NASCAR第12戦は、2002年から、NASCAR最終戦に組み込まれていたホームステッド。フロリダ州マイアミのホームステッド・マイアミ・スピードウェイの「Dixie Vodka 400」。フォード・エコブースト400の名称が定着してきたから、違和感がある。ホームステッドは、1999年から、カップシリーズのカレンダーに組み込まれている。
7レースを25日で、2634マイルを走る過密スケジュールを消化。さらにタラデガ、ポコノ2連戦も控えている。NASCARドライバーのタフネスぶりには恐れ入るが、今回は無観客ではない。新型コロナウィルスの初期対応に当たった救急隊や医療スタッフ、軍関係者など、約1000名が招待されている。招待したファンのみの入場ではあるが、3ケ月ぶりのスタンドに観客を入れてのレースになる。
今回は、プレレースセレモニーから流している。スタンドにまばらだが観客の姿も見える。相変わらずリモートで、ナショナルアンセムや、スタートコマンドが。パレードラップの前から、カメラに雨粒がついているのが気になる。レースアナライシスは、1.5マイルを267LAPの400マイルを3ステージ(80+80+107)で走る。
ピットロードスピードは45マイル、フューエルウィンドウは、62~66LAP。25LAP終了後にコンペティションコーションが入る。ハムリンは、2回のホームステッドのウイナーではあるが、現在のプレーオフフォーマット(2014年~)以前の勝者(2009、2013年)であるため、チャンピオンの経験はない。
グリーンフラッグ。デニー・ハムリンとジョーイ・ロガーノのフロントローでレースはスタート。ロガーノ、ブラッド・ケセロウスキーのペンスキー2台がまずは飛び出し、ロガーノはその後ろにつく。4LAP、コースに雨粒が落ち、近くで落雷が発生したことで、初のコーション、からレッドフラッグへ。ドライバーはピットロードにマシンを停め、ヘルメットを外してマシンを降りる。
レース中断は2時間以上に及び、再びコーションラップに。9LAP、ロガーノ、ハムリンのフロントローでリスタート。今度はハムリンがリードし、ロガーノ、ケセロウスキー、マーティン・トゥレックス・ジュニア、ケビン・ハーヴィックが続く。再び、ロガーノ、ケセロウスキーのペンスキー、1-2に戻る。
21LAP、ライアン・ニューマンがフラットタイヤで単独スピン!早くも2回目のコーションが発生。リードラップカーが一斉にピットイン。ロガーノ、ハーヴィック(+2)、タイラー・レディック(+2)、ハムリン(-1)、チェイス・エリオット(+1)のトップ5。いずれも4タイヤチェンジだ。
25LAP、ロガーノ、ハーヴィックのフロントローでリスタート。ロガーノがリード、レディック、エリオット、ハーヴィック、ライアン・ブレイニーが追う。28LAP、エリオットがレディックをパス。ここはエリオットに1日の長ありか。30LAPにエリオットがインからロガーノをパスしてリードチェンジ。31LAPにレディックが続き、2位に浮上。
その直後の32LAPに落雷が発生で3回目のコーション。34LAPには天候の悪化でレッドフラッグに。2度目のレッドフラッグは約40分。ライトが灯され、まだ薄暗いとは言え、ナイトレースの様相に。ペースカーを先頭にコーションラップ開始。リードラップカーがピットイン。
エリオット、ブレイニー、マイケル・マクダゥエル、レディック、ハムリンのトップ5で、37LAPにリスタート。サイドバイサイドのバトルでブレイニーがエリオットを抑え、トップに立つ。2台を追うレディック。41LAP、レディックがエリオットを捉え、2位を奪還。エリオットはレディックを抜き返すが、ハムリンが迫る。
43LAP、今度はハムリンがエリオットを抜き、2位となり、ブレイニーを追う。66LAPにはハムリンはブレイニーとの差を、0.227秒まで詰めている。ハムリンは、ブレイニーとの差をキープしながらチャンスを伺っている。3位のレディックとは、4秒以上の差があり、コーションがない限り、ステージ1は、この2人の争いに絞られた。
76LAP、満を持してハムリンがターン1でブレイニーをパスし、リードチェンジ。そのままハムリンがステージ1を制し、ブレイニー、レディック、エリオット、エリック・アルミローラ、ブラッド・ケセロウスキー、アレックス・ボウマン、ウィルアム・バイロン、クリント・ボウヤー、クリス・ブッシャーのトップ10。
リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン、エリオット(+2)、ブレイニー(-1)、ボウマン(+3)、レディック(-2)のトップ5。8(88)LAP、リスタート。エリオット、ブレイニーが先行し、ハムリンは3位に下がる。11(91)LAP、ブレイニーがインからエリオットをパスし、リードチェンジ、ハムリン、レディックも続く。
28(108)LAP、ブレイニーが依然トップ、ハムリンは1.707秒、レディックが2.147秒、バイロンは4.578秒、ボウマンが6.262秒差のトップ5。エリオットは、カイル・ブッシュにも抜かれ、現在7位。39(119)LAP、ライアン・ニューマンがピットイン、4タイヤチェンジ。半分で割ってきたか。これでアンダーグリーンが始まりそう。
40(120)LAPにカイルが入る。次の周にはハムリンも入ってきた。ブレイニーも続き、トップはレディックに。上位集団が次々とピットインする中で、一巡は早そうだ。レディックも入ってくる。このピットストップで、ハムリンとブレイニーは逆転。クルーとドライバーの合計タイムは39.0秒と39.1秒の0.1秒差でハムリンが速いが、アウトラップの違い?トラフィックに引っかかったか?
