ルーキー:カスターが4ワイドを制し、カップ戦初優勝!(NASCAR第17戦:ケンタッキー) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 NASCAR第17戦のケンタッキーは、ケンタッキー州スパータのケンタッキースピードウェイで開催される「Quaker State 400」。ケンタッキースピードウェイは、オープンが2000年だが、カップ戦の初開催は遅く、2011年から。1.5マイルを267LAPの400.5マイルを3ステージ制(80+80+107)は、標準的なステージ分けだ。

 前戦のブリックヤード400は、今シーズン初のNBCの中継だったが、ケンタッキーはFOXに戻る。ピットロードスピードは45マイル、フューエルウィンドウは、62~66LAP。そして25LAP終了後にコンペティションコーションが入る。ジミー・ジョンソンは、一戦で復帰し、ケビン・ハーヴィックは、ケンタッキーを制して、カイル・ブッシュに次ぐ、全レース制覇を成し遂げたい。

 カイルとジョーイ・ロガーノのフロントローでレースはスタート。アウト側のカイルをプッシュしたエリック・アルミローラが抜け出し、ロガーノを抑えて1-2。10LAPにアルミローラがカイルをパスして、リードチェンジ。25LAP終了でコンペティションコーション。アルミローラ、カイル、ロガーノ、アレックス・ボウマン、ブラッド・ケセロウスキーのトップ5。

 リードラップカーがピットイン。アルミローラ、ロガーノ(+1)、カイル(-1)、チェイス・エリオット(+3)、ボウマン(-1)の順でピットアウト。いずれも4タイヤチェンジだ。31LAPにリスタート。アルミローラをエリオットが、ロガーノをカイルがプッシュ。

 アルミローラ、エリオットが1-2。ロガーノ、ハーヴィック、マット・ディベネデット続く。ルーキーの今シーズンの獲得ポイントが表示される。タイラー・レディック/344、ジョン・ハンター・ネメチェック/291、クリストファー・ベル/279、コール・カスター/273・・・。

 エクスフィニティの上位ランカー3人がフル参戦することで、注目を集めた今シーズン。レディックは2018、19年の2年連続チャンピオン、カスターは2年連続2位、ベルは、昨シーズン最多の8勝を挙げたドライバー。レディックは、リチャード・チルドレスで、先輩のオースティン・ディロンを上回る活躍を見せ、ベルは、JGRのセカンドチーム、リーヴァイン・ファミリーレーシングで奮闘。

 トップチームのスチュワート・ハース入りしたカスターには、期待は集まったのだが、トップ10が2回。厳しい言い方をすれば、期待に応えているとは到底言えない。16レースを終了した時点の去年と今年のプレーオフポイントの比較が出ている。これが、今シーズンの傾向を象徴している。

 カイル25(0)、マーティン・トゥレックス・ジュニア22(7)、ケセロウスキー19(13)、ロガーノ16(14)、ハムリン12(23)、エリオット7(10)、ハーヴィック3(22)、ライアン・ブレイニー2(6)・・・前が2019年で()内が2020年。ほぼ横ばいのドライバーもいるが、カイル、トゥレックスの落ち込みが大きく、ハムリン、ハーヴィックが大きく伸びている。レース内容でも想像してはいたが、こうやって数字で表示されるとショックが大きい。

 61LAP、アルミローラが依然トップ。エリオットは1.889秒、ロガーノが4.625秒、ディベネデットは4.842秒、ブレイニーが7.625秒差になっている。アルミローラは、エリオットに4秒以上の差をつけ、ファイナルラップに。アルミローラがステージ1を制し、エリオット、ロガーノ、ディベネデット、ブレイニー、ハーヴィック、ボウマン、カート・ブッシュ、クリント・ボウヤー、トゥレックスのトップ10。

 リードラップカーが一斉にピットイン。アルミローラ、ロガーノ(+1)、ディベネデット(+1)、エリオット(-2)、ブレイニーのトップ5。トップ10までいずれも4タイヤチェンジだ。8(88)LAPにリスタート。アルミローラがトップを守り、ロガーノ、ディベネデット、エリオット、ブレイニーが続く。

 44(124)LAP、ブレイニーは、ディベネデットに次いでロガーノをもパスして、2位に浮上。トップのアルミローラとの差は2秒強。58(138)LAPにブレイニーがアルミローラをパス。このレース初のリードチェンジだ。66(146)LAP、レディックがピットイン。フューエルウィンドウ一杯だ。他のマシンも入ってくるだろう。

 68(148)LAP、トゥレックスが入る。ボウマン、ジョンソンの姿も見える。71(151)LAPにトップのブレイニーがピットイン。74(154)LAPにトップを走行していたケセロウスキーがピットイン。ほぼ同時にケンゼスが単独スピン、2回目。レース内容としては初のコーションが出る。

 ラッキーにもこのコーションでケセロウスキーがトップに躍り出る。このコーションでハーヴィックや、ウィリアム・バイロンなど何台かがピットイン。ファイナップでのリスタート。ケセロウスキー、ブレイニー、ロガーノのペンスキー、1-2-3だが、そのままケセロウスキーが逃げ切り、ステージ2を制した。

 ブレイニー、カスター、ロガーノ、トゥレックス、ボウマン、ディロン、ジョンソン、ディベネデット、エリック・ジョーンズのトップ10。トップ4をフォードが独占だ。リードラップカーがピットイン。レディック、ジョーンズ、カスター、ハーヴィック、バイロンの姿が映る。



