターを弾いています。曲のタイトルの由来は、勘のいい方はピンと来ると思いますのでここでは発表致しません。クイズにしますので、実際リリース後に楽曲をお聴き頂いた上で回答をどしどしお寄せください!いくつか回答を頂いたあかつきには適当なタイミングで正解を発表しますね。

この曲はいわゆるハウスチューンになるのですが、メロディやコード進行、展開などにふんだんに吉澤印のソースをかけてあるので、BelieveAgainやSweetWayなどの吉澤節が好きな方にはとても楽しんでもらえるはずです。ブラスシンセのコード・カッティングやエレクトリック・ベースのライン、後半ブレーク後のラテンパーカッションなど、MAW好きの方にもピンと来ると思います。年齢がある程度いっている人には、懐かしいシンセドラムのタム音にキュンとなるかも。

この手のリズミックな曲で、ピアノのアドリブをとるのは昔から大好きで、レコーディング中のもっとも楽しい仕事の一つです。中盤たっぷり40小節あるピアノソロパートをぜひお楽しみください。
楽曲後半で聴くことができるフルートと子どもたちの笑い声、叫び声は、東北巡業での岡淳氏と園児たちのやり取りをインサートしたものです。楽しい情景が浮かぶのではないでしょうか?
2014-09-03 14:27:30

【ニューアルバム楽曲解説9】Darknight(Moonshine)

テーマ:Shared Illusions
大阪のFM局が数日前、今回のアルバム曲をオン・エアーしたという話がありました。その際、プレイされたのが本日解説するDarknight(Moonshine)。確かに、夜の落ち着いた時間にFMで流れてきたら気持ちのいい曲だと思います。

スムーズなグランド・ビートに爽やかなシンセ・ストリングス。フェンダー・ローズのあたたかいトーンが全体を包みながら、印象的なコード進行を演出します。その舞台の上で、歌心あふれる五十嵐一生のトランペット、吉澤のボーカル/コーラス、Mincoのコーラスがそれぞれの役どころを演じてゆきます。今もって高い人気を誇る楽曲「The Room」(アルバムMusic from the edge of the universe収録)の2014年バージョンといってもいいかもしれません。

コーラスのMincoは吉澤の出世作でもあるSecretFlight,Beyond the Sunshineをはじめ、諸作品で透明感のあるコーラスで楽曲に独特の明るさを加えてきてくれました。今作のこの曲においては一人シンガーズ・アンリミテッドあるいは女山下達郎ばりの、4声ハーモニーを聴かせてくれます。(実際は吉澤担当の低音部2声分を加えた6声ハーモニーになっています。)

五十嵐一生のトランペットを録音したのは、首都圏に記録的な大雪が降った日でした。午後2時すぎから録音に熱中していた為、夕方ふと気づくとスタジオの外の風景が激変していて、大慌てで雪かきしたのを覚えています。抑制の利いた彼のプレイは、スペーシーで想像力に満ちあふれたものです。トランペットにはミュートとオープンという二つの代表的な演奏法があるのですが、ソロの途中で、この演奏法が入れ替わる事でまるで二人の五十嵐一生が会話をしているかのような効果を生みました。

歌詞はこれ以上シンプルに出来ないというギリギリの文字数で構成しました。
これは、リフレインすることの気持ち良さもあるのですが、一番意識したのは俳句です。
実は、吉澤の父方の祖母、故吉澤久子は歌人でありました。
少年の頃に、彼女の句集を見たときには、その意味や出来の善し悪しは判然としませんでしたが、大人になったときに読み返したときは少なからず衝撃を受け、感動したのを覚えています。

現在、彼女の孫の誰一人、文筆業を生業とするものはいませんが、彼女の才のほんのひとかけらでも、自身に見いだしてみたい、という切なる気持ちはいまだにどこかにあります。

画像は亡き祖母。吉澤久子。合掌。

2014-09-02 13:11:11

【ニューアルバム楽曲解説8】Azure Forest

テーマ:Shared Illusions
ときに、CM音楽などを制作する過程で没テイクとなったトラックを「野村」再生工場ならぬ「吉澤」再生工場で、復活させることもあります。むろん、そういった例はそう多くはなく、たいがいは僕のPCのアーカイブにうずたかくつもっていきます。しかしそれでも「没にするにはあまりにもったいない」「思い入れのある」「時代に直リンクできるようなタイムリーな」というように、様々な理由で再生工場のラインにあがってくる素材があります。

