2024年11月

兼題:おでん  当季雑詠
出題者:碧水



大根、ちくわ、はんぺん、玉子、こんにゃくなどを出汁で煮こんだおでんは冬の季語。
当会の兼題では2度目の登場で前回は2016年12月164回でした。
あるデーターによると最低気温が18度を下回るとおでんが本格的に売れるようになるそうです。
おでん、おでん屋、関東だき、おでん酒。

石の会風おでん鍋ができました。ご賞味くださいませ。
今月は泰山宗匠お休みです。

おでん屋の列に並びぬ鍋持って  ゆめ
今もこういう光景がありや?
まさに昭和時代
*「三丁目の夕日」が浮かびます。豆腐あるある、おでんもあるある。

おでん好き先ずはちくわぶ次玉子  ゆめ
この順番に異議あり
私ははんぺんだね
*某コンビニのおでんの具ランキング1位大根、2位たまご、3位しらたき、
石の会のランキングでは大根とはんぺんが上位に並びそうです。

薄灯りおでんの暖簾風に揺れ  素頓
場末感満載
寒風が吹きます
*薄灯りで暖簾が風に揺れる、寂し気で怪しげな佇まいである。店主は狐だったりして。

跡継ぎの娘のおでん味浅し  素頓
煮込みが足りず
とは云え70歳とのこと(鳥閑さま コメント賞)
*2日目、3日目の味を楽しみに明日も明後日も起こしください。

言ひにくきこと今夜こそおでん酒  鳥閑
「あの~愛しています・・・」(一兎さま コメント大賞)
「お別れしましょう」とか
*酒の力を借りても「愛しています」は言わず仕舞い。
共感を覚える人多く◎1〇2の最高得点句。

初時雨茶屋の灯揺るる疎水かな  鳥閑
どこの疎水ですか
京都で一献ですか、優雅に
*場所は祇園の白川疎水。祇園のお茶屋さん、優雅どすなぁ~

平凡な人生がよしおでん食む  摩天
良くかみしめます
ついに諦めましたか
*酒の肴になる波乱万丈な人生話。

山茶花の紅に染まりし狭庭かな  摩天
色が出ました
何となく淡い色を想像してしまうが・・・
*紅に染まった庭、狭庭というより驚(く)庭ですね。



お多幸より我が家と世辞るおでんかな  一兎
ほめるが一番
よくわかる。「世辞る」という動詞にはやや抵抗があるが・・
*お世辞ではない!おでん鍋銀座お多幸より我が家。

一時出所103歳のおでん鍋  一兎
なるほど出所か・・・
一時退院ですね
*「出所」とジョーク交じりの上五、、そして103歳で作者バレバレ。
103歳の母上におでん振る舞い親孝行。

関東炊き繁盛に言ふぼちぼちや  碧水
ごてごて煮過ぎたか
中七が説明的かな?オヤジ一言ボチボチや
*関西ではおでんのことを「関東煮、関東炊き」。
中七を変えて「関東炊きオヤジ一言ボチボチや」。

耳打ちに頷きながらおでん酒  碧水
良からぬ話
今度一緒に闇バイトやろう
*耳打ちの定番、悪代官と越後屋の悪だくみ。

食卓に鍋ごと運ぶおでん鍋  鈴蘭
卓上コンロが欲しい
でんとすわる(素頓さま コメント賞)
*おデンがデンとすわる!
下五のおでん鍋をおでんかなにして「食卓に鍋ごと運ぶおでんかな」

鳴兎一眼レフで捕らえけり  鈴蘭
鉄砲で撃って捕らえるなんて野暮ね
お見事!
*写真は「撮る」ですが 敢えて「捕る」に。

▲コメント賞追加
与野党の攻め合いつるべ落としかな  一兎
八十や釣瓶落しの離婚沙汰(素頓さま)

また一献MVPのおでん酒  摩天
ユウショーで一献、ジュショーで一献のショータイム(鈴蘭)

▲石の会おでん三日論
妻旅に今日から三日おでんなり  摩天
おでん煮れば三日はもちぬひとり居は  ゆめ