2017年 6月

兼題:「白靴」「当季雑詠」  出題者:鈴蘭           (敬称略)

   


★白靴やいつも駆けっこびりでした 泰山
小学校の思い出です。体育大嫌いでした。
「私も運動会はいやで雨が降ればいいと思っていました」
「運動会は白足袋です」

★柿の花通せんぼする小道なり 泰山
柿の花が大量に落花。それでも実になる花は残っているのでしょう
「あの人が柿の木に生まれ変わったんだ」
「くぐり抜けか回り道か迷う道」

★山手線双子姉妹の白い靴 素頓
児童の双子がお揃いの白靴で窓外をさえずりながら見ていた
「同じ顔、同じおべべ、同じ靴・・・思わず見比べる。」
「異人さんではなく、スカウトさんに連れられて」

★影長き広尾の坂や額の花 素頓
昔はセレブの街とか
「背に陽を受けた下り坂の景・・・・ですね?」
「広尾は坂が多い」

★白靴を襲ふ雨音遠き道 鳥閑
新品なのに何ってこった
「それはそれは難儀です」
「せっかくの白靴が」

★黒南風や訃報の後の詐欺電話 鳥閑
ほぼ実話
「忙しいこと。昨今の世相です」
「訃報もサギ電話の前提で嘘だったとは」

★リハビリの白靴脱ぎて退院す 摩天
リハビリでは白靴、帰路は黒靴でした。私ではありません。
「脱いでは駄目ですよ。」退院してもリハビリは続きます」
「また来るかもしれないから白靴もって帰るのよ」

★玄関に踊る白靴孫襲来 摩天
豆台風到来。ジジババは疲れます。
「大変、パニックだ」
「我慢ですぞ」

★ゆるゆると暮れゆく渚白い靴 一兎
少女にはかなわない
「奇麗です」
「海と白靴は似合います」

★白靴が回る深夜の乾燥機 一兎
そんなもの洗濯機や乾燥機にかけてはいけません
「今頃になって靴あらえなんて・・まったくもう~~」
「明日必要なので」
=◎ふたつ〇ふたつの最高得点句!=

ペダル漕ぐ白靴軽く風を切る 碧水
心も軽く
「きっと川べりの遊歩道」
「こちらは高原のイメージ」

★白靴の同時に上がる鼓笛隊 碧水
リーダーに合わせて
「そして気持ちまでハイに」
「一糸乱れず」

★白靴の男降り立つ無人駅 ゆめ
白靴の男怖いですね
「事件ものTVドラマの観過ぎでは」
「サスペンスのイントロ。その内必ず誰か死ぬ。」

★白靴や少女は少し大人びて ゆめ
少女は夏に成長する
「少女が大人になるのは早いです」
「白靴レデイーの誕生」

白靴や杖つき歩く母卒寿 鈴蘭
義母はかぞえで90歳です
「転ばぬように運動靴。あと10年で白寿。ガンバレガンバレ」
「お元気な様子何よりと存じます」

★白靴や二泊三日の旅支度 鈴蘭
岩手の温泉に行ってきます
「白靴履いて旅に出よう」
「少し灰色がかっているけど、知らないところへ行くのだからまぁいいか」

  
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