東京練馬区「小竹向原駅」界隈の廃屋群-6から更に先へ進むと、この廃屋があった。

「-6」までは4/24に旅した分でしたが、ここからは5/1に行ったものです。GWも私はこの旅の中です。

 

古い平屋部分と2階建ての母屋をセットにしたような廃屋民家だった。何かそうする必要性が嘗ておったのだろうが、今はこうなっている。残念なような気がするが、それは他人が考えることで、当人たちにはもっと複雑で、気の遠くなるような時間での出来事があったのだろう。何代も当主が続く古民家でも、新しい建売住宅でも、そこにはきっと複雑な思いが絡まっている気もするが、それは考え過ぎだろうか。

 

バラが咲いていた、赤いバラが。

赤いバラは何の象徴なのだろうか。そんなことは今まで考えてもみなかったので、少し検索してみた。すると花言葉は「あなたを愛しています」と記されていた。そう言えば昔、加山雄三が「恋は赤いバラ」と言うのを唄っていた。実に気持ち悪いが、このタレントさんは、赤いバラの花言葉を知っていたのかもしれない。そしてこの社会の多くの人々もまたこの花言葉を知っていたか、共感していたのではないだろうか。

 

マイク真木マイクがヒットさせた浜口庫之助が作詞・作曲した「バラが咲いた」は、童話「星の王子さま」のバラほテーマにした一節からモチーフを得たとされている。「星の王子さま」など読んだ記憶がないので、内容は何も知らないが、たぶん「マッチ売りの少女」よりは、いい話なのだろう。それを社会が激しく動いていた時代に書き上げ、ヒットさせたのだから、この世の中は不思議と言えば不思議だ。それは「加山雄三」と言うキャラにもよく表れているように思えて、仕方ない。

 

この廃屋民家の庭先では、「あなたを愛しています」とは無関係に赤いバラが今シーズンもまた咲いてしまったのだろう。しかし来年はどうなのだろうか。

 

なんでそうなっていたのだろうか。

ガムテープで塞がれた郵便受け口のそれが、剥がれかけていた。これも単に時の経過の仕業でしかなかったのだろうか。

撮影日:令和3年5月1日