2013年のNASCAR | 日日不穏日記・アメブロ版

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gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 僕が、NASCARを観始めたのは、意外に遅く2013年からだ。ケーブルテレビの視聴を始めて、日テレG+、GAORAを観ることが可能になり、この年からNASCARとインディカーの観戦を始めたのだ。F1は地上波では観てはいたが、熱心に観ていたのは、ミハエル・シューマッハとミカ・ハッキネンがライバル争いをしていた頃までだろうか。

 シューマッハ一強の時代になって、次第に遠のいていったのが正直なところだ。新しい刺激が欲しくてNASCARとインディを観始めたのだが、NASCARドライバーは、F1から転身したファン・パブロ・モントーヤと、インディから、フル参戦を決めたダニカ・パトリックしか知らない。2013年のNASCARは、スプリントカップ時代。

 とりあえず誰を応援しようか・・・と考え、モントーヤとダニカ、それに前年度のチャンピオン、ブラッド・ケセロウスキーに決めた。判断基準も何もないから、大雑把なものだ。NASCARで驚いたのは、台数の多さ(43台)、タイヤを2本づつ交換すること、それに乱闘だw。

 モントーヤがウィリアムズ・BMWで走っている時に、<皇帝>シューマッハに喧嘩を売るような走りをして、暴れん坊と評されていたが、NASCARではおとなしいもの。何せトニー・スチュワートがいたからだ。第4戦:フォンタナで、ジョーイ・ロガーノとデニー・ハムリンがクラッシュし、ハムリンが欠場を余儀なくされた時に、ロガーノ陣営に殴り込みをしたのには驚嘆した。最近は、ロガーノも慣れたもので、カイル・ブッシュを返り討ちにしたりしているが、当時はまだまだ。

 とんでもないものを観ているって感じで引き込まれていった。ヘンドリック・モータースポーツは、ジミー・ジョンソン、ジェフ・ゴードン、デイル・アーンハート・ジュニア、ケイシー・ケインの4人。ジョー・ギブス・レーシングは、ハムリンとカイル、それにロガーノがペンスキーに移籍した代わりに、ラウシュから、マット・ケンゼスが加入。

 ペンスキーはフォード1年目で、ケセロウスキーとロガーノ。スチュワート・ハースはスチュワート、ライアン・ニューマンに加えて、ダニカが新加入し、3台体制に拡大していた。リチャード・チルドレスは、ケビン・ハーヴィック、ポール・メナード、ジェフ・バートン。

 ラウシュ・フェンウェイ・レーシングは、カール・エドワーズ、グレッグ・ビッフルに加え、リッキー・ステンハウス・ジュニアがルーキーデヴュー。アーンハート・ガナッシ・レーシングは、ジェイミー・マクマーレイとモントーヤ。ファニチャーロウ・レーシングは、2011年のペンスキーを最後にメジャーチームから離れているカート・ブッシュ。

 マイケル・ウォルトリップ・レーシングは、クリント・ボウヤー、マーティン・トゥレックス・ジュニア、もう1台をブライアン・ヴィッカーズ、マーク・マーティン、ウォルトリップ、エリオット・サドラーも持ち回りの3台体制。主要チームはこんなところだが、開幕戦のデイトナ500でダニカが女性初のPPを獲得。終盤までトップ争いに食い込み、8位フィニッシュと大健闘。36戦もあるんだから、1つくらい勝っても・・・と思っていたが、NASCARは、そう甘くなかった。

 シリーズはデイトナ500で優勝したジョンソンがポイントでトップをキープ。優勝こそないものの、ボウヤーがずっと2位に続き、ケンゼスがリードラップを積み重ね、レギュラーシーズンで最多の5勝を挙げ、移籍早々大活躍。第10戦:タラデガでは、デヴィッド・レーガン、デヴィッド・ギリランドのフロントロー・モータスポーツの1-2という大波乱があり、解説の石見周さんが大興奮していたのを覚えている。

 これがどれほどの快挙であったのかは、当時はさっぱり分からなかったのだが。第13戦:ドーバーでは、オーバル初優勝を目前にしていたモントーヤを最後にスチュワートが逆転し、大いに落胆。2007年からガナッシで参戦し続けていたモントーヤは、2013年を以て、NASCARを離脱。インディカーへと舞台を移した。



