前回に引き続き真壁刀義選手を特集しております。
今回は私的に心に響く部分をもう少しクローズアップしてみます。
伸也から刀義への改名。
「刀の鋭さで義を通す」
正義の義であり、義理人情の義であると。
改名したのは、自分の逃げ道をこれ以上作らないため!だそうです。
そんな真壁さんのキャリアに良くも悪くも影響を与え、
ターニングポイントとなったような人物、きっかけを勝手に振り返ってみます。
真壁さんの歴史を振り返るにあたり、
真壁さんはインタビューなどの中で、
尊敬できる人や恩義を感じてる人のことは「さん付け」で名前を出します。
一方でふざけんな!的な人は絶対に名前すら出しません。
その辺は徹底してるように思いました。
真壁さんが新日本に入門したのは、Uインターとの対抗戦末期。
橋本真也が高田延彦からIWGPヘビーを奪還した東京ドームの翌日だったそうで。
真壁さんが橋本さんに挨拶したら、ちゃんと挨拶返してくれてすげー嬉しかったと。
でも橋本さん以外は挨拶してもほぼシカトだったようで…
この入口の時点で雑草の魂に火がついていたのかも知れません。
山本小鉄さんについては、
躍る大捜査線の青島と和久さんのような関係があり、
新弟子時代に腐りかけていた真壁伸也に対して、
正しいことをやりたければ偉くなれ!的に、
まわりを黙らせたければお前が強くなれ!
というような言葉をかけてもらい、
この新日本プロレスでは実力でノシ上がるしかねぇんだ!
誰よりも強くなって誰にも何も言わせねぇようにしてやる!
小鉄さんの言葉で真壁さんは覚悟を決めたそうです。
そして、
そんな若手時代に散々な目に遭ったあの人のことは絶対に名指ししません。
触れたくもないのでしょう。
正直すまんかった。真壁。
って今言われたとしても、絶対に相容れないものがあるでしょう。そこは割愛します。
長州さんのことは、
付き人をさせてもらって、たくさん学ばせてもらったと語っており、
大変苦労したけど、それがあるから今があると。
道場で1番稽古を付けてくれたのは大谷晋二郎さんだったと。
大谷さんはとことん付き合ってくれたと。
同い年の先輩後輩。
プロレス総選挙でも大谷さんは真壁さんを推しており、
真壁さんを近くで見てて、その頑張りを買っていたのでしょう。
のちに真壁さんは火祭りにも出て準優勝してますし、
この真壁刀義、大谷晋二郎、そして田中将斗という同年代の繋がりについては、
語ってたら朝になるので一旦割愛します。
第三世代は…
天山さんや中西さんは人間的にすげー優しいと(笑)
特に天山さんは優しすぎる面がリング上でも見え隠れしてしまうので、
GBHにそういうものは要らない!と天山さんを追放したとウソぶいてました。
永田さんについては、
ハサミで永田さんを襲った時に、永田さんのお母さんがリングサイドで観戦されてて、
「ハサミはやめなさい!」と真壁さんを怒った永田母に対して、
「うるせぇクソババァ!」と言ってしまい、
あとで永田さんの母親だということを知り、
「あれ永田さんのお母様だったの!」と猛省したというエピソードが(笑)
残る第三世代のあと一人は…
あまり…の関係なんですかね。
言っちゃうぞバカヤロー。
で、
本当のところは知りませんが、
自分が新弟子時代に大変苦労したから、真壁さんは自分に付き人を付けるとかしなかったのかなと。
後輩の育て方や扱い方、
新日本プロレスの昔ながらの道場のスタイルから徐々に変えて行ったのかなと。
獣の神様のことについて私はよく知りませんが。
真壁さんは後輩もとてもかわいがってましたしね。
特に井上亘さんとか。イービルの中の人とか。
ロッポンギとか。
さてさて、
そんな今回クローズアップするのはアキレス腱断裂より復帰してからの真壁刀義。
やはり、私的にはここらへんが1番熱い時期でした。
新日本プロレスが迷走した瞬間は解りませんが、
今思うと別ブランドのレッスルランドとかってやばいんじゃねぇの?と。
新日本プロレスファンの方々はレッスルランドをどう思ってたのか興味があります。
でも、
レッスルランドが現在の新日本プロレスの源流になりつつあるとすると、
逆にもう1つの別ブランドであるロックアップ。
これが今で言うところのNEVER王座の世界観として、
石井選手や後藤選手などからほんのりその残り香が匂うかなと。
で、そのロックアップ。
そしてアパッチプロレス軍。
そもそもアパッチ側からしたら、
新日本プロレスというよりも長州力を引きずり出すことが目的でもあった。
インディーの意地。
その中心人物はインディーの天才「金村キンタロー」である。
金村さんは、
「俺らみたいなチ○ピラを上げるなんて、天下の新日本プロレスも終わっとんな…」
なんて自虐的なノリもありつつ、
かつてインディー批判をしたメジャーのど真ん中が、
インディーに目を向けてるという事実が、私的には痛快でもありました。
そこはごめんなさいですが、
やっぱり私はインディーファン寄りの目線でした。
ロックアップでの矢野&石井vs金村&非道。
その試合後に、
金村さんは「次はこっちに黒田を入れるから、お前ら長州を呼んでこい!」と挑発する。
すると、
金村さんを突き飛ばして真壁さんが乱入してきて大暴れ。
それを見て金村さんは、
「いやいや、真壁は呼んでないよ…」と。
このマイクで客席は爆笑。いや失笑か。
のちに真壁さんは、
この金村さんの発言と、その時のファンの反応に対して、
「俺はそんなもんなのか…」と現実を突き付けられ、火が点いたと語っております。
真壁なんて顔じゃねぇよ。
そしてメジャーのファンからもインディーのファンからも支持されない現状。
ふざけんな!やってやる!
