笛吹童子&喇叭王子 | 吉澤はじめ MY INNER ILLUSIONS

笛吹童子&喇叭王子

木曜日、金曜日と連日、グレートな管楽器奏者にスタジオに来てもらいました。

13日木曜日は、サキソフォピアの岡淳。テナー・サックス奏者として広く知られている彼ですが、今回はピッコロ、フルート、篠笛。つまり横笛系の楽器を吹いてもらいました。



もちろん彼のサックスは最高に素晴らしいのは言うまでもありませんが、横笛系においても実に豊かで輝かしいサウンドを聴かせてくれます。
ジャズフォー東北のツアーでも、スキャットを絡めたフルートで子どもたちをとことん楽しませてくれます。
ピッコロは、彼自身の人生を通じて5時間しか演奏したことがないということで、実はその5時間というのも僕のレコーディング、ライブで僕が所有するピッコロを吹いた5時間だけ。
僕が好きなカッコいい音楽にはピッコロが効果的に高音部を駆け巡るものが多いんです。その影響はMusic from edge~の中のRise me upの中のピッコロで聴くことができます。今回のアルバムにも3曲ほどピッコロを録音しました。
篠笛は、彼と一緒にカイマをいうバンドでアルバムを作ったときにも「ソラミミ」という曲で使用しています。今回アルバムに短いレクイエム曲が入るのですが、それに2本の篠笛を吹いてもらいました。

14日、金曜日は世界逸産解散後も精力的に活動を繰り広げる五十嵐一生が、雪降る中を来てくれました。Music from edge~でのCrescent moon,The Roomでのスイートで幻想的なサウンド。さらにJapanでのプレ世界逸産な激しくも、リリカルなプレイ。僕の作品のクオリティをひたすら底上げしてくれる頼もしいプレーヤーです。
今回は、仮タイトルDark night(still moon shine)というコーラス曲で吹いてもらいました。私の初期の小品Siestaを想起させるカラフルなコード進行の中、ミュートとオープンを使い分けた抑制の利いた素晴らしいソロを吹き込んでくれました。
その他にも、Azure Forestという組曲風の楽曲でレイモンドとの2管で60年代中期のブルーノートを思わせるモーダルでクールなテーマを演奏してくれました。

今回のレコーディングのコンセプトの一つに、ラロ・シフリン×チャールズ・ステップニー×Jazz×HipHopがあります。
ラロ・シフリンは言わずと知れた映画音楽界の巨匠。チャールズ・ステップニーはミニー・リパートンの諸作でも知られているアレンジャーでポップ×オーケストラの王道を確立した人です。
打ち込みのオーケストラに、生きた人間の音符をレイヤーしたり差し替えていくことで、100分の1の制作費でも、上記のコンセプトを実現できると思っています。
それを可能にするためには、それらの狙いを説明することなく瞬時に理解できる、彼らのような優秀なミュージシャンが不可欠なんです。