2018年6月

兼題:「木」 「当季雑詠」  出題者:泰山    *敬称略

 
<札幌 中島公園>
画像は札幌近郊の「木」を集めてみました。


宿り木に命を分かつ新樹蔭   泰山
 共生です

夏の朝木々の匂ひにみたされし   泰山
 炎昼のまえの静けさ

夏帽子木陰で取りて地図を見る   一桂
 さてどこで迷ったか?なにはともあれホッと一息

思い出の木を探す道薄暑なり   一桂
 その木何の木気になる木

廃線の枕木つづく木下闇   ゆめ
 JR北海道の赤字に打つ手なし

薫風やりんご畑を吹き渡る  ゆめ
 りんごーの花びらがー

  
<札幌 大通公園 ★ 赤レンガ旧庁舎前の池>


二人連れ奥へと誘う木下闇   素頓
 そこで何が起こったのか。二人の秘密ですね

会うはずの友の逝きけり晩夏光   素頓
 誰にでもくる人生の晩夏

天井の木目くっきり夏館   鳥閑
 こうしたお家に住んでいたい

浜木綿の赤茶けてゐる過疎の浜  鳥閑
 いかにも過疎

梅雨入りや眠りを誘ふ木魚の音   摩天
 眠り薬似あらず、眠り音

老木を今宵の宿と青蛙   摩天
 吾輩はピチピチの若木を所望

 
<小樽 旭展望台に続く山道 ★ 富岡聖堂の入り口の戸>


木の影を消して驟雨の五色沼   一兎
 沼の色も消え一色沼

登り来て憩う木晩(このくれ)鳥の声  一兎
 出てこい,こなくば撃つぞ

夏木立ねぎ一本で食べるそば  碧水
 箸で喰えよ、などと云うのは止めよう

兜太逝く夏嶺(なつね)の秩父丸木橋  碧水
 秩父に縁の兜太

万緑の木陰わけあいバスを待つ   鈴蘭
もうちょっとこちらへどうぞ

境界の印の一木夏霞   鈴蘭
あの木からこの木までが私の土地

 
<美瑛 セブンスターの木 ★ 青い池 >