45(125)LAP、ハムリンとブレイニーの差は、1.943秒とかなり開いた。レディック、バイロン、エリオットと続く。58(138)LAP、エリオットがバイロンを抜き返し、4位にポジションアップ。66(146)LAP、ハムリンはブレイニーとの差を4.611秒に広げ、ブレイニーは、レディックに僅差まで迫られている。
73(153)LAP、エリオットはブレイニーをパスし、3位に。レディックは映ってはいなかったが、既に2位に浮上している。リプレイを見ると、レディックにパスされた際にブレイニーはウォールにヒットし、減速したところを、エリオットに刺されたようだ。
そのままリードを広げて、ハムリンがステージ2も制覇。レディック、エリオット、ブレイニー、バイロン、ボウマン、トゥレックス、オースティン・ディロン、カイル、エリック・アルミローラのトップ10。リードラップカーがピットイン。ハムリン、エリオット(+1)、レディック(-1)、ブレイニー、バイロンのトップ5。
168LAP、リスタート。ハムリンがリード。エリオット、レディックが続く。170LAP、ロガーノがバランスを崩し、そこにニューマンがヒット!6回目のコーション。リードラップカーが一斉にピットイン。ハムリン、エリオット、レディック、ブレイニー、トゥレックスのトップ5。
176LAP、リスタート。ハムリンがリードし、レディック、エリオット、ブレイニーが3ワイドで争うが、レディックが後退。ハムリン、ブレイニー、エリオット、バイロン、レディックのトップ5に変わる。192LAP、ブレイニーがハムリンぇおパスしてトップに立つが、194LAPにハムリンが抜き返す。
そこでバランスを崩すブレイニー。その間隙を突いて、エリオットがブレイニーを刺して、2位に順位を戻す。202LAP、トップ10の年齢が表示される。トップのハムリンが39歳、以下、エリオット(24)、ブレイニー(26)、レディック(24)、アルミローラ(36)、バイロン(22)、カイル(35)、クリストファー・ベル(25)、ジョーンズ(24)、ボウマン(27)。
トゥレックスや、ハーヴィックがトップ10から外れているし、この時点のレース展開では一概には言えない。ただ、ヘンドリックの3人や、ブレイニーはトップ10の常連だし、ルーキーのレディック、ベルは大健闘。NASCARの新旧交代が確実に進んでいるのは間違いない。
207LAP、ハムリンのトップは揺るがず、エリオットに0.789秒差。ブレイニーは2.153秒、レディックが3.016秒、アルミローラは4.948秒。ラストピットは近い、そこで誰がどう仕掛けるか?クルーチーフの腕の見せ所だ。212LAP、ライアン・プリースがピットアウト。プリースは上位陣ではないが、上位陣の誰かが入れば、一気に追随するだろう。
216LAPにエリオットが仕掛けた!バイロンも入る。217LAPにブレイニー、ハムリンも入っている。218LAP、両者のピットストップが終わると、両者のポジションが逆転!両者の差は1.5秒強。アンダーカットに成功、一方、ステイアウトしていたカイルは220LAPにピットイン。
231LAP、エリオットとハムリンの差は、1.115秒に。徐々にハムリンが詰めている。239LAP、ハムリンが完全にエリオットをパス、2台の前にいるのは、両者に因縁のロガーノだ。エリオットもパスされながらも、0.5秒以内の僅差でのバトルが続く。ブレイニーも2台との差を縮めている。
フェデックス(物流)カラーのハムリンか、フーターズ(ちょっとエッチな小売業)カラーのエリオットか?257LAP、レディックが一度はブレイニーをパスするも、次の周にはブレイニーが抜き返す。リプレイで分かったが、263LAPにエリオットがウォールにブラッシュして、失速。ブレイニーの追撃を辛うじて抑える。トップ3は変わらず、ホワイトフラッグ。
そのままハムリンが逃げ切り、今シーズン単独最多の3勝目、通算勝利を40とし、マーク・マーティンと並ぶ。マーティンのような<無冠の帝王>にはなって欲しくないが、今シーズンは、最後のチャンスになるかもしれない。エリオット、ブレイニー、レディック、アルミローラ、カイル、ディロン、ベル、バイロン、ケセロウスキーのトップ10。
11位ボウヤー、12位トゥレックス、14位ディベネデット、16位ジョンソン、17位カート、18位ボウマン、21位ジョーンズ、26位ハーヴィック、27位ロガーノとなっている。バーンアウトをし、チェッカーフラッグを受け取り、インタヴューの最後にはおどけたポーズをしたハムリン。まだまだ現役第一線は譲らないようだ。