2019年10月
兼題:「飛蝗」「当季雑詠」  出題者:一桂    <敬称略>

   

飛蝗(ばった)・はたはた・きちきちばった・おんぶばった・こめつきばった・・・
ブログ用に飛蝗の画像を求めて2度3度公園へ出かけてみました。
簡単にバッタが見つかると思ったのに見つからない。
私の住む札幌では飛蝗の成虫の時期は7~9月でした。
どおりで見つからないはずです。
そうこうしているところに埼玉からお殿様が飛んできてくれました。
画像はトノサマバッタの褐色型。お殿様に助けてもらいました。

はたはたや陸軍跡地の風のみち   泰山
「まだ残って居るのか」
「陸軍跡地はどこですか。下五「風の道」がいいですね」
*新宿区大久保は旧陸軍の町、石垣が残っている。

きちきちや犬と男と女達   泰山
「怪しげな仲間だ」
「羨ましい男です」

全身の力を込めて飛蝗飛ぶ   一桂
「そうです全力で」
「いや、風に乗らなきゃもたないよ」

飛蝗追う空き地のありしマンション街   一桂
「地上げ屋です」
「飛蝗は引っ越し」
*野原でなくマンション街であるところミソ。つきすぎず、離れすぎず、程よい距離感です。
「飛蝗は引っ越し」の鈴蘭コメントにコメント賞!

足元より急に飛び立つバッタかな   ゆめ
「ビックリしたなぁ、もう!」
「バッタもだけど、こちらだって驚いたね」

栗ご飯炊いて近所におすそ分け   ゆめ
「近所に引っ越します。」
「是非我が家にも」
*栗ご飯のお裾分けに期待のコメント多し。「小宅には届かないので×」という人も。

  

飛蝗飛ぶ黄河の空や荒野原   素頓
「雄大な中国領地の小さな飛蝗」
「壮大な歴史物語のようだ」
*格調の高い壮大な句

玄関の朝日にきらり秋の蝶   素頓
「玄関に挨拶に来た」
「玄関でなくても・・・」
*自由句で最高得点句!
好調の素頓さん、他に「荒野より空を夢見る飛蝗かな 素頓
何時の日か大空に飛べはたはたよ 素頓」
「(この2句)似ているなぁと思ったら二つとも自分の句だった」
そうコメントしたのはご本人。コメント大賞も受賞、絶好調!

飛蝗飛ぶ野の香野の色纏ひ飛ぶ  鳥閑
「飛蝗に移り香ですか・・」
「纏いすぎ」
*作者は動詞が多過ぎると仰せですが、この句 リフレーンがいいのではないですか。

飛蝗飛ぶ効果なきままジム通ひ   鳥閑
「いえいえ、そのうち飛べるようになります、飛蝗のように」
「あなたは何㍍飛ぶために通っているのですか」


発条(ぜんまい)の壊れてバッタ力尽く   摩天
「きっと発情したのでしょう」
「そんなバッタ見たことない」

そぞろ寒パソコン見入る医師の顔   摩天
「患者の顔を見ないでパソコンで診断します」
「医師の顔を見る私」
*「そぞろ寒」はかなり精神的な寒さです

  
 
汝(なれ)行くやオンブバッタのオスのごと   一兎
「オスはメスの背中に乗る。そうか楽な生き方ですね」
「ラクチン、ラクチン」

野良行けばトノサマバッタ御目見得す  一兎
「控え居ろうここは飛蝗の領地なるぞ」
「こーら、頭が高いぞ」
*一桂さん(右團冶師匠)の〇はわかる気がします。この種の話は右團冶師匠得意の一席。

草踏めば八方に散る飛蝗の弧   碧水
「危機一髪、難を逃れた」
「飛蝗の集団」

バッタ飛ぶ始めて出来た逆上がり  碧水
「体育の授業は苦労されたようで」
「バッタが見ていてくれなかったせいか、私はとうとうできなかった。」
*「始めて」は「初めて」に訂正。今月の最高得点句!

草覆う廃線駅に飛蝗飛ぶ   鈴蘭
「飛蝗天国」
「せめて賑やかにしてあげました」

米櫃に新米どっと流れ込む   鈴蘭
「当分は楽しい食卓です」
「新米は美味い」
*「どっと流れ込む」に賛否両論。
「ざざっと」「どーっと」では字余りになるし中七に苦労して「どっと」・・・


札幌の豊平川です。
オリンピックの競歩とマラソンの競技会場が札幌になりました。
豊平川緑地、コースにどうかしら・・・