桜蘂降る

 (さくらしべふる)









晩春の季語


雅印は朱文を合わせてみた。

この四文字の中で

いちばん難しかったのは

「る」



桜は蕾が色づき始める頃から

少しずつ花が開き

満開になり

花びらがひらひら舞って散り

川面には花筏

風に乗り花吹雪

などなど

その移り変わる姿に

楽しませてもらう。

そして散り終わった後の蘂さえも

愛でる。

自然の移り変わりは儚く

日本語は深く美しい。