「シンプル」の定義 | 吉澤はじめ MY INNER ILLUSIONS

「シンプル」の定義

僕はセロニアス・モンクが大好きです。
でも、人に彼の音楽を説明する時に、
彼の曲は複雑なものもあって....
とは、どうしてもいいたくない。
僕にとって彼が作ったメロディは、
どれも、とても「シンプル」に聞こえるから。

「複雑」という言葉に恨みがあるわけじゃないし、
特段のネガティブな意味も実際にはないのだろうけど、
そういってしまうと、わかりづらくて、
ことによると悪いもののように思えてしまいます。

一方「simple」には、
「簡素」とか「純粋」という意味の他に、
「単純」という意味合いも含まれるので、
「くだらない」とか「粗末な」とかになってしまうと、
あまりにも「シンプル」がかわいそう。

僕自身が定義する「シンプル」には、
「普遍的」あるいは「クラシック/最高水準」
などのポジティブなベクトルが強いのかな。

そうなると、当然、モンクの曲は、
「シンプル」ということになるし、
ガウディの建築も「シンプル」になってしまうんです。

彼らの芸術には、
生命の神秘、
宇宙の摂理、
のようなものを感じます。

構造的に複雑であろうと、
一見わかりづらかろうと、
時代を貫く素晴らしい芸術品は、
みな「シンプル」なのではないでしょうか?