全く身動きが出来ない状態
ナースコールのボタンを押す事も出来ないように
両手両足を紐でベッドに拘束されている。
私は何時から、何故拘束されているのか父に聞いてみると
父は、少し顔をゆがめ、病室の天井を見つめながら
ゆっくりと、口を開こうとした...
その矢先
母が横から口を挟む
母「お父さん、昨晩暴れたらしいのよ、
ほら、以前違う病院に入院した時にもタバコ吸いに出歩いたりして
注意されていたでしょ、あれと同じよ、困ったおとうさんよね」
私が母に、「お父さんに聞いているんだけど」と返すと
母は、父が喋れないから自分が答えているんじゃないと
当然のように答える.........
その時、父にしては、珍しく強い口調で母に向かって
父「お前はいつもそうだな、俺が喋ろうとしたり、何かしたりしようとすると
それを遮り、押し付ける、だから俺は喋りたくも、何もしたくもなくなるんだ
今だって、百合子(私)は俺に聞いてるんだ
お前が応える必要は無いだろう、俺は喋れるんだ、黙ってろ。」
そして、私に向かって拘束されたと思う理由を話し始める。
父は、尿意、便意を感じ、トイレに行きたくなりナースコールのボタンを
押したが、誰も来ない、1時間ほど待っても誰も来てくれない
何度も、何度もナースコールを押した
それでも来てくれないから、叫んで看護士を呼んだ
それでも来てくれない。
限界を感じ、自力で立ち上がろうとした時に
看護士が来て、オムツをするから、その中にしろと命令された。
それを拒否して、立ち上がろうとしたら、両手足を拘束された。
父「オムツの中でするのは、嫌なんだ、解るだろ?
百合子、トイレに連れてってくれないか、お願いだ。」
普段 寡黙な父が
目を潤ませながら、此処まで一気に喋り
私に、「お願い」してまでトイレに行きたいという
よっぽど悔しくて、辛かったのだろう
そして、今も尿意、便意を我慢しているのかと思うと
そんな父に、涙が出そうになる.........
話終わると、父は少し落ち着いたようで
少し、疲れたと言って目を閉じた
閉じた父の目尻から............涙が一筋.......
やるせない........
切ない...........
更に泣きたくなる気持ちを押さえながら
父の顔を見詰めていると、父の目尻には
涙の筋が何本も乾いて塩を吹いた状態になっていた。
この2日間に父は何度涙を流したのだろう........
一昨日まで元気に過ごしていた父
左半身に軽く麻痺?が出ているようだけれど
意識ははっきりとしていて、言葉も喋れる
オムツに抵抗があるのは当然のことではないか............
私は、看護士に事情と、父の症状等を聞く為に
病室の隣にあるナースステーションに足を運ぶ事にしたのでした。
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