地元紙『北國新聞』では、県内各地をリレー連載で紹介しているのですが、今日の朝刊より7回にわたって、私の住む金沢市北端の「花園地区」が特集されます。
当神社も記事となる予定です。
さて、10年前の秋晴れの日、カメラ片手に農作業に勤しむ近所の農家の風景を撮りました。
納屋の前で、おばあちゃんが何やら足で踏んでいました。
なお、このお婆さんは4年前に高齢でお亡くなりになりました。
みなさん、このお婆ちゃんは何をしているのかわかりますか?。
実は、小豆(あずき)を脱穀するため、小豆踏みをしていたのです。
小豆を収穫したあと、しばらく乾燥させると、足で踏むだけで小豆は殻から出てきます。
少し黒豆も混じっていますが、選別した後しばらく干して、瓶や缶などに詰めて保存します。
小豆は、お祭りでの赤飯や…。
かいもち(掻餅=おはぎ)の餡(あん)に…。
田植え後の皐月休み(さつきやすみ=田休み)では、黒豆を使って笹餅を作るのですが…。
同時に、餅に甘くないササギ(豆)をまぶした“ささぎ餅”もこしらえます。
なお、当地では「ササゲ」ではなく「ササギ」と呼んでいます。
で、都会に住むみなさんは「ささげ(大角豆)」と「あずき(小豆)」の違いがわからないと思うので、ここで説明します。
下の画像を見ても、豆の状態ではどれが「ささげ」でどれが「あずき」か区別がつきませんよね?。
よく見ると、左の「ささげ」の方が右の「あずき」より色が黒っぽくて濃いことがわかります。
アズキは煮ると皮が破れやすく、「腹切れする豆は切腹に通じる」として、武士の間で嫌われたため、関東では祝い事のお赤飯はササゲを使い、反対に関西ではアズキを使います。
ササゲはアフリカ原産で、平安時代に大角豆として記録が残されています。ササゲは「神に捧げる」を語源としているようです。
対してアズキは、原産地は東アジアで、日本では古くから親しまれており、縄文遺跡から発掘されているほか、『古事記』にもその記述があります。
また、村のホンコサン(総報恩講)では、親鸞聖人が小豆がお好きだったことから、お斎(おとき)と呼ばれる報恩講料理で小豆汁(いとこ煮)にするなど、年間を通して豆類が使われます。
今度は、おじいさんが4本爪の農業用フォークで畑を耕しておりました。
秋植えの玉ねぎを植えるために起こしているのです。
その近くでは、おばさんが柿をもいでいました。
なお、柿をもぐの「もぐ」は方言ではなく、ちゃんとした標準語です。
今は、高枝切りばさみのような便利なものがありますが…。
昔は、柿をもぐ時は、このような竹ばさみを使ったものです。
家で食べる分だけの甘柿ですが、孫に食べさせたい一心で、一個一個丹念に収穫されているのです。
以上、10年前の秋の原風景をお届けしました。
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