最終ラップのビッグワンを潜り抜け、レディックが初優勝(NASCAR第10戦:GEICO 500) | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 NASCAR第10戦:タラデガは、アラバマ州リンカーンのタラデガ・モータースピードウェイで行われる、GEICO 500。2.66マイル(4.28キロ)を188周(500.08マイル/804.64 km)を60+60+68周の3ステージ制で戦う。フューエルウィンドウは、42~46周、ピットロードスピードは、55マイル。

 1969年にオープン。現在のNASCARでは、年間2戦を唯一500マイルで戦うオーバルトラックで、秋のシャーロットの500マイルが、ロードコースのローバルに。2戦とも500マイルだったテキサスがオールスター戦を経て、1戦が、オースティンのロードコースとなった故だ。

 レースの短縮化を進めるNASCARでは、2010年前後から、500マイルレースが減り始め、現在では、シャーロットのコカ・コーラ600、ダーリントンのサザン500のみとなっている。アトランタも500マイルだったが、400マイルに改められている。

 タラデガを得意としていたのは、デイル・アーンハートシニアで10勝。アーンハート・ジュニアも6勝を挙げていて、デイトナであれだけ強い(デイトナ500の7勝を含む、通算10勝)リチャード・ペティは、2勝しかしていない。現役ではブラッド・ケセロウスキーが通算6勝を挙げ、2021年のこのレースが、最後の勝利となっている。

 ディフェンディングチャンピオンは、カイル・ブッシュではあるが、2008年と2023年の2度だけで、得意にしているわけではない。PPはマイケル・マクダゥエルが2度目の獲得。オースティン・シンドリック、トッド・ギリランド、カイル、オースティン・ディロンとなっている。

 マクダゥエルは、52秒609、182.022 マイル(292.936 キロ)で走っている。FOXの中継では、クリント・ボウヤー、チェイス・ブリスコー、トニー・スチュワートが3人が登場するシーンや、ケビン・ハーヴィックが、ジョー・ギブスの4人のドライバーと談笑するインタヴューなどが流れている。



 スチュワートは、去年と変わらず、かなり痩せていて、対面するハーヴィックとタイ・ギブスは、見るからに親子みたい。まぁ、コメンテイターの立ち位置であるとは言え、ハーヴィックも随分丸くなったなぁ、と言う気がする。オッズは+900ジョーイ・ロガーノ、+1000ライアン・ブレイニー、ブラッド・ケセロウスキー、+1200デニー・ハムリン、ロス・チャステイン、ウィリアム・バイロンが並んでいる。

 マイケル・ウォルトリップのグリッドウォークでは、ジョン・ハンター・ネメチェックの奥さん、テイラーさんが誕生日と言うことで、ウォルトリップとネメチェックが、2人でハッピーバースデーを歌い出し、2人の娘さんを1人づつ夫婦で抱きながら、テイラーさんが、その光景を笑って観ている場面があって微笑ましい。ノリのいいネメチェック、はなまる急上昇だ😅。

 ナショナルアンセムの光景で、家族同伴はお馴染みの光景だが、タイラー・レディックの横には、カート・ブッシュの姿が。少し超えた?フロントローは、マクダゥエルとシンドリック。実況にもあるように両者とも、デイトナ500ウィナーでもある。ボウヤーがマクダゥエルに、ハーヴィックがブースから、パレードラップ中のカイルに話しかける。

 マクダゥエルとシンドリックのフロントローでグリーンフラッグ。今回のカーナンバー16は、シェーン・ヴァン・ギスバーゲン。スーパースピードウェイ、それもタラデガでのカップ戦と言うのは、かなり大変だろうが、それだけトラックハウスの期待が大きいことの裏返しでもある。

 6LAP、フロントロー2人の争いが続いていたが、マーティン・トゥレックス・ジュニアが抜け出し、バッバ・ウォレスが続き、トヨタの1-2。17LAP、現在のトップはブリスコー。ジャスティン・ヘイリー、ヘムリック・などが一気にポジションを上げてきたのに対し、カイルは30位以下に。とは言え、トップとの差は2秒以内。タラデガは本当に分からない。

 タラデガは良く観客が入る。空席もあるにはあるが、スーパースピードウェイの迫力を目の前で堪能したい、というファン心理はよく分かる。38LAP、トゥレックス、タイ・ギブス、ブリスコー、ダニエル・スアレス、BJ・マクラウドのトップ5だが、シンドリックはトップ10から消え、マクダゥエルの名前はトップ20にも見当たらない。



