2020年2月
兼 題 「冴え返る」「当季雑詠」
出題者 鳥閑

「冴え返る」・・寒さがぶり返す意味で春の季語。暖かい日のあと寒さが戻ることで「寒戻る」「凍返る」ともいいます。
2003年3月に始まって今回が200回です。
2020年、令和2年、2月、200回と「2」が揃った句会です。
寒もどる試験航路の下の街 泰山
「飛行機落下よりも地価下落の方がまし」
*新空路は新宿上空、作者は新宿区にお住まいです。怖がっているのではなく楽しんでいる。
おほどかに雲流れをり寒返る 泰山
「「ゆったりと」「ゆるやかに」の意味かな?」
*季語は季語、関連なくともいい。でもこの句は響きあっています
草影の吸い付く道や冴え返る 素頓
「ごめんなさい、イメージ出来ません」
「影まで凍っているよう」
*イメージ出来ない関東の人。しばれる日をイメージする北海道の人。
灯の薄きベテルギウスや冴え返る 素頓
「上5に深い意味がありそうだが」
「800光年の彼方、大爆発があるとか」
*星の臨終。間近といっても明日かもしれず、1000年先かもしれないという話です。

冴返る眠れぬ夜の文庫本 鳥閑
「睡眠薬としては哲学書」
「目が冴えたのか」
*作者の意図は十分伝わっている。デパスは精神安定剤と知る
ほろ酔ひの締めの一杯根深汁 鳥閑
「しじみ汁の方が良いのでは」
*そう、蜆汁も春の季語でした。どちらが良いかは飲み比べてください。
弔問の去りて斎場冴返る 摩天
「弔問客、としても」
*「弔問」に「弔問客」の意味もあるが、意見を取り入れて「弔問客去りて斎場・・」に変更
黄昏の風の尖りて冴返る 摩天
「心も体も痛いです」
*夏井先生流に言えば「置きに来た」という厳しい評も。
「風の尖りて」が好評で◎3、〇2と点を集めて最高得点句。

車窓には千曲の棚田冴え返る 一兎
「新幹線からか、高速道路からか のんびり在来線が似合う」
「姨捨駅からの景色です、多分」
*千曲に棚田があるのだろうかとの疑問に、姨捨駅から見た、と作者。
病窓に朝の冨士が嶺(ね)冴え返る 一兎
「さあ、命を貰ったぞ、がんばろうぜ」
「入院中です、多分」
*一兎さんの「多分」は二句目。想像句なのでしょうね。多分
真夜中の地震速報冴え返る 碧水
「犬も流石に驚いていました。」
*「冴返る深夜の地震予知速報 摩天」と同意の句。
リズムのよい句の碧水さん、季語の位置が良い句の摩天さんでそれぞれ軍配。
水仙の一輪清き姿かな 碧水
「たけけくらべから」
「花言葉は「うぬぼれ、自己中心」「報われぬ恋」」
*碧水さんのさりげない引用。この句からは連想できない花言葉です。

どこまでも真青の空の冴え返る ゆめ
「放射冷却とか」
*ホトトギス好みの素直な句。破調のゆめさん、伝統派へ転身?
身の内に鬼住まわせて福は内 ゆめ
「鬼の住処は人の心の中ですものね。」
「石の会の節分会だ」
*俳句としても川柳としてもよし。「石の会・・」コメントはチクリときます。
冴え返る朝のスズメのよく喋る 鈴蘭
「冷たい朝の様子をうまく表している」
*可愛い句、という評価が多いが、◎を付けた摩天さん「それだけではない」と拘る!
冴え返る秒針の音ペンの音 鈴蘭
「締め切り近し」
*ペンの音がするのだろうかという疑問の声もあったが、好評でした。
中七、下五は畳みかけの効果。三段切れではありません。
☆2月4日から11日まで開催されていたさっぽろ雪まつり。
寒さが緩んだ某日、大通会場の4丁目と5丁目だけ見学してきました。