ここからが逆襲のキングコングの始まりでした。
これまで新日本プロレスで裸一貫で戦ってきたので、
デスマッチアイテムの使い方やイデオロギーも全く解らず、
真壁さんはインディーのDVDやデスマッチのDVDを見まくってインディーのプロレスを学んだそうです。
奴等の土俵で、デスマッチの土俵でやってやると。
その拘りとして、
一切の防具を身に付けずに、
通常のプロレスと同じコスチュームでデスマッチをやる事に意味を見出だした。
熱いものには熱いもので応えるのもインディーのイデオロギー。
金村さんもそんな真壁さんを認め始める。
真意は解りませんが、金村さんも嬉しかったのではないでしょうかね?
ロックアップでは多数のインディーのレスラーがリングに上がりました。
そして、
真壁さんはアパッチのリングにも乗り込みました。
完全アウェーの中、金村さんとのチェーンデスマッチ。
「メジャーの真壁」に拒絶反応をしていたインディーファンの目の前で、
金村キンタローをブチのめしました。
クソみたいなインディーファンに俺というものを解らせてやる。
言葉や表現こそ汚いですが、
そこには確かに熱いプロレスがありました。
普通ならインディーのレスラーがメジャーに認めさせてやる!
メジャーのファンに見せつけてやる!
というのを目標にするのが自然に思えますが、
その真逆をやる人は初めてでした。
メジャーでインディーのファンと真剣に向き合った最初のプロレスラーが真壁刀義でした。
最初はただの罵声だった。
プロレスにおいてレスラーに対するブーイングって大きく分けると二種類になると思います。
ダメダメなレスラーに送るブーイング。
そして本来の意味のブーイング。
前者はほんとどうしようもない時に送るブーイングだが、
後者はファンもその対象の存在を認めた上での敬意を込めたブーイング。
真壁刀義はインディーの土俵でデスマッチを続け、次々とインディーの猛者を葬ります。
マンモス佐々木さんとの金網デスマッチもそうでした。
真壁さんへのブーイングが前者から後者へ変わりつつありました。
「真壁刀義すげぇじゃねぇか!」
インディーファンもその存在を認めました。
私もこの時はとても嬉しかったのを覚えています。
私はプロレス全般が好きなので、
「良いものは良い」「面白いものは面白い」という緩いスタンスでした。
それが大日本プロレスファンのスタンスとマッチしたから、私は大日本プロレスの会場が好きなのかも知れません。
この時のアパッチのファンの気持ちは全部が全部解りませんけどね。
例えるなら、
大日本プロレスは他団体だろうが、フリーだろうが、ドインディーだろうが、
熱いプロレスをする選手は熱く受け入れます。
かつて、諏訪魔選手が大日本プロレスの後楽園で大ブーイングを受けましたが、
これは大日本プロレスのファンが拒絶反応を示した珍しい瞬間でした。
「そうじゃないよ」というものに拒絶反応をするインディーファンの気持ちはなんとなく解ってるつもりです。
民意が求めてないというか、そんなの見たくねぇよと。
そんなインディーファンのハートを、
徐々に徐々に試合を重ねることによって勝ち取ってしまった真壁刀義。
私はもう唸るしかありませんでした。
さすが真壁刀義。脱帽でした。
プライドが高いだけで、客も入らねぇ、つまらねぇメジャーなんかクソ食らえ、
キレイで華やかなプロレスなんかクソ食らえ、
会社の的外れプッシュ路線もクソ食らえ、
名前ばかりのなんちゃってメジャーではなく、ホンモノのプロレスがここにあると。
新日本の本流へ向けた意地にも見えたし、
かつての自分の不甲斐なさに向けたものにも見えたし、
とにかく熱いものには正直に反応してしまうのがインディーファンというものです。
新木場の通路にメジャーの選手がいる画も凄いですよね。
メジャーは新木場で興行しないですから…
って、私が熱くなってしまいましたが…
この頃に生まれた「これが現実だ!」が逆襲キングコングの代名詞となりました。
お前らこれでやっと解っただろ?
