2017年5月

兼題:「麦」「当季雑詠」  出題者:一桂        (敬称略)

      
(写真は一兎さんにご協力をいただきました。)

★一粒の麦より生(あ)ずる命かな 泰山
「生命の起源か?植物は一粒の麦より。」
「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが死ねば多くの実を結ぶ」

★烏麦昔むかしのおままごと 泰山
「人生はままごと遊びか」
「そうしてウイスキーをつくっていたのですね。」
おままごと婆が子どもで孫がママ

★飛び跳ねる麦わら帽や茜空 素頓
「トランポリンだ」
「誰が一番上がるかな、でももう帰らなくちゃね」
母さん、僕のあの帽子どうしてる

★青空にちぎり絵貼りし花吹雪 素頓
「遠山の背中などでは如何」
「大作だ」

★大軍の矢羽根のごとし麦畑 鳥閑
「鎧をつけて歩かねば」
「武将達は麦畑を闊歩か」

★嫋やかにうねれる大地麦の波 鳥閑
「字が難しいから×」
「たおやかの漢字を教えてくれただけで〇」
変換字(漢字)書けず読めずで詠む俳句

★入相の鐘茫洋と麦の秋 摩天
「晩鐘です。」
「要は晩鐘か」
鐘八つ鳴らして最高得点句

★駅長の声軽やかに衣替え 摩天
「ホームで裸になってはいけません」
「若い女性駅長さんだ」

★金の針蒼天を刺す麦の秋 一兎
「麦のみのりがあざやか」
「穂は針のよう」

★地下足袋でガーコガーコン麦を扱く 一兎
「扱く(こく)が難しかった」
「地下鉄の音みたいですね」
地元ではガーコンと呼ぶ麦扱き機

★麦茶手に仕上がり眺む庭師かな 碧水
「出来ばえ上々」
「そこで満足したら技術低下ですぞ」
仕上がりの庭眺めつつ麦酒欲す

★薫風をゆるゆるつかむ太極拳 碧水
「巧みな技」
「そんなことで戦いに勝つことはできるのでしょうか」

★大釜に麦湯わかせて辻の茶屋 ゆめ
「下五がいい、たとえ嘘でも」
「五右衛門も入浴したのでしょうか」

★麦の秋ひとりの朝のパンを焼く ゆめ
「パン焼き器かトースターか」
「チンすれば楽なのに」
贅沢か手抜きか朝のパンを焼く

★麦わら帽車道を走るトラクター 鈴蘭
「後ろに車の列従えて」
「迷惑なんだよね」
渋滞の先頭を行くトラクター

★麦の秋交番前にパン屋開く 鈴蘭
「パンパンとピストルで撃つ」
「物騒な世の中、いい考えです」

麦とのつながりはありませんが飛行機と飛行機の窓から見える風景と。