 モントーヤに代わって、デヴューしたのが、カイル・ラーソンで初年度から大活躍。未来のチャンピオン候補と見做されるようになる。第2戦:フェニックスでは、NASCAR最年長のマーティンがPPを獲得。54歳で現役、しかもPPってことに驚嘆。マーティンはラストイヤーになるが、この年齢までトップカテゴリーで走れることは信じ難かった。

 最近では、カップシリーズで50歳を超えて走るドライバーはおらず、去年ガナッシでラーソンが解雇された時に、代役を務めたケンゼス(48歳)くらいのもので、あとはハーヴィックくらいのもの。まぁ、これも例外に近いと言え、だんだん他のレースに近くなってきたと言えようか。

 ディフェンディングチャンピオンのケセロウスキーは、レギュラーシーズン26戦で1勝も出来ず、チェイス進出はならず。そのチェイス進出を掛けた26戦:リッチモンドで大スキャンダルが起きてしまう。既に進出を決めているボウヤーに加えて、トゥレックスも12人の枠に入れたかったチームは、ボウヤーに故意のスピンをさせて、コーションを起こしたという疑惑が持たれ、トゥレックスのメインスポンサーNAPAが撤退するという騒ぎを起こしたのだ。

 トゥレックスのチェイス入りは白紙となり、争っていたゴードンが13人目に滑り込むという形となり、トゥレックスはシートを喪失。ウォルトリップ・レーシングは凋落の一途を辿り、チーム消滅に至った。トゥレックスは、カートが所属していたファニチャーロウに移籍し、1年冷や飯を強いられたが、14年に一気に浮上。

 15年にはトヨタエンジンにスイッチし、ジョー・ギブスの全面支援を得て、チャンピオン争いに加わり、17年、遂に戴冠。チームの消滅後は、ジョー・ギブスに移籍し、今年は早くもプレーオフ入りを決めている。13年のカートは、ファニチャーロウで優勝こそないものの、上位入賞を積み重ね、チェイス入り。

 その実績を買われて、スチュワート・ハースへの移籍を決めた。チェイスは、初戦:シカゴランド、続くロードンでケンゼスが連勝。が、ジョンソンがドーバー、テキサスで優勝し、ケンゼスを逆転。ケンゼス陣営の自滅もあり、最終戦では、ケンゼス、ハーヴィックにチャンピオンの可能性は残ったものの、ホームステッドで9位フィニッシュ。

 悠々と6度目のチャンピオンを決めた。翌年から現在のプレーオフのフォーマット(3戦ごとの振い落し)に変わったため、ジョンソンは2003年からのプレーオフシステム最後のチャンピオンになった。年間通して強い、これがジョンソンのイメージで、<強いジョンソン>最後の姿だった、と僕は思う。

 2016年に7度目のチャンピオンにはなっているが、そこには往年の強さは感じず、天の配剤とも言うべき<運>が味方したように感じる。翌14年には、ハーヴィックがスチュワート・ハースに移籍し、チルドレスには、ニューマンとオースティン・ディロンがルーキーとして加入。スチュワートにはカートも加わり、現在に続く4台体制となった。

 そして、ホームステッドのトップ4は、ハーヴィック、ニューマン、ハムリン、ロガーノとなり、新旧スチュワートのハーヴィックとニューマンが一騎打ち。ハーヴィックが、ニューマンを退けて待望のチャンピオンの座を手にすることになる。さらに翌年には、エドワーズが、ラウシュからジョー・ギブスに移籍。ラウシュの凋落は決定的になってゆく。

 さて、最後にNASCARの放送枠だが、基本は3時間の収録。ライブはデイトナ500とレギュラーシーズン最終戦のリッチモンド、シーズン最終戦のホームステッドの他に、レギュラーシーズンで2~3戦あったと思う。ただ、雨天順延でスタジオトークで終わることが多かったような気がする。

 放送時間は、午前4時から8時間。大抵、レースは終わってしまい、他の番組で埋めていた記憶がある。14年は、デイトナ500とリッチモンドとホームステッド。15年はデイトナ500とホームステッドだけになり、デイトナは6時間、ホームステッドは4時間15分まで短縮された。それ以降、多少は改善されたものの、2019年にNASCARのテレビ中継は終了。ファンが少ないから仕方ないとは言えるが、いささか寂しい。YouTubeでレースを観るファンなどごく一部だろう。