<<敬称略>>
兼 題 「冴え返る」「当季雑詠」
出題者 鳥閑

「冴え返る」・・寒さがぶり返す意味で春の季語。暖かい日のあと寒さが戻ることで「寒戻る」「凍返る」ともいいます。
2003年3月に始まって今回が200回です。
2020年、令和2年、2月、200回と「2」が揃った句会です。
寒もどる試験航路の下の街 泰山
「飛行機落下よりも地価下落の方がまし」
*新空路は新宿上空、作者は新宿区にお住まいです。怖がっているのではなく楽しんでいる。
おほどかに雲流れをり寒返る 泰山
「「ゆったりと」「ゆるやかに」の意味かな?」
*季語は季語、関連なくともいい。でもこの句は響きあっています
草影の吸い付く道や冴え返る 素頓
「ごめんなさい、イメージ出来ません」
「影まで凍っているよう」
*イメージ出来ない関東の人。しばれる日をイメージする北海道の人。
灯の薄きベテルギウスや冴え返る 素頓
「上5に深い意味がありそうだが」
「800光年の彼方、大爆発があるとか」
*星の臨終。間近といっても明日かもしれず、1000年先かもしれないという話です。

冴返る眠れぬ夜の文庫本 鳥閑
「睡眠薬としては哲学書」
「目が冴えたのか」
*作者の意図は十分伝わっている。デパスは精神安定剤と知る
ほろ酔ひの締めの一杯根深汁 鳥閑
「しじみ汁の方が良いのでは」
*そう、蜆汁も春の季語でした。どちらが良いかは飲み比べてください。
弔問の去りて斎場冴返る 摩天
「弔問客、としても」
*「弔問」に「弔問客」の意味もあるが、意見を取り入れて「弔問客去りて斎場・・」に変更
黄昏の風の尖りて冴返る 摩天
「心も体も痛いです」
*夏井先生流に言えば「置きに来た」という厳しい評も。
「風の尖りて」が好評で◎3、〇2と点を集めて最高得点句。

車窓には千曲の棚田冴え返る 一兎
「新幹線からか、高速道路からか のんびり在来線が似合う」
「姨捨駅からの景色です、多分」
*千曲に棚田があるのだろうかとの疑問に、姨捨駅から見た、と作者。
病窓に朝の冨士が嶺(ね)冴え返る 一兎
「さあ、命を貰ったぞ、がんばろうぜ」
「入院中です、多分」
*一兎さんの「多分」は二句目。想像句なのでしょうね。多分
真夜中の地震速報冴え返る 碧水
「犬も流石に驚いていました。」
*「冴返る深夜の地震予知速報 摩天」と同意の句。
リズムのよい句の碧水さん、季語の位置が良い句の摩天さんでそれぞれ軍配。
水仙の一輪清き姿かな 碧水
「たけけくらべから」
「花言葉は「うぬぼれ、自己中心」「報われぬ恋」」
*碧水さんのさりげない引用。この句からは連想できない花言葉です。

どこまでも真青の空の冴え返る ゆめ
「放射冷却とか」
*ホトトギス好みの素直な句。破調のゆめさん、伝統派へ転身?
身の内に鬼住まわせて福は内 ゆめ
「鬼の住処は人の心の中ですものね。」
「石の会の節分会だ」
*俳句としても川柳としてもよし。「石の会・・」コメントはチクリときます。
冴え返る朝のスズメのよく喋る 鈴蘭
「冷たい朝の様子をうまく表している」
*可愛い句、という評価が多いが、◎を付けた摩天さん「それだけではない」と拘る!
冴え返る秒針の音ペンの音 鈴蘭
「締め切り近し」
*ペンの音がするのだろうかという疑問の声もあったが、好評でした。
中七、下五は畳みかけの効果。三段切れではありません。
☆2月4日から11日まで開催されていたさっぽろ雪まつり。
寒さが緩んだ某日、大通会場の4丁目と5丁目だけ見学してきました。

<<敬称略>>