2019年 12月
兼題:「隙間風」「当季雑詠」 出題者:ゆめ *敬称略

戸や障子の隙間から寒気のきびしい風が吹き込むことがある。
それが隙間風で、体にまともにあたる寒風とは違って首筋などにぞくっとした感じを与える。
(「今からはじめる人のための歳時記」より抜粋。)
隙間風まーるく円く犬眠る 泰山
「そうか、犬小屋の時代ではないのか」
「室内犬 隙間風を避けて猫でなく犬がまーるくなった」
◎3個に〇が2個で合計8点、最高得点句。
宗匠の俳句は「そうか、・・」と気づかされることが多い。
異人館ひま洩る風と風見鶏 泰山
「そうか、隙間風=ひま洩る風、か」
「101歳で亡くなりましたが」
政界の風見鶏と言われた中曽根元総理逝く。
わが部屋の刀のごとき隙間風 素頓
「切れ味鋭いということか」
「身を切られる」
刀から身を切る寒さを連想。
冬の海一直線の夕日影 素頓
「日影はいつも一直線だが・・・」
「なんの影でしょうか」
日本海側だと夕日の見える海多いです。太平洋岸ですと場所により見えるところもあり。
夕日は評判が良い。
熱弁の翁酒場の隙間風 鳥閑
「この老人きっと長生きします」
「困った老爺」
としよりだから黙って聞いてあげましょう。自慢話には辟易しますが。
見送りの待合室の隙間風 鳥閑
「無人駅の待合室。高倉健!」
「いろんな事が想像されます」
読手に句意をゆだねる句 コメントも色々な待合室が出てきた。
学寮は四人一部屋すきま風 摩天
「石の会の原点か?挨拶句に〇」
「四人なら隙間風も寒くない」
あれから56年経ちました。四人の間に隙間風は、本当にあった話。
トイレなし風呂なしすきま風はあり 摩天
「青春の砦でした。」
「神田川の世界だ」
手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫のときわ荘の話題で盛り上がる。

それで又飲み会なのよ隙間風 一兎
「呑むお金で隙間風を直しましょう。」
「隙間風を埋めるためか」
奥さんが言ってた。そこで隙間風が発生。
この軸は我が家の家宝隙間風 一兎
「家宝の掛け軸。残念ながら売って改築すべき時期かも」
「コソ泥に盗まれないようにね」
アンバランスが魅力の旧家。
築百年きしむ階段隙間風 碧水
「建て替えてマンションにしましょう」
「ごもっとも」
代官山から五分旧朝倉家住宅です。
本堂の灯り揺らせし隙間風 碧水
「火事にご用心」
「蝋燭の形をした電球でした」
改句 隙間風和尚の愛人揺らしけり !?
築三十年隙間風の思うまま ゆめ
「30年ですか?ちょっと早いのでは。建築費値切ったのでは。」
「百年に比べ、よっぽど安普請なんですね、「風のおもうまま」がいいね。」
「風のおもうまま」がいいねに評価高し。
隙間風ろうそくの灯を揺らしけり ゆめ
「どこのろうそくでしょうか」
「山小屋なのかしら」
作者も発想が平凡と。
隙間風ふすまに挟んだ新聞紙 鈴蘭
「体験談のようです。「ふすまに挟む」とも」
「丁寧に挟まないと益々隙間風が強くなりそう」
「ふすまに挟む」がよいとの評、隙間風がかえって入るとの意見多し。
隙間風家計簿付けて今日終う 鈴蘭
「堅実家庭に幸せあれ」
「えらい」
今日もお札が風に吹かれて 。「今日終ふ」もあり。

With Best Wishes for Christmas and a Happy New Year.