東京練馬区「小竹向原駅」界隈の廃屋群-22から更に先へ進むと、この廃屋があった。

白色系にペイントされたブロック塀は亀裂がめだった。別に亀裂がどうのと言うこともないかもしれないが、私の目には、これこそがこの民家が廃屋に至ったプロセスそのものに思えた。現実には、単に手入れをしなかっただけかもしれないが、そうした状況をここの旧家人は持ち続けていたとは言えないだろうか。

 

この廃屋民家には玄関以外にブロック塀の端に「勝手口」のようなものもあり、そこにもインターフォンが取り付けてあった。嘗て、お手伝いさんでもいたのだろうか。しかしその勝手口と思われる扉には、既に外側から塀より少し高めの頑丈な板が貼り付けられていた。そうやって、ここを何かから守ろうとしたのかもしれない。

 

家は一般的に「家族を守る」ものだろう。それは物理的にも、そして心情的にもだろう。しかし守るものが無くなったからと言って、我が家は簡単に捨てられるものではない。では何故我が家はそう簡単に捨てられないのに、都市部で「我が家」の廃屋化進んでいるのだろうか。

 

みんな何かが崩れ去るを恐れているのかもしれない。

 

これで小竹向原駅界隈の廃屋群シリーズは終了です。

明日からは新しいシリーズが始まります。

撮影日:令和3年5月1日