2018年3月

兼題:「春の闇」「当季雑詠」  出題者:一桂        *敬称略


画像は7年前の3月11日、東日本大震災が発生した日のです。
その日、東京では地下鉄が動かず私は都内某所から自宅まで約10キロを歩いて帰宅しました。
無言でただひたすらに歩く、歩く。


雨上がり土の匂ひし春の闇 泰山
雨上がりは土の匂いしますね

春の海生きる力を取り戻す 泰山
犠牲者の分まで・・・

春の闇花のにほひが道しるべ 一桂
おぬしは犬か!

木戸開ける音の微かに春の闇 ゆめ
門限は10時です

彼の人のコロンの香り春の闇 ゆめ
焜炉で仲良く暖まっていたんですね

街灯に影二つあり春の闇 素頓
敢えて男女と云わないところがよい

口喧嘩一人飛び出す春の闇 素頓
頭を冷やすか、ヤケ酒か?

不似合ひの男女往く街春の闇 鳥閑
恋は盲目

早春の香に浸りけり雨上り 鳥閑
風がどこからか運んできました

耳鳴りの突如割り込む春の闇 摩天
耳鼻科の先生に診てもらいましょう

あの日から七年未だ春の闇 摩天
春の闇七年を経てなお深く

欹(そばだ)てし飼い猫の首尾春の闇 一兎
何か怒って居るのでしょうか?欹てるとは難しい言葉をお使いです。

鷹鳩に化して土の香運ぶ風 一兎
よくぞ使った鷹鳩も主語2つの不思議な句

震災の遺構はるかにに春の闇 碧水
撤去するかしないか、それが問題だ

閉店の貼り紙ゆらり春の闇 碧水
景気がよいのか悪いのか

みちのくの海の底まで春の闇 鈴蘭
まだまだ闇夜は続きます。早くあかるくなーれ。

春の闇うそも上手になりました 鈴蘭
俳句を詠むようになってからでしょうね

 
東京タワーと札幌テレビ塔。