それが本日ご紹介するAzure Forest。
もともとは某シューズ・メーカーの90秒のPRフィルムを任されたある映像作家兼プロデューサーA氏からコーディネーターB氏を通じて吉澤に仕事依頼があり、取り組んだ仕事から生まれた曲です。
実はこの仕事で提供した10曲を超えるデモがすべて没!という、前代未聞の事態が生じました。
優秀なCM音楽制作者で、ドラマーでもあるコーディネーターの方は、どのデモ曲も大変気に入ってくださったのですが、A氏からはひたすら意味不明のダメ出しの連続をくらってしまい生まれて初めて途中で仕事をリタイアしました。
今回、アルバム制作にあたり数年ぶりにあらためてその楽曲群を聴いてみたのですが、最優先で再生、復活させる価値があると思いました。

タイトルはAzure Forest。蒼色の森
没曲それぞれは、同じ映像のために制作されたものでしたので密接に関係していました。そこで、それらを楽章形式にしてつなげ、さらに標題音楽としてブラッシュアップしていきました。

第1楽章にあたるパートは僕が勝手に「未明の月から日の出前」と名付けているのですが、どんよりした湿った土の匂いを思わせるミステリアスなサウンドです。デモ段階で自分自身で叩いたドラムがとても気に入っていたので、そのまま使い、そこに白鳥利卓のウッディなベースサウンドをダビングしました。初期のダラー・ブランドを思わせるピアノコードの刻みに、ハープが絡みます。

どんより低い黒雲のすきまからが歪んだ太陽が赤光を放ったとき、ウォーキング・ベース・ラインが大地を這うように時を刻みはじめます。第2楽章「朝露」。藤井伸昭と白鳥利卓のスムーズなスウィング・ビートから、五十嵐一生とレイモンド・マクモーリンの黄金コンビが、きわめてキャッチーなテーマをユニゾン。クールなローズのコードがシルキーな空間を演出します。後半は、パッド系のシンセサイザーがフェードインしてサウンドの温度をじんわり上げます。

そこから、さらにテンポアップした第3楽章「道行き」がスタートします。案内人は岡淳のピッコロ。テーマ部ではチェレスタも加わり、ピッコロと涼しげなメロディをユニゾンします。リズムの裏では、和を感じるパーカッションも加わり、どこか戯けていて、古い村の踊りのようでもあります。旅の終わりにさしかかると森の中の渓谷を前にして、道が一瞬途絶えます。

第4楽章「森から頂へ」
そこに現れたのがレイモンドのソプラノサックス。翼を広げ飛びたつと、重力に反しぐんぐん揚力を上げて、一気に渓谷を渡りきる。さらに藤井、白鳥のリズムがギアがあがると、さらに谷の向こう側の森を俯瞰しながら、高度を上げていく。旅人を頂上へと導く調べ。

完成したAzure Forestは、もともとが別の曲であったものの集合体とは思われない作品に仕上がりました。それは、まぎれもなく高い技術と想像力を持ったそれぞれの演者の力が結集したからに違いありません。
この曲がクラシック音楽という揺るがないフォーマットを借りており、その歴史や発想があったからこそ、現代の音楽が脈々と息づくのだという事は絶対的な事実でしょう。ジャズには不可欠といわれているアドリブもほとんどありません。
しかしながら、それでもこのAzureForestの裏側に流れているのはジャズ特有のエネルギーだと僕は信じます。

2014-08-31 15:20:57

【ニューアルバム楽曲解説7】Awareness

テーマ:Shared Illusions
硬質なヒップホップ系の打ち込みドラムと太くディープなシンセベース。ローズがイントロの途中でSoul 2 Soul を思わせるコードを刻みます。ピアノとグロッケンによるテーマメロディはジョー・ジャクソンのナイト&デイのオマージュ。
各所に細かくちりばめられた80-90年代のテイストは、全曲からの流れでもあります。

曲名、Awarenessというのは、私の義理の叔父であるピーター・アースキン氏の「TIME AWARENESS」というドラムの教則本にちなんでいます。
音楽を聴くときに、その曲が何分の何拍子とか、何連符のメロディだとか、考える必要はないと思います。。純粋に空気が揺れて発生する音の波に体をまっすぐにあずければ、自然と色々な体験や発見が出来るのだと、僕は思います。
その上で、色彩や図形の錯視効果や手品師の仕掛けるマジックのような効果を音楽家が聴き手に与える事が出来るのも事実で、この曲においても、単純なロックのリズムに、4小節ごとにかなり複雑なポリリズムを放り込んでいます。まるで1日や1週間のリズムのように、周期的に繰り返すこのようなリズム。ループと呼んでもいいでしょう。このループはときに不思議な催眠効果を得られます。
さらにこの曲のサビでは、16分音符5個分の長さのメロディが7回続く不思議なセクションがあります。このサビ部分は、先ほどの4小節ループのリズムパートに対して、非ループ。つまり非日常的なスペースになっています。