これが真壁刀義のプロレスだ!
という風に私には聞こえました。
これと同時期、
ロックアップやアパッチだけではなく、
新日本プロレス本流でも真壁刀義は暴れまくっておりました。
ターゲットは時の王者、ミスターIWGP永田裕志。
永田さんの髪の毛を切る暴挙に出たり。
実力行使で永田さんに挑戦表明をすると、
長州さんが止めに入りつつ、
「真壁!てめぇ上がれコラ!」
「そんなにやりたいならやらせてやる」
「俺が責任もってやらせてやる」
「お前が獲ったら俺は髪を切ってやる!」
かつての師匠にそこまで言われた真壁刀義。
「おい!お前ら聞いたかオイ!」
「IWGPだ!このヤロー!」
この時代、新日本プロレスへの感心がほとんど無かった私は、
この時の長州さんの反応はどんな意味を持っていたのだろう?と今になって興味を持ちました。
対インディー、対デスマッチで頭角を現した真壁刀義のことを長州力はどう思っていたのでしょうかね。
命の次に大切な?髪の毛を切ってやる!
とまで言ったのは、
「お前なんかに獲れるわけがねぇ」なのか、
「お前なんかに獲らせてたまるか」なのか、
とにかく、
ふざけんな!なのでしょうか?
やれるもんならやってみろ!なのでしょうか?
とにもかくにも亜流の勢いが本流をも飲み込んでしまいそうな瞬間。
その矛先は本流の中の本流である中邑真輔にも向けられる。
今となるとこれは中邑真輔に「救いの手」を差しのべていた。
そんな事とはこの時は思ってもいませんでした。
若くして会社のトップに踊らされ、
神の子と崇め奉られた中邑真輔。
のちに真壁さんは、
これは中邑も本意ではなかったんじゃねえか?と。
会社の方針が手かせ足かせとなり、プレッシャーとなり、
中邑本来のプロレスが出来てねぇ。
このままだと中邑は格闘家かぶれのつまらねぇレスラーになってしまう。
そこで、
中邑の叩き潰して一旦ドン底を味わわせる。
そこから這い上がってきた今の中邑真輔が、
ホンモノのプロレスラー中邑真輔の姿であり、
華のあるプロのレスラーになったじゃねぇか!
そんな中邑真輔となら戦ってみてぇな!
と、笑った真壁刀義がいました。
真壁刀義という男は、
文字通り刀のように義を通し、
最高に男らしく、最高に熱く、人の痛みを知るホンモノのプロレスラーであると改めて思いました。
また現状に満足せず、
常に挑戦し続けているプロのレスラーであり、
その姿勢や人間性に惹かれてしまいます。
ただ、今は自ら1歩引いて新日本プロレス全体を見てる感じがしますが、
コンディションが良ければ、もう一花も二花も咲かせて欲しいなと節に願います。
IWGPじゃなくていい。
NEVERでもいい。
新日本プロレスが真壁刀義のプロレスをもうあまり必要としていないなら、
ぞんざいに扱うくらいなら、
単純に熱いプロレスをしに大日本プロレスに来てくれてもいい。
ギャラ安くて良ければ(笑)
私の夢は真壁刀義が今の関本大介や岡林裕二とやったらどうなるか見てみたいですし、
「最侠」という言葉は真壁さんにぴったりなので、
是非こけしと最侠タッグに出て欲しいですね。
また、
今の田中将人とも久しぶりにやったらどうなるか。
火野裕士、佐藤耕平、大谷晋二郎、どれもすげー見たい。
妄想するのは自由です(笑)
前にDDTの武道館で伊東竜二&石川修司とやった時はとってもゾクゾクしました。
また、そんな夢が見たいなぁ…
HARASHIMAさん繋がりか…
DDTさんよろしくお願いいたします。
ザッツ他力本願。
昔の縁で藤田ミノルさんや佐々木貴さんラインで真壁さんをダムズに呼べないですかね?
他力本願パート2。
とにかく、
まだまだ私は真壁刀義の「プロレス」が見たいのであります。
最近「プロレス」に飢えてるサラリーマンでした。
そんな我が家の今年の注目選手は田中将人であり、野村卓也であります。
真壁さんは例年もれなく注目しております。
今インディーマットで猛威を振るう田中将人。
これに呼応できるくらいの熱い展開をプロレス界全体に期待しつつ、
楽しみにしたいと思ってます。
現在過去未来問わず、
熱いプロレスを知りたければここをチェックしてれば間違いない。
そう言ってもらえるように精進いたします。
ではでは、
また何かあったら書きたいと思います。
♯OUTTA NOWHERE!!