ボウヤー、191戦ぶりの通算9勝目!(NASCAR第6戦:マーティンズビル) | 日日不穏日記・アメブロ版

日日不穏日記・アメブロ版

gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 NASCAR第6戦:マーティンズビルは、雪による順延で1993年3月のアトランタ以来の順延となった。トラックシリーズとの同日開催となり、天気は快晴。バージニア州マーティンズビルにあるマーティンズビル・スピードウェイはキレイに除雪され、コンディションも良好。

 ただ、除雪された雪は山積みとなり、レースのリポーターの背後に映っており、その高さに驚かされる。積雪は15センチほどであったという。

 ちなみに1993年の優勝者は、現在もエクスフィニティシリーズに参戦を続けているモーガン・シェファード(1941~)で、キャリア最後の4勝目。テレビでは、2006年のブッシュ・シリーズ(当時)が雪で順延した際に優勝したカート・ブッシュが紹介されていたが。

 この雪は、レース関係者の息抜きにもなったようで、家族サービスに興じるケビン・ハーヴィックのクルーチーフ:ロドニー・チルダースのツイートなども紹介されていた。

 マーティンズビル・スピードウェイは、カップ戦最小の0.526マイル(847m)で、それを500LAPの3ステージ制(130+130+240)で戦い、ターン12度、ストレート0度。

 ピっとスピードは30マイル、フューエルウィンドウは150~160LAP。グリップレベルは3。数字上では、ステージ①②は走り切れる計算になるが、解説の福山さんによれば、過去1回のコーションというレースはあったものの、最多は21回。

 フラットなトラックでタイヤに厳しく、ぶつかってナンボのショートトラックで、ノーコーションで走り切れる可能性はかなり低い。

 プラクティス後の土曜日の予選は雨で中止となり、グリッドはオーナポイント順で、PPのマーティン・トゥレックス・ジュニアとカイル・ブッシュのフロントロー。50LAP終了後にコンペティションコーションが入ることになっている。

 リッキー・ステンハウス・ジュニアは、プラクティスでのクラッシュでバックアップカー、グレイ・ガウルディングは、インスペクション、マイケル・マクドゥエルは、アジャストメントでリアに下がるとのこと。

 FOXの予想コンピューター:バーニーは、カイル、トゥレックス、ブラッド・ケセロウスキー、ハーヴィック、ジョーイ・ロガーノの順を解析。さぁ、本番はどうか?



 マーティンズビルの現役最多勝はジミー・ジョンソンの9勝。デニー・ハムリンが5勝と続き、カイルとカートが2勝づつだが、今シーズンのモーメンタムでは、カイルが群を抜く。歴代最多勝は、リチャード・ペティの15勝という途方もないものだが。

 インライン絶対有利のマーティンズビルだが、トゥレックスはアウトスタートでトップを守る・・・が、5LAPにカイルが早くもインからトゥレックスをパス。9LAPにハムリンがロガーノを捉え、3位。19LAPには、トゥレックスをパスして、JGRの1-2。

 27LAP、ハムリンはインからカイルを抜き去り、遂にトップに立つ。エリオットとのアクシデントで、<地元ヒール>として覚醒したハムリン。そのまま一気に優位に立つか?

 34LAP、トゥレックスは、ロガーノに続きケセロウスキーにもパスされ、5位までドロップ。47LAPにケセロウスキーがロガーノも捉えて3位に。ハムリンとカイルの2台を追撃態勢。そのまま、50LAPを終了し、コンペティションコーション。

 カイルは、ピットアウト時にピットに入ってきたコール・ウイットと接触しそうになり、出てきたウイットのジャッキマンを跳ねそうに。ジャッキマンは危うくかわす。

 一方、ハーヴィックはチームメイトのエリック・アルミローラとコンタクトし、ダメージはあるが、低速トラックであることが幸いし、大きな問題とはならなかったのは不幸中の幸いだ。

 ダレル・ウォレス・ジュニア、ジェイミー・マクマーレイ、アルミローラがピットロードのスペードペナルティを受けている。ハムリン、カイル、ライアン・ブレイニー、ケセロウスキー、トゥレックスの順で57LAPにリスタート。

 ウォレスは、JJ・イエリーとヒットし、右フロントがフラットタイヤになり、ピットイン。ウォレスは、14LAPダウンの34位に終わってしまう。前にも書いたが、キャラクターは買っているし、昨シーズンは良い走りしていただけに、この状況が続くと、デイトナ500の一発屋で終わってしまうと危惧。

