2018年8月

兼題:「残暑・秋暑し」「当季雑詠」  出題者:摩天  :敬称略

  
「天災は忘れたころにやってくる」というけれど、
忘れるどころか日本列島で次々起こる自然災害。
暦の上では秋ですが気温が30度を超える日が続くのも 
そのひとつといってもいいのではないでしょうか。
東京の残暑いつまで続くやら

独り居のテレビ漬けなり暑き秋 泰山
「冷房をためらわずにつけましょう。NHK」  

子規忌とは苦しみよりの救いの日 泰山
「救いはいらない、死にたくないんだ。」  

本読むも命足りなし蝉時雨 素頓
「自らの余命と蝉の短い命を重ねているようだ」

陽を囲む鱗雲かな歩道橋 素頓
「おいしく焼けそう」 
鱗雲を鰯雲と読み違いしてのコメントにコメント敢闘賞受賞。

探しもの何だったかな秋暑し 鳥閑
「見つけにくいものですか?」「頭の上のメガネです」
共感する人多しで最多得点句

残暑なほ取り敢えず解く旅支度 鳥閑
「まだ暑い」

玉砂利の音も気怠き残暑かな 摩天
「猛暑終焉祈願のお参り」

歌舞伎座のはねて銀座の夜の残暑 摩天
「銀座の夜の物語」

十三点万事休すの残暑かな 一兎
「免許取り消し」
兼題の4句を数字と時事で詠まれました。
数字にも時事にも弱い鈴蘭がこのトンチンカンなコメントでコメント大賞受賞。

朝風や椋鳥庭に散開す 一兎
「大群でなくてよかったですね」

路線バス降りて残暑のまぶしけり 碧水
「シルバーパス使い放題」

ビル街の屋根に残暑のありにけり 碧水
「残暑が屋根に居座って」

にぎわいの動物病院残暑かな ゆめ
「動物も残暑疲れ」

百日紅ふとよみがえる彼の人よ ゆめ
「禿げていたのかな」のコメントは滑ることなくコメント殊勲賞受賞。 

いざ行かん残暑の中の東京へ 鈴蘭
「ようこそお出でくださいました。」

残暑無く季節(とき)移り行く北の街 鈴蘭
「恋の街は暑い」