エリオ、抜群の勝負強さで3年ぶりの勝利を掴む(インディカー第11戦:アイオワ) | 日日不穏日記・アメブロ版

日日不穏日記・アメブロ版

gooで公開している同名のブログ(主に身辺雑記)とは別にモータースポーツに特化して立ち上げたブログ。現在はNASCAR推し。YouTubeで全36戦を追いかけます。オフシーズンは、他のモータースポーツの記事も書きます。

 インディカーシリーズ第11戦アイオワは、アイオワ州アイオワスピードウェイで開催されるアイオワ300。

 

 2007年から始まったアイオワ300は過去10回のレースでアンドレッティが圧倒的に強く7勝。PPはチームペンスキーのウィル・パワーがチームとして3年連続で獲得したが、ペンスキーとしては未勝利。

 

 去年、圧倒的にレースをドミネイトしたジョセフ・ニューガーデンは、16位、2012、14、15年と3度優勝しているライアン・ハンターレイは、15位。

 

 ポイントリーダーのスコット・ディクソンは17位と共に予選は低迷。ショートオーバルに勝機はないと断言していた佐藤琢磨は、ホンダ勢トップの5位と大健闘。

 

 予選は、パワー、JR・ヒルデブランド、エリオ・カストロネベス、エド・カーペンター、佐藤琢磨のトップ5。

 

 0.894マイル(1.4キロ)を300LAP、432キロのレース。ターンは、12~14度、ピットウィンドウは73LAP。1LAPを約17秒で走り抜けるシリーズ最短のトラックでもある。

 

 インディ500、ロングビーチ、ロードアメリカと併せ、インディカーシリーズの中でも観客席が埋まってる印象が強い。キャパシティが3万人と小さいのだが。

 

 レースは、パワーが先行。エリオ、カーペンター、ヒルデブランド、琢磨と続く。8LAP、カナーンが一気に順位を下げ、トップ10圏外に。

 

 15LAP、マルコ・アンドレッティが早くもラップダウンに。21LAP、バックマーカーに苦戦するパワーをエリオがパスして、リードチェンジ。一方、5位にいた琢磨が8位に順位を下げている。

 

 トップ3は変わらないが、ミカエル・アレシン、グラハム・レイホールが4、5位に。ヒルデブランド6位、ライアン・ハンターレイが8位、琢磨は10位、ディクソン11位、ディクソン12位と続く。

 

 43LAP、アレシンがカーペンターをパスし、3位に。46LAPにレイホールがアレシンをパス。そして、57LAP、4位走行中のアレシンがスピン、ウォールにクラッシュし、初のイエロー。

 

 リードラップカーがピットへ向かう。エリオ、パワー、レイホール、カーペンター、ヒルデブランドのトップ5、琢磨は8位となっている。

 

 68LAPにリスタート。73LAP、レイホールがカーペンターに次いでヒルデブランドにもパスされ、5位に順位を下げたが、89LAP、レイホールがインからカーペンターをパスし、4位に順位を戻す。

 

 ヒルデブランドは3位でペンスキーの2台を追っていたが、92LAPにパワーを、97LAPにエリオを捉え、トップに立つ。

 

 同LAP、ハンターレイがカーペンターをパスして5位に。セカンドスティントの後半から、カーペンターの失速が始まり、順位を次々と上げてゆく。

 

 

 

 

 104LAP、パワーがエリオをパスして、2位となる。トップはヒルデブランドで、パワーは2.625秒差、エリオが3.228秒、レイホールは3.613秒、ハンターレイが4.171秒。

 

 琢磨はディクソン、カナーンにパスされ、12位までドロップ。115LAP、カナーンがディクソンをパスし、10位に。129LAP、17位まで落ちた琢磨がピットイン。

 

 132LAP、カルロス・ムニョスがウォールにクラッシュ!2回目のイエローとなる。リードラップカーがピットイン。エリオ、ヒルデブランド、パワー、ハンターレイ、レイホールの順でトラックに戻る。

 

 ピットのタイミングが悪く、2LAPダウンとなった琢磨は、ここでステイアウトし、1LAPダウンの18位に戻している。

 

 143LAPにリスタート。エリオがトップを守り、パワーがアウトからヒルデブランドを抜き去る。171LAP、琢磨がトップのエリオに迫られ、2LAPダウンになる直前に、コナー・デイリーがウォールにヒット。

 

