2020年1月

兼題 「狩」 「当季雑詠」
出題者 泰山

  
  (公園内ですが狩場に見せた勝負の画像。)

「狩」、難しい兼題です。傍題に「猟、狩猟、猟解禁、猟期、猪狩、鹿狩兎狩、熊狩、熊打、狩人、猟夫(さつを)猟銃、猟犬、狩座(かりくら)、狩の宿」
発想を広げて「狩勝峠、石狩鍋、狩野永徳など」

狩座や白神山地の山毛欅林 泰山
「読み方を、乞う御指導」
「狩座(かりくら)山毛欅(ブナ)利口になりました」
*「かりくら」「ぶな」に票が集まり最高得点句。これから難しい漢字が増えそう

人付き合い不協和音の去年今年 泰山
「まー、我がままに行きましょう」
「不協和音は生命の元です」
*C'est la vie.(セ・ラヴィ、セラビ これが人生、人生ってこんなもの)

狩の宿顔洗ひまずパン齧る 一桂
「狩の宿の朝食はパン?腹が減っては戦ができず」
「先ずは腹ごしらえ」
*飯派とパン派、顔洗う派と洗わぬ派、に分かれた

狩をした犬であったかスヌーピー 一桂
「スヌーピー、聞いた事あるが」
「ピーナツが好きだからまる」
*スヌーピーを知らない人一名。「ピーナッツ?なにそれ?」

飛び立つをまつ猟師犬身じろがず ゆめ
「緊迫感あふれる好句。「猟犬の身じろがず」としたほうが歯切れがいいかも」
「緊張で動けないのですね」
*「緊迫感」コメントの摩天は仲間意識の◎。そのコメントには賛同多し

老いし猟犬若き日を偲びおり ゆめ
「我々のことですね。若き日に猟犬であったかは別として」
「自分のことでしょうね」
*「忍びおり」に訂正された。老いし、を「おいしい」と誰か呟いた



待ちぼけて兎狩せし木の根っこ 素頓
「濡れ手に泡の兎狩り」
「守株待兎。せめて野良かせぎくらいは・・」
*中国の故事に乗せた句。

垂れ雲のかなたに透けし初御空 素頓
「お天気に恵まれたお正月でした。」
「初御空は晴天であってほしい」
*垂れ雲にやや違和感あり

閑静な街猪狩の大騒ぎ 鳥閑
「なんでも出てきます。猪も熊もハクビシンも蛇も」
「ニュースで見ました」
*「大騒ぎ」がまずい。代わりは?に「急に言われても・・・」

拝めども根付くことなき鳥総松(とぶさまつ) 鳥閑
「鳥総松(とぶさまつ) 始めて知りました」
「近年見かけません」
*この季語、なんとまあ・・・

猟師老ゆ一兎を追ひて一兎得ず 摩天
「引掛け臭い一句、獲物となりそう」
「一兎をかくも見事に表現した句を私は知らない」
*一兎絶賛の句。鳥閑は鋭い。素頓は、老人と海、を連想。そして最高得点句

猟銃を磨きつ見遣るサスペンス 摩天
「恐ろしい事。次はあなたが犯人です。」
「主人公になったつもりでテレビを撃たないでね」
*テレビの見過ぎ

雪しまき狩勝峠越えにけり 一兎
「狩に使い方が素晴らしい。雪しまきの意味が難解ですが。」
「風巻(しまき)、狩の使い方がユニーク」
*地名から鈴蘭の作と思ってを付けた向きもあった。望外の収穫は一桂さんに感謝。
一桂と鈴蘭のおかげ(?)で最高得点句

小覗きは鴨のお狩場浜離宮 一兎
「鴨でよかった」鳥閑
「女湯ではなかった」一兎
*鳥閑はホッとし、一兎は残念

つり橋へ伴の犬連れ老猟師 碧水
「こうなったらそろそろ引退でしょう。犬を頼りにおそるおそる」
「吊り橋ゆらゆら、犬も老いているのでしょうね。」
*春日八郎の歌を鳥閑熱唱。歌を知らない「もぐり石の会」もいた



剥製の鹿出迎える狩の宿 碧水
「ぎょっとする場面でもある」
「クマや狼よりはよいか」
*アクセントで「狩」か「借」か違ってくる

猟銃に倒れし獣牙悲し 鈴蘭
「大きなイノシシでした。合掌」
「でも油断していては危ないですよ」
*誰かが「牙ひかる」とつぶやいた

エプロンを外すことなし年用意 鈴蘭
「割烹着の方が俳味が出そう」
「フンドシを外すことなし冬巡業」
*割烹着が良いと男性、エプロンを譲らない女性

<<敬称略>>