 スーパースピードウェイでお馴染みのリッキー・ステンハウス・ジュニアも沈んでいる。まだ、ピットストップもしていないから、まだまだレースの結末は先だが。トップから、ラインを外されて、いきなり集団再開にも後退したマクラウドは、そのまま41LAPにピットイン。

 43LAPにシボレー勢がピットへ。44LAP、今度はトヨタ勢が。トゥレックス、ギブスらが入るが、タイヤをロックさせたデニー・ハムリンがスピン、この前のテキサスで最終盤にスピンを喫して、優勝争いから消えるなど、運がない。45LAP、ペナルティでラップダウンのカイル・ラーソンをトップにシボレー、フォードの集団がピットイン。

 ステイアウトは、ギスバーゲン、ジョシュ・ベリー、ジョーイ・ロガーノ、レディック、エリック・ジョーンズ、ブラッド・ケセロウスキー、カーソン・ホセバーの7台(シボレー、フォード混成軍)。45LAPに混成軍がピットイン。これでピットサイクルは一巡。

 エリオット、バイロン、カイル、シンドリック、ハリソン・バートンのトップ5。53LAP、トップを走っているのはラーソンだが、エリオットの風よけに使われている感じ。このままステージ1を走り切れば、ラップバックできるポジションにいる。LAPダウンのスアレスは、ピットクローズ直前に給油と4タイヤチェンジ。

 ファイナルラップ、バートンのプッシュを受けて先行するシンドリックだが、エリオットも負けじとラーソンをプッシュ。僅差でシンドリックがステージ1を制し、エリオット、バイロン、ブレイニー、カイル、バートン、クリストファー・ベル、ケセロウスキー、アレックス・ボウマン、ノア・グラグソンのトップ10。

 ラーソンがフリーパスを獲得。リードラップカーが一斉にピットイン。カイル(+4/4)、エリオット(0/4)、ブレイニー(+1/4)、シンドリック(ー3/4)、バートン(+1/4)のトップ5。ペースカーは、今年で製造60周年を迎えれるフォードマスタングが(グリーンフラッグの時がカムリか、マスタングだったかは確認していない)🚙。



 7(67)LAP、カイルとブレイニーのフロントローでリスタート。ギスバーゲンがリード、オースティン・ディロン、アンソニー・アルフレード、カイル、ブレイニーのトップ5。ネメチェック、グラグソン、アルフレードなど、最近まであるいは現在もエクスフィニティで戦っているドライバーがトップグループにいることにも驚くが、その後ろにラーソンがいることには更に驚愕😲。

 31(91)LAP、ブリスコーがピットイン、タラデガでは珍しい4タイヤチェンジ。映されていなかったが、給油もしているだろう。普通はフューエルウィンドウだけでタイヤ交換はしない筈。マシンにダメージも観られないし、ルースフィールか?リードラップでは戻れているが、単独走行なら、あっという間にラップダウンにされてしまうだろう。

 35(95)LAP、ハーフウェイを過ぎた。トップはハムリンだが、2位はネメチェック。23位のマクダゥエルまで、1秒以内の超接近戦が続く。41(101)LAP、ブリスコーがあっという間に先頭集団に飲み込まれ、ラップダウンにされていく。が、何とか集団の中に入ることは出来たようだ。

 ブッシャーを先頭に11台がピットイン。グラグソン、トッド・ギリランドの姿も見える。次の周に12台が入る。トヨタ、シボレー勢で、ラーソン、カイル、スアレス、エリック・ジョーンズなど。44(104)LAP、コリー・ラジョイが、ピットロードでスピン、がノーコーション。

 52(112)LAPにトヨタ勢7台がピットイン。ベルが、エンタリングでスピードオーバー。ロガーノ、シンドリック、ブレイニー、ジョシュ・ベリーの4台はなおもステイアウト。翌周にフォード4台がピットにようやく入る。ブレイニーもエンタリングでスピードオーバー。

 54(114)LAP、トップ2のロガーノとシンドリックの間にブッシャーが割込み、あわやコンタクトの危機。当たったかもしれないが、ブッシャーとライアン・プリースは、トップ2に躍り出る😅。ロガーノ、シンドリックは1-2を奪回。ファイナルラップ、最後に浮上してきたラーソンとロガーノの一騎打ち。