 3回目のイエローに救われた形になった琢磨だが、ムニョスもデイリーも同じようなコースアウトだったのは気になる。

 

 エリオ、パワー、ハンターレイ、ヒルデブランド、レイホールのトップ5だが、ヒルデブランドとしては、ピットストップでペンスキー勢に前に行かれた上に、さらにハンターレイというニューカマーが。

 

 その上、チャーリー・キンボールがステイアウトし、4台がヒルデブランドの前に。そして琢磨はキンボールのおかげでラップバック出来ず。

 

 コーションラップ中に琢磨はピットイン。183LAP、リスタート。キンボールはポジションキープが出来ず、エリオ、パワーに瞬く間にパスされてしまい、10位前後にまで順位を下げる。

 

 188LAP、カナーン、ヒンチクリフ、キンボールが3ワイドに。ヒンチクリフが前に出たが、村田アナが「アイオワで3ワイドなんてどうかしてる!」と絶叫し、「確かにどうかしてますわ」と解説の武藤さんが返す。・・・ 瞬間的なものではあったが、冷や汗が出る。

 

 エリオ、パワー、ハンターレイ、レイホール、ヒルデブランドのトップ勢が争う中、197LAP、4回目のイエロー。「モイスチャー、お湿りが来た」。

 

 青空は広がっているから、霧雨みたいなものだろうか。イエローラップ中に、ディクソン、ニューガーデン、パジェノーがピットイン。

 

 が、天候は回復の気配を見せず、レッドフラッグに。全マシンがピットロードに入り、待機。10分ほどで、レッドフラッグが解除され、イエローラップが再開となる。

 

 211LAPにリスタート。エリオのトップは変わらないが、219LAPにニュータイヤのニューガーデンがヒンチクリフをパス、6位に。

 

 

 

 

 230LAPを超えれば、フューエル的には大丈夫だが、トップグループは、引っ張るだけ引っ張る。イエローが怖いこともあり、各チームは腹の探り合い。

 

 237LAP、ヒルデブランドがレイホールをパスするが、240LAPに抜き返し、4位を奪還。

 

 244LAP時点で、エリオがパワーに3.018秒差。ハンターレイは3.558秒、レイホールが4.004秒、ヒルデブランドは4.426秒となっている。

 

 最初に動いたのは、ヒルデブランドだった。247LAPに6.5秒でピットアウト。254LAPにエリオ、ハンターレイが。257LAPにレイホール、258LAPでパワーが入っている。

 

 マルコ、キンボールはまだ入っていないが、ピット勢でトップなのは3位のヒルデブランド。アンダーカットが成功した形。が、264LAPにエリオが迫り、268LAPにエリオがパス。

 

 274LAP、エリオがトップ。ヒルデブランドが1.378秒、ハンターレイは4.012秒、パワーが4.781秒、レイホールは5.883秒差だが、エリオの方がニュータイヤ。ヒルデブランドとの差をじわじわと広げてゆく。

 

 2LAPダウンの17位だった琢磨だったが、マルコがピットに入ったことで、16位に1ポジションアップ。

 

 292LAP、エリオとヒルデブランドは3.382秒。終盤は、ラップダウン車に苦しんだこともあり、エリオは、そのまま逃げ切り、今季9人目のウイナー。

 

 ヒルデブランド、ハンターレイ、パワー、レイホール、ニューガーデン、パジェノー、ディクソン、カナーン、ヒンチクリフのトップ10。

 

 42歳のエリオにスパイダーマンムーブが出来るか心配する声?(武藤)もあったが、その懸念を払拭。いつも通りのムーブをして、ビクトリーレーンに行く前に、その場でインタヴュー。

 

 現地の時間がおしていて、待てなかったらしい。ビクトリーレーンでは、 シャンパンファイトではなくピザを食べるパフォーマンス。こういうのは初めて見た。

 

 エリオは、2014年の第7戦:デトロイトレース2以来、3年ぶりの通算30勝目(CARTの6勝を含む)、ポイントランキングトップのディクソンの403ポイントに8ポイント差に迫り、パジェノー、パワー、ニューガーデンの4人のペンスキーが追う形。

 

 琢磨はレイホールと並ぶ66ポイント差の6位だが、実質的には、2勝しているレイホールが上回っている。

 

 次戦は、2年連続で5位フィニッシュしているトロント。琢磨としても、ポコノと並び戦えるサーキットとして挙げていただけに、ここはタイトルを争う有力な場所。巻き返し出来るか、要注目だ。