今、NHK毎週土曜の“よるドラ”枠で、千葉雄大クン主演の「いいね! 光源氏くん」が放送されていますよね。
光源氏役の千葉雄大クン凛々しいですよね~。
『源氏物語』の世界から現代にタイムスリップしてきた平安時代の貴族で、言わずと知れたプレイボーイ。感動すると短歌を詠む。抹茶スイーツに目がないという設定です。
対して、光源氏のライバルである頭中将(とうのちゅうじょう)も、同様に現代にタイムスリップしてきました。
光源氏に劣らぬプレイボーイで、演じるのはやはりイケメンの桐山 漣クンです。
このジャージー姿に高烏帽子(たかえぼし)が、これまた笑っちゃいます。
実は、「いいね! 光源氏くん」は、『FEEL YOUNG』に連載中の“えすとえむ”の漫画で、現代の日本を舞台に雑貨メーカーに勤務するOLの沙織と、突然タイムスリップして沙織の部屋に現れた光源氏との交流を描くラブコメディで、TVドラマ化されたものなのです。
さて、今日も兼務神社二社の月次祭を奉仕いたしますが、昨日も金沢市忠縄町・忠縄神社の月次祭を午前9時よりおつとめいたしました。
この忠縄神社の拝殿には、『源氏物語』の「紅葉賀(もみじのが)」の場面が描かれた額絵が奉納されています。
「紅葉賀」は、『源氏物語』五十四帖の巻の一つで第7帖。主人公・光源氏の18歳の秋から19歳の秋までの1年の出来事を描いた巻です。
その中で、光源氏とライバルの頭中将が、宮中での試楽(リハーサル)で舞楽の「青海波(せいがいは)」を舞っている有名な場面が描かれております。
で、9年前の平成23年に、生田斗真クン主演の映画「源氏物語 千年の謎」 が公開されましたが、当時映画を観た娘が、「斗真クン格好よかった~!」と申していました。
特に、「舞楽の青海波を舞うシーンがとても綺麗やった~」と言っていたのを覚えております。
斗真クンが舞ったことで話題になった舞楽「青海波」は、『源氏物語』の「紅葉賀(もみじのが)」に出てくるので有名なシーンですが、この映画での生田斗真クンの画像をネットで捜しても、ジャニーズ事務所がお得意の画像露出規制をしていてなかなか捜し出せませんでした。
そこで、「紅葉賀」のストーリーを簡単に説明いたしますと…。
朱雀院(すざくいん)というところで帝(みかど)以下大勢で、もみじの宴を催そうということになって、その中で光源氏は頭中将と一緒に舞を舞うことになりました。
「そんな楽しい企画に、愛しの藤壷(ふじつぼ)が参加できないのは残念だ」ということで、事前に宮中で試楽(=舞楽のリハーサル)をさせることにした帝であります。
鮮やかな夕陽が差す中、美しく着飾った源氏が雅やかな楽の音(ね)のもとキリリと舞う。シブい声で吟詠(ぎんえい)したりなんかして、いやもう、その美しさときたら、そら恐ろしいほどです。イケメンを自認する頭中将と舞っても、いい引き立て役です。
藤壺が見ているので、源氏も力が入ります。藤壺もドキドキしてしまいましたが、後で桐壺帝(きりつぼのみかど)に「どうだった?よかった!」と言われて、返事に窮してしまうのでした。
本番の朱雀院での舞も大成功でした。ハラハラと紅葉が舞う中での源氏の美しさは、もう神がかり的です。この紅葉賀での「青海波」という舞は、後々までの語り草となるのでした。
ですが、娘の話では、映画では藤原道長(ふじわらのみちなが)役の東山紀之の方が、オジサンながらもっと綺麗だったと言っていました。
ジャニーズ事務所の画像規制で、斗真クンが「青海波」を舞う画像がなかったので、頭中将役の尾上松也(おのえまつや=歌舞伎俳優)クンの画像を載せました。
ここで、舞楽「青海波」の説明をいたしますと…。
「青海波」は盤渉調(ばんしきちょう)の左方(唐楽)の二人舞で、番舞(つがいまい)は「敷手」です。一説には、中国西域地方の青海省の地名を用いたという説。
また、平安時代の楽人の和邇部太田麿(わにべのおおたまろ)が曲を作り、公家で雅楽頭(うたのかみ=雅楽寮の長官)であった良峯安世(よしみねのやすよ)が舞を作り、歌人で学者の小野篁(おののたかむら)が詠を作ったともいわれ、我が国が産んだ舞曲であろうと考えられています。特に、打ち物の奏法に千鳥懸(ちどりがけ)、男波(おなみ)、女波(めなみ)などという粋な美しい名称が付けられています。
映画では、一条天皇役でも出演された雅楽演奏家の東儀秀樹さんに、斗真クンと松也クンは舞の指導を受けたそうです。
当時、映画の宣伝では、「生田斗真が1千万円の豪華衣装を身にまとって…」とありましたが、この「青海波」の舞楽装束は、天理大学雅楽部のものをお借りして撮影したそうです。
また、昨年11月に伊勢神宮参宮旅行へ行った折、内宮参集殿の授与所で、舞楽「青海波(せいがいは)」の土鈴(どれい)を受けてきた次第です。
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