2018年2月

兼題:「日脚伸ぶ」 「当季雑詠」  出題者:碧水           ★敬称略

    
日脚伸ぶ・・・日脚とは日の東から西への移動のこと。ひいてはその移動している時間をさす。
       従って日脚伸ぶとは昼がだんだん長くなっていくこと、
       特に暮れ方が遅くなっていくことをいう。
       冬至以降は日が伸び、特に立春間近はそんな感じが強い。
       海沿いに虚子の伊予去る日脚伸ぶ 上崎暮潮
       日脚伸ぶ夕空紺をとりもどし   皆吉爽雨
       縞馬の縞のまちまち日脚伸ぶ   三浦みち子 
             「今はじめる人のための俳句歳時記」角川書店=続 より抜粋  



日脚伸び気ままな散歩長くなり 泰山
「家に帰りたくないんだ」 
「分かる」

諭吉忌や平和危ふし憂ひたり 泰山
「諭吉がいう。「平和は自分の力でかちとるものだ」」
「五輪も上手く利用されてしまった」

人生の暮れはゆっくり日脚伸ぶ 素頓
「駆け足で生きてきました。そろそろ落ち着きましょう」
「でも何かと忙しい」

青さ増す空の遠くや春めける 素頓
「今は春の実感が湧かず」
「春は遠くから」

    

日脚伸ぶふと沸き起こる旅心 鳥閑
「恋心、出来心、下心。心が動きます」
「しかし体がゆうことをきかなくなっているんだ」

晩飯はジビエの店で日脚伸ぶ 鳥閑
「何の肉ですか、まさか・・・」
「シカかイノシシか、ヤバイ感じもする」

日脚伸ぶ飽きることなく与太話 摩天
「早く日が暮れないかなぁ。亭主」
「長き夜もそうだった」

何となく得した気分日脚伸ぶ 摩天
「判る判る。時間が多くなったような。」
「しかし一日は24時間」

    

武甲山を選び落日日脚伸ぶ 一兎
「今日は武甲山にしよう」
「落日が武甲山を選んでいるのですね」

準備中馴染みの店に日脚伸ぶ 一兎
「ちょっと早かった」
「もう少し待って」

かくれんぼ間延びする声日脚伸ぶ 碧水
「なにやら眠くなってきた・・」
「隠れているうちに眠くなり大欠伸」

球場にボール追う声日脚伸ぶ 碧水
「ボールの伸びること」
「ボールよ待てぇ」


    
居眠りの床屋の亭主日脚伸ぶ ゆめ
「最近床屋に来る人がいません」
「1500円という安いところが近くに出来たからね」
床屋の亭主目覚めよ!最高得点句だよ!!

日脚伸ぶ大福買うて婆集う ゆめ
「大福より肉まんが良いのですが」
「爺は焼酎かも知れない」

横綱の二人休場日脚伸ぶ 鈴蘭
「そして一人は引退。」
「若手に期待」

掃除機の中で暴るる鬼の豆 鈴蘭
「面白い、豆が見える」
「掃除機が壊れますぞ」


札幌の夕暮れ時の画像です。相変わらずものぐさで全画像がベランダからの撮影。
当地はまだまだ雪の中ですが夕暮れが遅くなっているのは感じます。