2019年6月
兼題:「鰻」「当季雑詠」 出題者:摩天 <敬称略>

新宿伊勢丹の「つきじ宮川本廛(みやがわほんてん」のうな重。
うな重のメニューは松・竹・梅・椿。
予算の関係からこの日は椿をいただきました。それでも2446円と私にとって奮発価格。

~~では「俳句鰻」もごちそうになってみましょう~~
うな重を前に母と娘(こ)ことばなし 泰山
「うーむ、難しい。何があった?」
「元々対話のない母娘なのです」
鰻重の幟はためく泉岳寺 泰山
「腹切りの連想か」
「互いに腹切りだものね」
川傍の古家(こいえ)の客や川鰻 素頓
「亭主が捕りました」
亭主が川で鰻を捕まえ、密漁の疑いで捕まったとの
ゆめさんのコメントにコメントユーモア賞!
妻運ぶ水羊羹に庭の風 素頓
「運ぶ羊羹。きっと巨大な羊羹。」
「奥さんどこから水羊羹を運んできたのだろう」
床の間の質素な墨絵鰻食ぶ 鳥閑
「質素とは謙遜し過ぎでしょう」
「なんでも鑑定に是非」
鰻屋の秘伝のたれや煙立つ 鳥閑
「創業以来の秘伝のたれ」
「何代も続きます」
たれも彼も老舗を目指す鰻の日 摩天
「鰻の日?」「鰻最悪日」
木琴のトレモロかすか五月雨るる 摩天
「アルハンブラも時雨れている」
「雨音楽しい」
蒲焼きは季語にはあらずうなぎ焼く 一兎
「蒲焼きだけでは鰻か、鱧かどちらかわからないからね」
「サンマもあるし」
暇つぶしに飽きて鰻のひつまぶし 一兎
「暇つぶしに飽きるとは」
「優雅な生活」

目打ちしてシャキツとうなぎ裂かれけり 碧水
「痛い!!」「目打ちされかな…」
鰻重の一口ごとの笑顔かな 碧水
「食べ終わる頃には皺が増えています。」
「笑顔がこぼれ、米粒もこぼれる」
かがみこみ桶の鰻を選びをり ゆめ
「ひたすらデブを探す」
「ほう!違いの分かる客だ」
ぬらぬらと長き鰻はよう食わず ゆめ
「鰻苦手としている人結構いますね」
「もったいない」
鰻串と一合の酒駅の裏 鈴蘭
「いつもは鳥串だけど兼題だから奮発して」
「季語が鰻なので 鰻串とした様」
「美味しんぼ」に出てきた中野駅裏の有名店「川二郎」さんを詠んで最高得点句になりました。
日本人力士優勝上鰻丼 鈴蘭
「漢字だけで作ったにしてはわかりやすい好句。下五はせめて上鰻重くらい」
「蒙古人力士優勝上鱧丼」
~~ごちそうさまでした~~