1917年4月

兼題:「遅日」「当季雑詠」  出題者:素頓    敬称略

  

桜前線がやっと北海道まで伸びてきました。
東京は早くも夏日があったり。
日の暮れが遅くなったことを実感するこの頃です。
写真は4月27日の午後6時ころの札幌です。横着して家の中から写しました。

★何という用事もなき日夕永し 泰山
「用事がないのは365日のことですが・・・」
「用事がないのが羨ましい」
「暇なので一日がよけい長く感じます。」とご本人。そして最高得点句となりにけり。

★菜の花や海辺の町の鄙びゆく 泰山
「南房総の菜の花畑、そして小さな港町。いいですね」
「鯨も来ないしね」

★のったりと白雲止まる遅日かな 素頓
「白雲ののったりとして遅日かな」
「遅日の雰囲気ですね。「春の海ひねもすのたりのたりかな」」

★遅き日の灯りぽつぽつ小家かな 素頓
「遅き日の灯りぽつぽつ田舎道」
「自分の家を外から眺めたようだ」
ご本人から「こじんまりとした復興住宅」との説明あり。
震災被害地の復興を祈ります。

★病とも云えぬ怠さの遅日かな 鳥閑
「いやいや、お医者さんに行った方が・・・」
「いいえ、油断禁物、病院へ」
病院行きを勧めるコメント多し、ご本人も「無気力は病気の元」と自覚ありそう。

★次の日を決めて散会暮遅し 鳥閑
「石の会ではなさそう・・・時間からして・・・」
「石の会です」

★沈む陽の海を彩る遅日かな 摩天
「俳句らしい句」
「良い句かもしれない」
千葉の高層ビルからの眺めを詠んだそうです。

★春暁の漁港に戻る船灯り 摩天
「大漁か」
「不漁だったけどまぁ飲もうか」

★暮れかねし千鳥ヶ淵に浮かぶ舟 一兎
「浮かぶ舟が気になります」
「浮かばない舟があったら持って来い。遊ぶ舟か?」
「持って来い」とは、あの夏井先生が言いそうなことをご本人自らコメント。
暮れかねし千鳥ヶ淵に遊ぶ舟!

★披露宴帰る車の目借時 一兎
「ヤバイ。間もなく、自動車事故が起こりそう。」
「居眠り運転注意」

★川沿いをゆったり歩む遅日かな 碧水
「川沿いを気の向くままに遅日かな」
「リタイア組の特権」

★やわらかき光集めて鼓草 碧水
「おひさま色です」
「やがてその光は風に乗って離ればなれに」
鼓草とはタンポポのこと。
おひさま好きのタンポポのライバルはヒマワリかも。

★遅き日や妻子は未だ帰りこず ゆめ
「そのまま帰って来ませんでした、机の上には離婚届」
「妻子は別居したようです。」
そして「待つ者のおらぬ独り身遅日かな」ともお詠みです。
ご自身のことではなさそうですが、どなたの事かしら~~~

★遅日とて犬の散歩も三回目 ゆめ
「飼い主の運動になる」
「日頃の運動不足を解消。「とて」はやや説明的か・・」

★グラウンド「あと一周」の声遅日 鈴蘭
「グラウンド「あと一周」の声暮遅し」
「面白いが「グランドにあと一周の声遅日」でよいのでは」
「あと一周」の声に「パワハラだ」、「鬼コーチ」との声あがり。

★地下鉄の地上の四谷駅遅日 鈴蘭
「四谷駅地下から地上遅日なり」
「地上に上がって日が伸びたことを知る、そんな季節です。」