ストーリー
 二国間の戦争が続くマントル王朝連邦国とコア王国。マントルの少年航空兵であるルーニ・シューイは出撃中の国境付近上空で敵機から奇襲を受けて敵国領内に撃墜されてしまう。一命を取りとめたルーニを救ったのはチェルトという名のコア王国の少女。敵の追撃を恐れるルーニに、チェルトは二人で「まほろばの壁」と呼ばれる最果ての地の向こうへ行くことを提言する。彼女の亡祖父が遺した手記によると、そこには争いのない平和な世界があるというのだ。安住の地を求めて旅立った二人だが前途は多難、ガイドシェルニャンのポチを連れまほろばの壁に向かう一行を阻むものはマントル、コアの兵隊達だけではなかった…。

感想
 全二巻に渡る長編ゲームブックの序章です。敵国同士の少年少女の逃避行というシチュエーションに熱いもの感じる御仁は多いはず。

 同著作者の作品に頻出する謎の生物「ねこまんま」が主人公達の仲間として登場するのは恐らく本作が初めて。敵に回すと鬱陶しく、味方にしても鬱陶しいねこまんま達に不思議と愛着が湧きます。

 イラスト担当の伊藤伸平氏の軽妙な絵のタッチが内容にとてもマッチ。

難易度
 。これまたテレアドが原作、理不尽な選択肢が読者を惑わします。適当にプレーをすると著者から怒られたりと遊び心満載。

趣味の廃屋 ゲームブック館-地層階級王国Ⅰ

高野 富士雄
地層階級王国〈1〉まほろばの壁を越えて
高野 富士雄, アミューズメントクラブ・プロダクツ
地層階級王国〈2〉幻のドラゴン伝説