 168LAPにリスタート。ケセロウスキーがリードし、トゥレックスがブレイニーをパス、2位に躍り出る。ブレイニーはジョンソンと3位バトルを展開。170LAP、ジョンソンがブレイニーを捉えて3位に浮上する。172LAP、カイルが体勢を崩し、ウォールにタッチするが、立て直して事なきを得る。

 181LAP、トゥレックスがケセロウスキーを抜いて、リードチェンジ。このレースでのリードラップが表示される。アルミローラが128でトップ、ケセロウスキー30、ブレイニー12、カイル9、トゥレックス6、ディベネデット1。ステージ1、2をリードしたアルミローラが圧倒的で、残り81LAP。最多リードラップはアルミローラで決まりだ。

 209LAPに4位を走っていたジョンソンがピットイン。フューエルウィンドウの範囲ではあるものの、少し厳しいか?218LAP、ハムリンが入る。ボウマンやバイロンのヘンドリック勢がこの間にピットインしていたが、そろそろアンダーグリーンでのピットインが始まるか?

 219LAP、トゥレックスはケセロウスキーに4.732秒をつけ、独走態勢。そろそろ入ってもいいところだ。222LAP、カート、ライアン・ニューマンに続き、トゥレックス、ブレイニーがピットイン。226LAPにケセロウスキーも入る。228LAP、カスター、バイロン、ベル、ハーヴィック、オースティン・ディロンのトップ5に大きく変わる。

 229LAP、トップのカスター、それにレディックがピットに向かう。その直後、ディロンがピットに入ろうとしたが、急にコースに戻ろうとしてスピン、これが4回目のコーションとなる。ディロンがなぜ、こんな不可解な動きをしたと言えば、ブレナン・プールのタイヤがバーストし、デブリが散乱。

 動画ではプールの右リアが大破していたから、クラッシュをしていたのだろう。これでコーションが出ると見込んで、コース上に戻ろうしたら、自分がコーションの引き金になってしまったわけだ。NASCARのオフィシャルも早くコーションを入れるべきだったと思うが、これは仕方ない。

 ディロン、カイルら6台がピットイン。238LAP、トゥレックス、ブレイニー、カート、ケセロウスキー、ハーヴィックの順でリスタート。トゥレックスがリード。ブレイニー、カート、ハーヴィックが続く。240LAP、ジョンソンがハーヴィックを捉え、3位に浮上。

 244LAP、ネメチェックがウォールにクラッシュ!5回目のコーションとなる。ネメチェックの他、カイル、ジョーンズ、ボウマン、アルミローラがピットイン。249LAPにリスタート。トゥレックス、ブレイニーのフロントローだったが、直後に3位のジョンソンにケセロウスキーが追突し、ジョンソンはスピン、これが6回目のコーション。終盤のケンタッキーは、荒れる荒れる。

 255LAPにリスタート。ブレイニー、トゥレックス、ハーヴィック、カートの順で進んだが、ハーヴィックが2列目からインに切り込み、フロントローのブレイニー、トゥレックスを一気にパス。それをトゥレックスが追い、ブレイニーが続く。ハーヴィックの未勝利レースはケンタッキーのみと僕は書いたが、この配信では、シャーロットのローバルも含めている。それなら、カイルも勝利はないから、全レース制覇は果たされていないことになるが。

 ちなみにカイルはデイトナ500での優勝はない。ハーヴィックは2007年に制しているから、その点で言えば、五分五分と言えようか。261LAP、ハーヴィックとトゥレックスの緊迫の接近戦が続く中、ケンゼスが再び単独スピン、7回目のコーションとなる。

 ハーヴィック、トゥレックス、ブレイニー、ケセロウスキー、カートのトップ5で、266LAPにリスタート。ハーヴィック、トゥレックスが激しいトップ争い。そこにインからブレイニー、アウトからカスターが加わり4ワイドになり、ファイナルラップへ。そこでハーヴィックとトゥレックスが接触し、さらにブレイニーと強くヒット!ハーヴィックのタイヤからスモークが。カスターがターン1でトップに躍り出る。

 カスターがそのまま逃げ切り、トップでチェッカー。カップ戦フル参戦1年目のルーキーが堂々の初優勝を成し遂げた。2位にトゥレックス、チェッカー目前でハーヴィックを捉えたディベネデットが3位に入った。以下、カート、ブレイニー、ベル、アルミローラ、ケセロウスキー、レディックのトップ10。

 ハーヴイックの全レース制覇の偉業は潰えたが、ルーキー3人がトップ10に入るという、新世代の台頭を象徴するレースになった。11位バイロン、12位ハムリン、14位ボウヤー、15位ロガーノ、18位ジョンソン、19位ボウマン、21位カイル、22位ジョーンズ、23位エリオット・・・という結果になった。
 
 カスターはバーンアウトを決め、マシンを降りるとクルーメンバーに飛び込み、ハイタッチ。喜びを表現していた。これでスチュワート・ハースは、ハーヴィック以外の初のウイナー。レース前半はアルミローラが席巻し、終盤はハーヴィックが追い込み、ラストはカスターが優勝。スチュワート・ハースのレースだったと言ってもいいケンタッキーだった。