2017年 8月
兼題:「烏・カラス・からす」「当季雑詠」 出題者:泰山宗匠

「からす」であれば何でも良しという懐深きお題です。
「烏」「烏瓜」「烏龍茶」「八咫烏」など。
そして「焼野の鴉」とか「烏合の衆」「烏帽子岩」「アントンカラス」「明烏」・・・
「声からす」という変わり種まで。
句の中の烏を探す楽しさも加わった句会でした。
敬称略
八咫烏酷暑の中の熊野かな 泰山
「八咫烏は酷暑にめげず」
導きの烏は何処原爆忌 泰山
「神風がカラスを吹き飛ばしてしまったのです。」
いずこから過ぎもう既に秋の風 素頓
「カラスはいずこ?」 ~いずこカラスぎもう既に~
電線に鴉の三羽秋小雨 素頓
「電線と言えば雀だと思っていました」
残暑なほ一気に空けし烏龍茶 鳥閑
「ビールにしたいね」
夏の果て恋の終りの烏帽子岩 鳥閑
「烏帽子岩が出てくるとは、兼題が烏だから」
群れ鴉はるかに京都五山の火 摩天
「だって火が怖いから近づけないのです」
夕凪や江ノ電民家をすりぬけて 摩天
「煩くないのでしょうか、沿線の住民」
流れ来るアントンカラス月の影 一兎
「凄い!脱帽です。カラスの使い方が・・」
***凄い!9点も集めた最高得点句。脱帽です。***
教室は焼野の鴉休暇明け 一兎
「真っ黒になった子どもたちで一杯だ」
烏瓜廻して風の流れ行く 碧水
「これは想像では詠めない。でもホント?」
句を探し歩む山道道おしえ 碧水
「句の道を教えて下さい」
烏瓜夕日に色を貰ひけり ゆめ
「綺麗です。そうか夕日に色を貰っていたのですか」
うなぎ食ぶ白寿まじかの生身魂 ゆめ
「凄みあり、鳥肌が立った」
遠巻きに見ているカラス盆の墓 鈴蘭
「さては、お供えものを狙って」
夕焼空カラスは黒い点となり 鈴蘭
「夕焼けといえばカラスの出番です。」
『烏合の衆』ではありません・・・