かなり、小むずかしい事を書いてしまいましたが、僕にとってヒップホップというカテゴリーはこのようなユニークな試みが可能だという事を示してみたかった、という事がいいたい訳です。
先駆者であるQtip氏のようなアーティストは、常にこのカテゴリーの可能性を切り拓く天才開拓者です。
手前味噌になってしまいますが、この曲「Awareness」を聴く上で拙作、Music from edge~のMy favorite kissやHajime YoshizawaのPentagon,Yesterday's Tomorrowなどを聞き返していただけたら大変うれしく思います。
2014-08-29 15:19:48

【ニューアルバム楽曲解説6】Sweet Black Sunshine

テーマ:Shared Illusions
久々にボーカル曲も3曲ほど収録しました。
吉澤の音楽家履歴のスタートは30年以上前。六本木の小さなクラブでの弾き語りでした。最初の頃は、自分の声が全く好きになれず、いやいや歌っていた向きもありましたが、勉強になると思って色々な歌手を聴いていくうちに、ナット・キング・コールが大好きになりました。一生懸命歌い方などをまねていたのですが、そのうちにスティービー・ワンダーの曲も弾き語りに取り入れていって、数年間、銀座や六本木のクラブで歌っていました。
そのうちに、ジャズのコンボのレギュラーの仕事も入ってきて、いつのまにか弾き語りの仕事も辞めたのですが、モンド・グロッソ時代からまたオリジナル曲のデモを自分で歌うようになりました。コズミック・ヴィレッジにおいては、キーボーディストとしてよりボーカリストとしてたくさん勉強させてもらいました。
その後、自分の初期のアルバムで10ccのI'm not in loveをカバーした他、数曲歌いましたが、あくまでも軸足はキーボーディスト。いやピアニストでありたい、という思いがあり、その後のアルバムにおいて念願のピアノトリオをリリースできるまでになりました。
そんな中で、根強く人気があったのがアルバム「music from~」における「The Room」での吉澤とリアのデュエット曲でした。自分の裏芸が評価されるのは、少し恥ずかしい反面、正直とても嬉しいです。今回のアルバムにおいては、自分の人生に深く密着したメッセージのある楽曲を歌う事ができてとても充実感を覚えています。

本日紹介する「Sweet Black Sunshine」は10代の自分の実体験をもとにした楽曲なのですが、あの当時、漠然と抱いていた世界の終わりへの不安、恐れ、は今、さらに現実味を帯びていると感じます。自然災害もそうなのですが、それ以上に、再び、帝国主義を掲げる大国の圧力に対して、力を持たぬ民衆がおびえる時代が到来しつつあるのかと、悲しくなります。
このような曲は比喩よりも直喩の方が、断然人の心に突き刺さるのしょうが、吉澤はあえてすべて比喩で表現しました。その分、CDのジャケットの和訳(対訳)の方には、かなりどぎつい表現の日本語になっています。
歌詞、および発音に関しては、レイモンド氏の素晴らしく的確な助言を沢山もらいました。
「高速道路をパンツ一丁で逃げている。パンツを失うな!」
などという歌詞は突拍子もないと思っていたのですが、その歌詞をレイモンド氏は逆にとても評価してくれて、サビや大サビにおいては細かい言い回しを修正してくれました。
このアルバムで、唯一の作詞合作になっています。

ベースラインの録音作業は、大変でしたが、チャックレイニー大先生、細野晴臣大先生に一歩でも近づけるようにと、マメを作っては潰しながら完成させました。トレーラームービーでは、涼しい顔で弾いていますが、最初の頃は最初のワンフレーズで突っ掛かってましたから(笑)

いつか、こういう曲をステージで堂々と歌えるようになったらいいのですが、やはり僕はただのピアニストでいたいのかもしれません。

2014-08-27 14:51:27

A New Day のプロモーション・ビデオを公開します。

テーマ:Shared Illusions
本日、A New Dayのプロモーション・ビデオを公開致しました!
この楽曲は、来月17日リリースのソロ・アルバム、Inner Illusionsに収録されています。
撮影、編集は工藤かずお氏です。
吉澤はじめ(pf)白鳥利卓(b)藤井伸昭(ds)の3人によって結成されたBOOTの魅力を、どうぞたっぷり堪能ください!

