自分の歯の色が気になり出した頃 おくやま歯科

高校のころ、自分の歯の色が気になり出した。

「なんでおれの歯はこんなに黄色いのだろう?」

母はこう言った。

「歯をよく磨いていないからだ」と。

そーかなー、歯は磨いているけど。

その当時、こんなCMが流れていた。

♪白い歯って いいなー 

確かに白い歯っていいけど、歯を磨いてもオレの歯は白くはならなかった。


大学に入学した。

大学の授業でこういうのが出てきた。

「テトラサイクリン系の抗生物質の副作用による歯の着色」

副作用で歯の色が褐色になるという。

「あっ、これだ、おれの歯が黄色いのは。」


歯にコンプレックスを持つ人は人前では笑えない、とか、いつも口元に手をやっているとかよく聞くでしょう。

これは正にオレのことであった。

おれの場合、笑えないどころか歯の色に劣等感を抱えていると人と話すのもいやになっちゃうんですよね。

で、高校大学時代、おれはあまり人とはしゃべらなかった。

同級生はおれのことを「寡黙な人」「しゃべらない人」と思ったことでしょう。

その人としゃべりたくなかったわけではなく自分の歯を人に見られたくなかったので誰ともしゃべりたくなかったのだ。


大学を卒業して研究室に進んだ。

医学部の同級生にこう言われた。

「お前、歯学部なんだから自分の歯くらい直せよ」

それもそうだと思い、一念発起、自分の歯を同級生や先輩に徹底的に直そうと思い、実行した。

前歯の歯の治療。

「奥山君、歯の色はどーするー?」

シェードガイドを提示された。

おれは自分の歯の色より白い色きれいな色に迷わず指さした。

当時の前歯の歯の色の決め方は大学の授業ではいかに周りの歯の色と同じにするか、という教育だった。

だけれども歯の色に劣等感を抱えいるおれとしては周りの歯の色と同じ差し歯の色にされては元の木阿弥にされてしまう。

おれとしては周りの歯の色より目立ってもいいから「白くきれいな」歯にしたかったのだ。

通称「メタルボンド」

金属に裏打ちされているセラミックスの歯だ。

技工所から出来上がってきた歯も生まれて初めて見た時、こう思った。

「えー、こんなきれいな歯ができるんだー」 はっきり言って感動した。


その後、おれの歯は次から次へと虫歯菌に侵され、次から次へと「周囲よりも白いメタルボンド」に置き換わっていった。

全部の歯ではないけれどもある程度の本数がセラミックスの歯に置き換わると歯の色も目立たなくなるんですよね。


そして大学の研究室を退職するころ

♪白い歯っていいなー

状態になった

町の歯医者に勤めるころになると

おれは人前で笑える 話せるようになり、歯の色のコンプレックスから解放された。


おくやま歯科を開業して約30年、歯の色の相談を患者さんから相談される度、昔のオレを思い出す。


川崎市多摩区長尾5-22-17
おくやま歯科
044-935-5333

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府中県道沿い ジョナサン近く 
大きな駐車場 かしわぎ 向い
Pあり