2018年4月

兼題:「花見」 「当季雑詠」   出題者:鈴蘭

     
                     *敬称略


朝まだき夕べにそなへ花筵 泰山
「新入社員の初仕事」 「最近は課長が席取りとか」

散りてなほ宴誘ふ桜かな 泰山
「葉桜も捨てたものではないなどと言いつつ」 
「うば桜の愛情です」

花見客引いてうすうす暮れてきし ゆめ
「吉原へ引いたんでしょうね」 
「客引きは禁止です。」

ウインドーに写る我が老い万愚節 ゆめ
「現実こそが四月馬鹿だったらなぁ」 
「四月馬鹿ではなく真実だよ」

<神田川>

妻子との遠き思い出花見酒 素頓
「あのころは・・・」「少しほろり」

花に花上積む丘や碧き空 素頓
「美しい光景」 「𠮷野の桜かな」

英霊の嘆き九段の花の宴 鳥閑
「英霊の何ぞやを知らない世代が増えました」 
「私らが犠牲になったというのに」

花筵置き場に困る紙コップ 鳥閑
「持って飲みつづける」
「潰して筵の下に隠しましょう」

<靖国神社>

西郷どんに軽く一礼花見酒 摩天
「NHKに便乗の一句」 「おいどんにも、一献たもれ」

駄句の山積み上げどっと花疲れ 摩天
「積み上げたとは立派。駄句さえ浮かばない」 
「そして崩れる」

今日も晴れまたどこまでも晴れ花見 一兎
「ずっと晴れマーク」 「花疲れしました」

暮れ初めて花見団子の列長く 一兎
「花より団子・・本当なんだ」 
「酒とおつまみの列はもっと長い」

<東御苑 「天の川」という桜です。>

花見膳独身男二つ購ふ 碧水
「相当ひもじい思いをしてるんだ」 
「明日の分として」

野の匂い小皿に移しよもぎ餅 碧水
「綺麗な句。」 「とても洒落た一句」

隅田川五千歩ほどの桜狩 鈴蘭
「芭蕉も歩いた隅田川」
「この期間ホームレスは引越し」

老いひとりのらりのらりの桜狩 鈴蘭
「のらりしている内に散りました」 
「それが気楽でよし」

  
<毛利庭園>

一桂選!!
◎となりより差し入れ届く花見唄
○花見にいかな花見にいかなと急かされて
○せせらぎに揺るる目黒の夕桜
○異国語の飛び交ふ花見通りかな
○暮れ初めて花見団子の列長く
○打ち揃い町内会の花見かな
○ 散りてなほ宴誘ふ桜かな
○野の匂い小皿に移しよもぎ餅
選句、ありがとうございました。


桜前線はどこまで伸びて来ているのでしょう。
東北あたりでしょうか。札幌の桜はまだ蕾です。