 シンドリックのプッシュがあって、ロガーノがステージ2を制した。シンドリック、ラーソン、オースティン・ディロン、ロス・チャステイン、レディック、ブッシャー、チェイス・エリオット、プリース、ギブスのトップ10。ステージ2が終了して、アクシデントは、ラジョイのピットロードのスピンくらいだ。何も起きな過ぎて怖いな、タラデガ。

 リードラップカーが一斉にピットイン。ロガーノ(0/4)、ラーソン(+1/4)、シンドリック(ー1/4)、チャステイン(+1/4)、ディロン(ー1/4)のトップ5。127LAP、ロガーノとチャステインのフロントローでリスタート。チャステインがリード、ロガーノ、シンドリック、カイル、グラグソンが続く。

 133LAP、フラットタイヤになったヘイリーが、いきなりベルにヒット、ベルはウォールにクラッシュし、後方のマシンもコースアウト。このレース初のマルチクラッシュで、3度目のコーション。エリオット、ブレイニー、ブリスコー、ベル、ヘイリー、ゼイン・スミスの6台が絡んでいる🔥。

 起因となったベルのマシンはレッカーで運ばれていく。ヘイリーは、右フロントタイヤはバーストしているが、ヨレヨレの状態でピットに辿り着く。リードラップカーが一斉にピットイン。タイヤを交換したばかりなので、フューエルオンリー。ロガーノ(+3/0)、ベリー(+1/0)、グラグソン(-1/0)、シンドリック(+1/0)、カイル(+1/0)のトップ5。

 カイルは、ピットストップは良いんだけど、走るとポジション落としちゃうんだよなぁ。ステイアウトは9台。アルフレード、ラーソン、ウォレス、レディック、バイロン、ジョーンズ、エリオット、ケセロウスキー、ブリスコーだが、コースアウトしたブリスコーは大丈夫なのか。

 観客の中には、ギスバーゲンのTシャツ(ウェンディーズ)を着ている人もいる。テキサスでは、スイカ男ことチャステインのシャツや、コスプレをしてる集団もいたし、面白い🍉。ウェンディーズば、バーガーキング、マクドナルドに次ぐ世界第3位のハンバーガーファーストフードチェーンで7100店舗以上あるそうだ(約8割はアメリカ国内)。



 メニューは、円形のバンズに乗せた四角いハンバーガーパティ、シーソルトフライ、でんぷんを混ぜたソフトクリーム「フロスティ」を提供していて、フードメニューは、ハンバーガー、チキンサンドイッチ、フライドポテトが中心だとか。国際企業であり、日本国内にも店舗はあるが、ダイエーグループのドムドム、その後、ゼンショーグループに売却され、その後、撤退するなどの紆余曲折があり、2011年に再進出。現在は30店舗程度だという。ちなみに僕からすると、隣県にしか店舗はない。

 コーションラップ中に再びトップオフ。140LAP、ベリーとグラグソンのフロントローでリスタート。 144LAP、トップは、マクダウェル。スアレス、ディロン、ヘムリック、ボウマンが追う。2位にトッド・ギリランドが浮上。2013年の第10戦のタラデガ(Aaron's 499)で、デヴィッド・レーガンとデヴィッド・ギリランドが、フロントロー・モータースポーツの1-2で、解説者の石見周さんが、大興奮していたのを思い出す🎉。

 この時のトップ5は、レーガン、ギリランド、カール・エドワーズ、ウォルトリップ、ジミー・ジョンソンで歴史を感じさせる。153LAP、レディック、ネメチェック、ジョーンズ、ウォレス、トゥレックス、ギブスなどのトヨタ勢がピットイン。156LAP、トヨタのシングルファイルのターン3、ウォレスとジョーンズがバランスを崩し、2台がハードクラッシュ!

 巻き込まれたネメチェックがハムリンにクラッシュして、トヨタ勢6台中4台が巻き込まれる大惨事😢。ピットに辿り着いたのは、ネメチェックだけで、ハムリンはマシンを降り、ウォレスとジョーンズは恐らく無理。スーパースピードウェイで、単独ピットに入った集団が走ってる中で、マルチクラッシュが起きるのは、観たことがない。

 これが4回目のコーション。リードラップカーが一斉にピットイン。マクダゥエル(0/0)、ケセロウスキー(+1/0)、グラグソン(+2/0)、ベリー(0/0)、カイル(+3/0)のトップ5。皮肉にも、今回のコーションの起因となったトヨタ勢で無傷だったレディック、トゥレックス、ギブスの3台がステイアウトでトップ3。

