残り3周、ベルガー無念のエンジンブロー(1996年、ドイツGP) | 日日不穏日記・アメブロ版

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 1996年は、ウィリアムズ・ルノー復活の年だった。2年連続王者のシューマッハは、ベネトンを去り、名門復活に請われてフェラーリに移籍。3度目の正直でタイトルにチャレンジするデイモン・ヒルがポイントをリードし、新加入した“超新星”ジャック・ヴィルヌーブが追う展開。

 シューマッハ無き後のベネトンには、二転三転の末、フェラーリのチームメイトであるアレジとベルガーが座るがウィリアムズと正面から戦える状況には至らず、優勝は、10戦消化して未だになし。

 優勝は、ヒルが6勝、ヴィルヌーブ2勝、シューマッハ、パニス1勝と分け合っていた。

 が、11戦目のホッケンハイムでは状況が一転、予選をずっとシューマッハがリード。タイムアタックするアレジ、ハッキネン、ヒル、ベルガーが上回れない。地元の英雄のPP獲得かと大歓声の中、シューマッハは、観客に手を振ってピットロードに入る。

 しかし、結局大逆転でヒルがPPを獲得。さらにベルガーまでがシューマッハのタイムを上回り、ベネトンに今季初のフロントローをもたらす。

 ウィリアムズが最も警戒していたベネトンの“躍進”。その危惧は、レースで現実のものとなる。スタートで、ベルガーがヒルをかわしてトップになっただけでなく、5位スタートのアレジにまで、先に行かれ、よもやのベネトン1-2。



 ヒルは3位を走行。4位のシューマッハ以下は、セカンドグループを形成し、優勝争いは、早くも、この3台に絞られる。

 僅差の争いは、20周目にヒルがピットイン、22周目にアレジ、23周目にベルガーが入る。ベネトンは1ストップ作戦を選択、ヒルは残り10周までベルガーに16秒近いマージンを築いていたものの、ピットストップで再逆転。

 残り9周から、息もつかせぬ両者のバトルが展開される。1秒以内のテール・ツー・ノーズ。タイヤにハンデのあるベルガーはシケインで滑りまくるものの、ラインは譲らず、同じルノーエンジン同士、ヒルはどうしても抜くことが出来ない。

 決着がついたのは、ラスト3周。第一シケインを立ち上がり、長いストレートに出たところでベルガーはエンジンブロー。十中八九手中にしていた勝利が逃げて行った・・・。

 2位にはアレジが入るが、ベネトンで組んだ2年間、2人が一緒に表彰台に上ったことは一度もなく、フェラーリでの3年間を加えても1度しかない。両者の仲は基本的には良かったと言われるが、表彰台での“縁”はとことんなかったようである。