 73LAP、ハムリンがカイルに0.65秒のリード。87LAP、ケセロウスキーがカイルをパスし、2位となり、JGRの1-2が遂に崩れる。91LAPにブレイニーも続き、3位に。





 95LAP、クリント・ボウヤーがトゥレックスを捉え5位。98LAP、ハーヴィックもトゥレックスをパスして6位に。100LAPの時点で、ハムリンが、リードラップ72で断トツ。カイルが23、トゥレックスが4。ここまではトヨタ勢がドミネイトしているように見える。

 120LAP、ラップダウンのクリス・ブッシャーに阻まれたハムリンにケセロウスキーが仕掛けるが、ハムリンはしのぐ。124LAP、ロガーノがトゥレックスをパスし、9位。ジョンソンが迫り、126LAP、トゥレックスはジョンソンに譲る形でトップ10から脱落。

 そのままファイナルラップに。ハムリンがステージ1を制し、ケセロウスキー、ブレイニー、カイル、ボウヤー、ハーヴィック、AJ・アルメンディンガー、カート、ロガーノ、ジョンソンのトップ10。

 ファイナルラップにラップダウンとなったマクマーレイがフリーパス。ステージ間コーションで各マシンがピットイン。

 ブレイニー、ハムリン、ケセロウスキー、カイル、ボウヤーのトップ5で、13(143)LAPリスタート。アウトからハムリンがトップに。インライン一択だが、リスタートは、アウトの方が良いのか?

 ケイシー・ケイン、オースティン・ディロンがスピードオーバー、ウォレス、クリス・ブッシャーはピットのクルーが人数オーバーでペナルティ。マシンにダメージを負っていれば、ペナルティ覚悟の確信犯でクルーを余計に出したのではないか、と福山さんは言うが、リアに下がってもいいと腹をくくったと言うなら納得出来る。

 17(147)LAPにブレイニーがインからハムリンをパスしてトップに立つ。29(159)LAP、ケセロウスキーも続き、2位に。ブレイニーのリードは1.59秒になっている。23

 30(160)LAP、カイルもハムリンをパスし、3位。31(161)LAP、ボウヤーも続き、ハムリンは順位を下げてゆく。ボウヤーがクローズアップされ、以下、そのインタヴュー。

 「自分はナスカードライバーだよ。夢が叶ったね。小さいころからの夢だったんだ。ロトに勝つような夢だったけどね。毎日努力を重ねて、この素晴らしい世界の一部になれたのさ」

 9位バトルで、アルメンディンガーがトゥレックスを強くタップ、トゥレックスはアウトに大きく膨らみ、交代。アルメンディンガーは無線で、「ちょっとタップしすぎたかもしれない。マシンは大丈夫だ」。



 ドアティ・レーシングのアルメンディンガーにとって、チャンスは、プレートレース、ロードレース、低速ショートトラックのマーティンズビルくらいしか上位入賞のチャンスはない。多少強引でもバトルを仕掛けてゆくしかないのだろう。

 65(195)LAP、ボウヤーはケセロウスキーをパスし、2位に。80(210)LAP、ジョンソンがトゥレックスをパスして10位に。18年間サポートしてきたロウズが撤退するというニュースがここで話題に。

 シーズンを通してのサポートするのはロウズだけだったと言い、一時は、シャーロットのネーミングライツを取得し、ロウズ・モータースピードウェイだった時代もあったとか(1998~2009)。

 チップ・ガナッシから、ターゲットが今季から撤退することを含め、NASCARには、参戦台数が減っていることを含め、ネガティブな話題が多い。

 85(215)LAP、カイルがケセロウスキーをパスし、3位に浮上。90(220)LAP、ブレイニーのトップが続き、ボウヤーは0.77秒、カイルが3.29秒、ケセロウスキーは4.31秒、ハムリンが5.34秒差。

 107(237)LAP、ボウヤーが0.33秒差に迫る。カイル、ケセロウスキー、ハムリンが続くが、13位のトゥレックスは、「タイヤがそろそろ厳しい」と無線で伝えるが、ステージ2は、ノーコーション。

 111(241)LAP、ブレイニーとラップダウンのスアレスがコンタクト。スアレスはウォールにコンタクトするが、後ろにボウヤーが迫り、ブレイニーもピリピリしているか?残り10LAPを切り、ケセロウスキーとハムリンの4位、ジョンソンとポール・メナードの10位争いが映し出される。