なお、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、YouTubeのオフィシャルページを開設致しましたので、登録頂ければ幸いです。リンク先は、このブログページのホーム画面の頭のメッセージボードか横のフリースペースに常時貼ってあります。


A NEW DAY PV

アルバムの予約販売がスタートしました。下記のリンクよりどうぞー。
Inner Illusions/Village Again

¥2,592
Amazon.co.jp

2014-08-25 12:04:28

【ニューアルバム楽曲解説5】Dope Impakt

テーマ:Shared Illusions
トレイーラームービーに冒頭部が公開されていたDope Impakt。

巨匠チャールス・トリバーのライブ作品で、その名も「Impact」というアルバムを5年くらい前に旭川のジャズ・クラブで聴いたときのインパクトがずっと残っていました。その圧倒的なパフォーマンスと楽曲の格好良さに憧れていたのですが、今回のアルバム制作がチャンスだと思い書き下ろした曲です。

前半と後半の「変拍子のフェラ・クティ」のアフリカン・パートがあり、そこに挟まれて、さらに変態アクセントのジャズ・ファンク・パートが展開しますが、基本的にははじめからおわりまで拍子は4分の4です。
冒頭のトランペット・セクションのパートはトップがハイCとDで、かなりきつく、途中何度も五十嵐一生氏に応援を頼もうかと思ったのですが、このような土方的な仕事を彼に頼むのは失礼だと思い、必死にトライしました。その後も、難しいユニゾンフレーズがあったのですが、根性でやり遂げました。


レイモンド・マクモーリン氏のサックスをフィーチャーしたのは大正解で、輪をかけてクレージーでワイルドな曲になりました。2度のピアノソロを経過した直後のブリッジパートにおけるレイモンドのプレイは、何度聴いても鳥肌が立ちます。
この楽曲のミックスは、手塚貴博氏によるものです。その際、ノブちゃんのドラム・パートを一打ごとにスライスして、ハイ・ハット、スネア、キック、その他に分けて提供しました。本来は、マイクごとに別々の楽器にふるのが常套手段なのですが、このやり方だと、ナチュラルには仕上がるのですが、僕が意図した「生ドラムなのに、カッコいい打ち込みにも聴こえる」というサウンドは作りづらいと考えました。その僕の意図を見事に汲み取った素晴らしいミックスにもどうぞご注目ください。
フロアDJの方々にとっては、取り扱いの難しい部類の楽曲かもしれませんが、こういったクレージーなトラックでフロアが盛り上がる図が、僕やDJ、そしてダンサーにとっても最高の瞬間に違いありません。クラブでヒットするか否かは別として、そうした要素を楽曲に吹き込めたと確信しています。
2014-08-23 13:21:35

【ニューアルバム楽曲解説4】American decacho

テーマ:Shared Illusions
BOOTのライブでは定番になりつつあるこの楽曲。タイトルの、American decachoは「アメリカン・デカ長」と発音します。正式なタイトルとしては、砕けすぎ、とのご意見もあり私自身も、よりカッコいいタイトルを模索していたのですが、貧しいボキャブラリーと発想しかない自分には代替案が浮かびませんでした。要するにタイトルの本意は「70年代のカーチェイスばりばりの刑事物のアメリカンムービーのテーマ曲」なんです。

今作のコンセプトとして、昨日述べた、ピアノトリオ×フルオーケストラ(現代版チャールズ・ステップニー)がありますが、さらにもう一つ重要なコンセプト、主にラロ・シフリンやトーマス・ニューマン、ジェームス・ホーナーといった映画音楽の分野で偉大な偉大な功績を残した作曲家のエッセンスを取り入れるという事です。

American decachoは、架空の(吉澤の想像上の)サスペンス映画のメインテーマであり、いくつかのモチーフがつづれ織りのように展開してゆきます。
硬質なドラムサウンドと、いなたいベースラインが一種の通奏低音のように、緊張感のあるストーリー展開を暗示。それぞれキャラクターの違う数種類のモチーフが用意されていて、管楽器と弦楽器がコールアンドレスポンスする隙間を縫うようにボンゴやアフリカンパーカッション、さらにはソプラノサックスやフルートなどが暗躍します。
楽曲中盤から後半において、一つのカタルシスを迎え、そこから、トランペットセクション、ピッコロとバイオリンのユニゾンによるファンキーなテーマが提示されます。ベースラインはジャコ・パストリアスがよく好んで使ったパターンを採用しました。
じっくりと何度でも繰り返し聴くことのできる楽曲になったのではないかと自負しています。

吉澤はこの楽曲においては、ベース、トランペット、ピアノ、ローズ、パーカッションなどを担当しています。ソプラノサックスはレイモンド・マクモーリン。フルート、及びピッコロは岡淳。
一番難儀だったのは、この楽曲以外のトランペット・セクションの録音においてもそうなのですが、生々しさを出すために4本あるいは、5本のオーバーダビングを繰り返した事です。トランペットはもちろん得意にしている楽器ではないので、16小節のパートを完成させるのに丸一日かかったこともありました。しかし重ねることによってどんどん思い描く重厚なブラスサウンドになっていくに連れて、テンションもあがり楽しく作業できました。

よくある映画のクレジットではありませんが、この楽曲を、心の師である、ラロ・シフリン、チャック・レイニー、ジャコ・パストリアスの3氏にトリビュートします。

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