14時を30分程過ぎた頃
私達は、前回と同じカーテンで仕切られただけの
診察室に通され、程なくして院長が入室してきました
院長は、挨拶をする私と夫を一瞥した後
昨日の事などまるで無かったような態度で
母に向かって話し出したのです
院長「何、紹介状が欲しいんだって?」
母「はい......娘がそう言うものですから、すみません」
院長「ほぉー、娘さんがね、此処にいる次女さんですか?」
母「すみません、先生には申し訳ないのですが
言い出したら、聞かない娘なもので........」
院長「いいですよ、書きますよ、今書きますか?」
母「ほら、百合子、先生が聞いているでしょ
早く先生の質問に答えなさい」
院長「ハハハ、お母さんも大変だね~」
母「本当にすみませんね、先生」
母が、こういう言い方をする事は、想定内だったのですが
涙まで浮かべていたのには、正直辟易していました
母は、父を転院させると決めてからも
父の事より
自分が、今後この病院に通えなくなる事を心配していました
母にとっては、
欲しいだけ好きな薬を出してくれる
良い院長、信頼出来る院長
自分が、その院長の機嫌を損ねたら
今後、通えなくなってしまう
そういう思いがあったのです.........
何度説得しても、母にとっての良い医者とは
欲しいだけ好きな薬を出してくれる医者
滅多にそんな医者はいないので
母は、この院長の元を離れたくなかったのです
院長「で、次女さんでしたか..今書きますか?」
私「はい、今お願いします」
院長「いいですよ、で、病院は何処?」
私「△病院でお願いします」
院長「エッ!....XXX病院じゃなかった?」
私「はい、違います、△病院でお願いします」
院長は、前回自分が推測したXXX病院ではなく
△病院の名前を出したことが
以外だと言わんばかりに驚いた様子でした
私はXXX病院を、第一転院希望先として
XXX病院の社会福祉士に
相談を持ちかけているのですが
搬送先病院とXXX病院が連携病院の関係で
あることが事が解ってから
ありえないとは思うのだけれど
医者同士の横つながりの根回しで
転院が出来なくなるかもしれないという思いが
どうしても脳裏を離れず、99%転院は不可だと
思っていたのです..........
それ程、この院長に不信感を抱いていたのです
XXX病院に転院したいけれど
この院長に知られてしまった段階で
1%の可能性が0%、いや、マイナス100%になってしまう
ならば、XXX病院宛の分は、宛名白紙で貰い
宛名いりは、第二希望の△病院宛にすることで
この院長にXXX病院との転院相談の段階で
知られることはないだろうと考えていたのですが
ふと........
XXX病院宛の紹介状も依頼してみたら
どういう対応をされるのか確認したくなり
依頼したのですが
面倒くさいという理由で
書いては貰えませんでした........
その代わり、△病院宛に書いた紹介状の
宛名を隠して、コピーをとったものを渡すから
好きなだけコピーして使用すれば良いと
紹介状は有料、コピーなら無料
その方が、お金も掛からなくて良いだろうという事でした
私はこの対応から、内心、嫌な予感 が当たった事を
確信したのです...............
院長は、1分も掛からず、紹介状を書いた後
看護士に渡し
院長「書きましたよ、これで良いですね
他に何かありますか?」
私「ありがとうございます
レントゲンやMRI,MRAの写真や他の資料も
お借りすることになりますが
その時にはよろしくお願いたします」
この私の言葉を聞くや否や
院長は、今まで抑えていたものが一気に爆発したように
怒鳴り始めたのです
院長「
あんたも、解らない人だな、MRI, MRAは
私が必要だと思わなければ撮らないって言っただろう
他に必要な書類がでたら、看護士に言ってくれ
私は医者だよ フンッ!
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ところで、病院に電話を掛けてきたのは
あんたかね(夫)」
院長は、怒りの矛先を夫に変え
さらに、夫に向かって
院長「あんたらは、キチガイ夫婦だな!」
と、言い放ったかと思うと
今度は、母に向かって優しい口調で
院長「お母さんは、心配する事はないですよ
お母さんの事はこれからも私が診て上げますからね」
とだけ言い残して、席を立ち
部屋を出て行ってしまったのです
元々、院長は、父の転院を快く思っていない
医者が自ら進んで紹介状を書く転院と
医者に望んで、紹介状を書いて貰う転院
私達には、医者を選ぶ権利がある
医者もそれを理解しているはずなのに
何故
こんな扱いを受けなければならないのだろうと
内心憤慨はしていたのですが
紹介状を書いて貰えただけでも良しとして
原本とコピーを貰いに
急いで、ナースステーションに足を運ぶことにしたのです。
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