 ファイナルラップに。ブレイニー、ボウヤー、カイル、ケセロウスキー、ハムリン、ハーヴィック、カート、アルメンディンガー、ロガーノ、ジョンソンのトップ10。ノーコーションでステージ2終了。16位のチェイス・エリオットがフリーパス。

 リードラップカーがピットイン。ブレイニー、カイル、ボウヤー、ケセロウスキー、ハーヴィック、ロガーノの順でピットアウト。

 272LAPリスタート。アウトスタートのブレイニーが先行。カイル、ボウヤーが続く。275LAP、アウト側で出遅れたケセロウスキーにロガーノがポジションを譲り、何とか6位で踏みとどまる。



 276LAP、マット・ディベネデットの左フロントから白煙。ピットイン。福山さんによれば、1マイル以下のオーバルではインナータイヤがないそうだ。

 ボウヤーだが、ピットイン時に3ガロン(約11ℓほど)ショートとの情報が。ステージ2のようなノーコーションが続くと、ボウヤーは厳しくなる。285LAP、ボウヤーがブレイニーをパス、遂にトップへ。

 289LAP、カイル、ハムリンもブレイニーを捉え、2-3。292LAP、ハーヴィックがブレイニーをパスして4位に。アルメンディンガーがケセロウスキーを抜いて7位、294LAP、ジョンソンがロガーノをパスして9位。クローザーなるか?

 299LAP、トゥレックスがロガーノを抜いてトップ10に顔を出す。351LAP、ボウヤーのトップが続き、カイルが1.18秒、ブレイニーは6.17秒、ハムリンが6.38秒、ハーヴィックは6.48秒となっている。

 ボウヤーVSカイルの一騎打ちの様相となり、一度下がったブレイニーが3位に順位を戻し、グリーンランが続いている。

 354LAP、アルメンディンガーがハーヴィックを捉え、5位となるが、ハーヴィックは抜き返す。372LAP、カイルとボウヤーの差は0.50秒差に縮まり、380LAP、トゥレックスがハムリンをパスし、5位に。一度順位を下げたトゥレックスだが盛り返してきた。

 「ボウヤーは(燃料が)入り切れなかったというニュースがあったのでちょっと」「15%くらい足りないのですからね、他の満タンに入っている人よりね」「前回ピットから、もうすぐ120周というところに来て・・・おーっと1号車のジェイミー・マクマーレイがクラッシュしている。チップ・ガナッシレーシング」「現地も言ってますけど、クリント・ボウヤー助かったねって言ってますね」

 384LAP、ディロンが右フロントが壊れ、マクマーレイにヒット!これが4回目のコーション。実況でも言っていたが、マクマーレイはいた場所が不運だったか。これはもう、全車が当然、ピットイン。

 ボウヤー、カイル、ブレイニー、トゥレックス、ハーヴィックのトップ5で、392LAPリスタート。アウトからボウヤーがリード。カートについて、“カムバック”という表現が使われたように、一度はスチュワート・ハースから離脱。28

 チームのスポンサーで走っていて、持ち込みで移籍してきたエリック・アルミローラと比べると立場は不安定。このまま結果を出すことが出来ないと、来シーズンの立場も危うい。



 福山さんは、「F1調子いいんで(開幕戦:オーストラリアGPで、予選6、7位/決勝はリタイア)、うかうかしていられない」と解説していたが、まさにそれ。

 399LAP、ブレイニーがトゥレックスをパスして3位。418LAP、ボウヤーとカイルの差が0.81秒、ブレイニーは2.07秒、トゥレックスが2.52秒、ハーヴィックは3.17秒差となっている。

 455LAP、ボウヤーとカイルは1.01秒に広がり、ブレイニー、トゥレックス、ハーヴィックが追うが順位は変わらない。482LAP、アレックス・ボウマンがケセロウスキーをパスし、7位に。ヘンドリック勢では唯一の上位を走っている。

 489LAP、ケセロウスキーは、アルメンディンガーにもパスされ、8位にドロップ。492LAP、マクマーレイが白煙を上げ、ピットイン。フェンダーがタイヤに干渉しているらしい。

 495LAP、ハリソン・ローズがピットに向かうが、コーションは出ず。「苦労人クリント・ボウヤーに対するNASCARの配慮なのか、コーションが出ません」・・・いやいや、そんなことはないだろう。

