2020年 10月

兼 題 「月」 「当季雑詠」
出題者 泰山

  

10月1日は十五夜でした。あいにく北海道は曇り空でお月さまは雲に隠れていましたが、
他のところにお住いの皆さんはきれいなお月さまを見られたことでしょう。
兼題は「月」、天体の月に限らず月払い、月末などの月でもよいとのこと。


それでは石の会のお月見を始めましょう~♪

月夜茸それ程恨みありません   泰山
「月夜茸殺人事件か」
月夜茸は猛毒です。人を殺すことも出来そうです。(コワッ!)

月読の読みは今年も豊の秋   泰山
「「ツクヨミノミコト」は豊穣の神でもあったか」
月読神、ですが、月読と使う句も多いようです。月山の主神だそうです。

月白く心に何か話しかけ   一桂
「悪魔のつぶやき」
「詩人の作者」
「儲ける話」
話しかけるのは、悪魔か、守銭奴か、詩人か?読み手の心根が問われます。

 

不揃いの団子供えて月を待つ   ゆめ
「所詮人間も団子」
「所詮人間も団子」の素頓さんに哲学賞

三日月や今にも涙零れそう   ゆめ
「何があったの?おねちゃんに言ってごらん」
「そうよね、満月だけがちゃやほやされて」
*零れそう(こぼれそう)

墓守を受けし次男や小望月   素頓
「長男だったら大満月」
「実家は弟にまかせ、長男は東京へ。そういう人多いです」

波頭金色に割れ秋惜しむ   素頓
「夏井先生もびっくりの表現力」
「金色に割れに○ 夕日による」

満月や眠れぬ夜の友となり   鳥閑
「不眠症とお付き合いのお月さま」
「お月様と寝た」

家並は墨絵のごとし月明り  鳥閑
「鼠小僧が大屋根を渡っています」
「はっきり見えます」



月餅がポツンと浮かぶ良夜かな   摩天
「東京土産は草月のどら焼き「黒松」が一番」
草月の黒松、鳥閑さん是非一度御相伴に預かりたく

健老の今日も早足秋高し   摩天
「羨ましい限りです」
「見習います」
背筋をピシッと伸ばして歩くお爺さん、それは私です、と言いたいところだが・・

庭の木を伐りし隣家に盆の月   一兎
「燐家の木、それとも自分の庭の木?」
伐りし隣家、なので隣家の木です。伐りて、ならば自宅の木かも。

名月や鏡の如き寺の屋根   一兎
「大伽藍の屋根の輝き。まぶしい」
◎を付けた一桂さんに作者は思わず「「一桂さん、好き!」とのコメント。
*大伽藍(だいがらん)



新米食む夫婦茶碗の月日かな  碧水
「別れても茶碗は使っている」
鳥閑さん、「別れても茶碗は使ってる」そんなコメント駄目で賞。

木の枝を分けて水面に月の影 碧水
「平凡ですが綺麗な句です。」
「なかなかの観察。手練れの一句」
◎1〇4の最高得点句。

片月見二十九日よ晴れとくれ   鈴蘭
「十五夜か十三夜月のどちらかだけを見るのは縁起が悪い? 知らんかった」
「今年の十五夜は珍しく晴れたので十三夜も期待」

スカイツリーのてっぺんの満月よ  鈴蘭
「実際に見ないと思いつかぬ句。7-5-5 が効果的」
実際に見なかったから、破調になったらしいよ



今回もオンライン句会になりました。
何度目になるのでしょう・・もう数えてられない

(夜明けの空がきれいだったのでパチリ。コロナの闇もそろそろ明けてほしいですね)