全国ワースト2位! DV相談件数 千葉県
配偶者暴力相談支援センターにおける配偶者からの暴力が関係する相談件数等(以下「DV相談件数」とします。)について、その特徴として、近年その件数が増加していること、都道府県によって大きく偏在していることがあげられます。
具体的には、DV相談件数はこの10年間で約2倍に増加しており、また、人口1万人当たりのDV相談件数が最も多い都道府県と最も少ないそれを比較すると、37倍近い開きがあることが分かります。
以下で、全国及び千葉県のDV相談件数の現状について検証し、今後のDV防止に向けた取り組みについて検討します。
全国のDV相談件数について見たものが下の図表です。
また、近年では配偶者間に限らず、若年層における交際相手からの暴力、いわゆるデートDVも深刻な問題となっています。
私たちは、男女が互いに人権を尊重し、責任を分かち合い、それぞれの個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けた努力が求められています。DVをはじめとするあらゆる暴力は、個人の人権の侵害であり、決して許されるものではありません。
また、下の図表は、千葉県内におけるDV相談件数について見たものです。
ここ10年で3倍弱の増加をしており、全国の増加率を上回っていることが分かります。
また、DV相談件数を都道府県別に見たものが下の図表です。人口規模を考慮せず、単純に件数だけでいえば、千葉県は全国でワースト2位という結果になります。
人口規模を考慮し、人口1万人あたりのDV相談件数を見たものが下の図表です。全国平均は7.1件で、千葉県の10.2件は、全国ワースト14位となります。
これらを見ると、DV相談対応件数は、地域におけるDVの実態を正確に反映しているとは言い難い面を有しているといえるのではないでしょうか。
つまり、相談センターの機能を強化し、地域におけるDV相談への対応を充実させればさせるほど、相談件数も増加するということが考えられます。
したがって、相談件数が多いことが問題なのは当然としても、相談件数が少ないこともまた問題視することが必要ではないでしょうか。
あみなか肇は、県に対し引き続き、DVを許さない社会に向けた啓発・教育の推進、安全で安心できる相談・一時保護体制の充実、被害者の視点に立った生活再建支援、被害者支援のための連携体制の整備などについて強く要望してまいります。
千葉県議会議員
あみなか肇