 499LAP、ケセロウスキーは、エリオットにもパスされて、10位に転落。トップ10にはいるものの、ペンスキー3台の中で最下位に甘んじている。

 ファイナルラップ。そのままボウヤーが逃げ切り、カイル、ブレイニー、トゥレックス、ハーヴィック、ロガーノ、ボウマン、アルメンディンガー、エリオット、ケセロウスキーのトップ10。

 チェッカーを受け、すぐにバーンアウト。「はしゃぎすぎて、スピンしたのかと思いましたが、バーンアウトでした」・・・おい。

 ボンネットを叩いて喜びを表現。マシンの上に立ち、クルーにダイブして、ガッツポーズ。フラッグを受け取る。2012年10月のシャーロット以来、191戦ぶりの勝利で通算9勝目。

 僕は、2013年シーズンからNASCAR観戦を始めたから、ボウヤーの優勝は1度も観ていない。2012年はボウヤーのキャリア最上位のランキング2位で3勝(ソノマ、リッチモンド、シャーロット)。

 2013年も快調で、ジョンソンに次ぐランキング2位を快走してものの、優勝は出来ず。26戦のリッチモンドでの“疑惑のスピン”で、トゥレックスがシートを失い、ファニチャーロウに移籍。

 ボウヤーは、2016年のハリースコット・レーシングで、トゥレックスは2014年に冷や飯を食べたものの、ボウヤーもようやく6年ぶりの優勝を成し遂げた。



 11位カート、12位ハムリン、14位アルミローラ、15位ジョンソン、16位ラーソン、17位エリック・ジョーンズ、ダニエル・スアレスは、18位に終わっている。

 ビクトリレーンでのインタヴュー。「(2012年の勝利以降、2位は6度しかありませんでした。今の気持ちを聞かせてください)」「ここでは何度も惜しいレースがあったし、トロフィーの時計がすごく欲しかったんだ。ブライアン・パティと共に臨んだ2012年のここのレースもすごく惜しかった」

 「マイク・バカラビッチを始め、チームのみんなのおかげさ。去年一年間で十分学べたからね。去年の後半はハービックが強さを見せたが、自分達にとっては、しっかり学ぶ一年だった」

 「機が熟したんだ。どういうわけか今日はうまく乗れていると感じられた。この片田舎にある2車線のトラックでうまく乗れるのは最高の気分なんだ。今朝、息子のキャッシュに話していたんだ」

 「“一緒にビクトリレーンに行こう”ってね。彼が欲しがっていたチェッカーフラッグも手に入れたよ。ジーン・ハースとトニー・スチュアートが自分みたいなベテランに新たなチャンスをくれた。ラッシュトラックセンターのチェアマン、ラスティ・ラッシュにも感謝している」

 「彼にも今日ここにいて欲しかったよ。キャッシュは、チェッカーフラッグを誇りに思っているようだね。チーム全員が頑張ってくれた。ハービックが3連勝し、やっと自分もビクトリーレーンに立てた。長い間勝てなかったけど肩の荷が下りた」

 「また勝てるのか自問自答始めたところだったんだ。本当に意味ある勝利になったよ」「(キャッシュ君は初めてのビクトリーレーンです。ここで勝って時計を手に入れるには特別な走りが要求されると以前言っていましたね)」

 「ここは走れば走るほど好きになるトラックなんだ。自分がここで初めて走った時は水を得られないアヒルのようだった。そこからジョンソンやジェフ・ゴードンから学んでいったのさ。大変な時もあったが、何年も学び続けてやっとビクトリーレーンに立てた」

 「チャンピオン候補のカイル・ブッシュを抑え切れたなんてね。後ろから来ているのが見えていたので神経を使ったよ。信じられないような勝利になったよ。スポンサーのデモデイのスタッフには、いい結果を出すから」身に来てくれといっていたんだ。モービル1の技術も素晴らしかった。SHRの4台全てがいい走りだったね。チームにとって素晴らしい週末になったよ」

 スチュワート・ハースは、6戦中4勝。カイルは4戦連続でトップ3でポイントリーダーとなった。問題は、シボレーだ。特にヘンドリックの不調が目立つ。必ず盛り返してくるとは思うが、それがいつになるか。

 そして、2013年のタラデガ以来、勝利のないマクマーレイの復活を期待したい。ガナッシ9年目、6月3日には42歳となる大ベテラン。去年にニューマン、そしてボウヤーと勝利から離れていたベテランが勝利を上げた。世代交代が進む中、ここで勝たないとそろそろ後がない。