 161LAP、レディックとマクダゥエルのフロントローでリスタート。マクダウェルがリード、レディック、ケセロウスキー、トゥレックス、グラグソンが続く。100レース以上の未勝利をタラデガで止めたドライバーの一覧が出てくる。エリック・アルミローラ149(2018年)、ケビン・ハーヴィック115(2010年)、ジェームス・ヒルトン109(1972年)、ジェイミー・マクマーレイ108(2013)、ボビー・ハミルトン101(2001年)。



 事前にリサーチはしてあっただろうけど、よく調べて来るなあ。ヒルトン(1934~2018)は、カップ戦には、27年間で602レースに出場。キャリア2勝ではあったが、1966、67、71年にランキング2位を獲得。1970年の第4戦:リッチモンドで優勝、1972年の第21戦タラデガが最後の優勝になった。1970年、71年とも、年間47戦もあり、歴代2位にランキングされてしまっている。1966年のグランドナショナルシリーズのルーキー・オブ・ザ・イヤーでもある。

 ハミルトン(1957~2007)は、カップ戦には、15年間371レースに出場。キャリア4勝、1998年の第8戦マーティンズビル以来の勝利で、タラデガが現役最後の勝利になった。2005年のマーティンズビルを最後に引退。1991年のウィンストンカップシリーズでルーキー・ボブ・ザ・イヤー。ハミルトンは2006年3月に頭頸部がんと診断され、2007年1月に亡くなっている。

 ケセロウスキーも100レース以上勝利がない。上位にいるだけに是非、頑張って貰いたい。178LAP、マクダゥエルがリード、2列目にケセロウスキーとレディック。ファイナルラップ、マクダゥエルをケセロウスキーが、レディックをトゥレックスがプッシュするのは変わらない。

 ケセロウスキーのプッシュでマクダゥエルをトップとするイン側がリード。ケセロウスキーが仕掛けるも、マクダゥエルはブロック。インに戻ったケセロウスキーを再びブロックしようとしたマクダゥエルが大きくスライドしたため、マシンをコントロールしきれずに、スピン、クラッシュ!。

 ケセロウスキーは減速せざるを得ず、最後にすり抜けるようにトップでチェッカーを受けたのはレディックだった。後方は大混乱となり、ビッグワンが発生したが、勿論、コーションは出ず、勝負は決まった。レディックは、今シーズン初勝利で通算6勝目🏆。今シーズン7人目のウィナーが誕生。シボレー6勝、トヨタ4勝。フォードは、マクダゥエルとケセロウスキーの優勝争いで最後まで魅せたが、僕は2人とも<推し>だから、どっちでも良かったんだけど、まあ、レディックなら良いか。



 死屍累々のトヨタ陣営ではあったが、最後にツキが残っていた。なぜか、アンオフィシャルのリザルトでは、カイルがトップになっている😂。ケセロウスキー、グラグソン、ステンハウス、ボウマン、アルフレード、バイロン、ギリランド、ヘムリック、バートンのトップ10。

 11位トゥレックス、12位ブリスコー、13位チャステイン、14位プリース、15位エリオット、19位ロガーノ、20位ブレイニー、21位ラーソン、22位ギブス、23位シンドリック、25位ブッシャー、26位スアレス、27位カイル、28位ギスバーゲン、30位オースティン・ディロン、31位マクダゥエル、36位ウォレス、37位ハムリン、38位ベルと言ったところ。ラスト4台がトヨタ勢という、例年のタラデガ同様、波乱の幕切れだった。

 23Ⅺのオーナーマイケル・ジョーダンの姿もあり、クルーと握手、共同オーナーであるハムリンとも勝利を分かち合う。レディックは金網をよじ登り、エリオ・カストロネベスやトニー・スチュワート同様のスパイダーマン・パフォーマンス。ビクトリーレーンでレディックの息子と意気投合していたジョーダン。子どもを渡して祝福。

 過去のレディックの優勝でも、あそこまで興奮している姿を観たことはない。よほど嬉しかったのだろう。プレーオフ進出が決まり、シボレーVSトヨタの争い、いや、ヘンドリックとジョー・ギブスの争いは熾烈さを増している。次戦は、モンスターマイル、ドーバー。AJ・アルメンディンガーとジミー・ジョンソンが参戦。ジョーンズはこのレースで、下部椎骨の圧迫骨折を負い、ドーバーを欠場すると発表した、コーリー・ハイムが回復するまで代役を務めることになっている。一刻も早い回復を待っている😢。