タイトル争いは、完全にセナとプロストの2人に絞られた。PPは“指定席”のセナ、2位はプロスト。ベルガー、マンセルとマクラーレン、フェラーリが2列目までを占める。
決勝は、デレック・ワーウィックの大クラッシュで再スタートとなる。セナが順調にトップを周回。2位にベルガー、3位プロストが続くが、20周目にプロストがベルガーをパス。セナの追撃態勢に入る。緊迫した戦いは、そのままセナがプロストを抑え、シーズン6勝目。
決勝も4位までは、予選と全く同じ順位でマクラーレン、フェラーリ勢で独占。
レース後、フランス人プレスの仲介でセナ・プロ両者の“和解”の場が<演出>された。プロストがセナに握手を求め、セナもこれに応じる。タイトル争いは、セナ優位にかなり傾いていたし(当時は11戦の有効ポイント制とは言え16ポイント差)、プロストも、こんな状況で、これ以上、不毛なやり取りをしたくはなかったのかもしれない。
この“和解”も一カ月後の<復讐の鈴鹿>で反故にされることになるが、その前のポルトガルで、プロストに、チームメイトと言う<もう一人の敵>が襲いかかる。