2016年12月
兼題:「おでん」「当季雑詠」 出題者:鳥閑
(画像提供は碧水さんから)
★二パック400円のおでんかな 泰山
「あまり美味しそうなかんじがしないなぁ」
「不味かったです」
★関東煮姐さんかぶりの女将ゐて 泰山
「豊橋から西は関東煮?」
「京都のおでん屋の話です」
*「関東煮」と書いて「かんとうだき」と読むそうです。
姐さん被りの女将が作る関東煮、、そして京都。美味しいに決まってる!!
★過ぎた日を訥々語るおでん主 素頓
「過去を振り返ることは大切です」
「そして彼は肺がんで亡くなりました」
*「客層は70代の元あるいは現女将さんたちでパブル期の景気や若かりし頃の懐かしさをとり戻す場所になっております。」と画像に添え書きあり。
(画像は素頓さんから)★久々のおでんつくりて客の顔 素頓
「私の通う小料理屋の女将さん」
「客人はどんな顔をしましたか?」
*「近所にあるお店で、その近辺の酒好きが(私も含めて?)看板娘の春子を目当てにやってきます。」と添え書きあり。
(画像は素頓さんから)★おでん屋の小さき稼ぎ山女 素頓
「稼ぎを貯めて山へ」
「亭主のオカネあてにせずに、山登りのため、お店をしている」
*「山友達、公務員をお客にしております。」と添え書きあり。
(画像は素頓さんから)俳句の舞台となったおでん屋さんへ証拠写真撮影のために2日かけて撮ってくださいました。
1軒だけあいにくの休業日だったそうですが、
焼酎とおでん漬けになった2日間だったそうです。
ありがとうございます。
★おでん屋の客それぞれに「とりあえず」 鳥閑
「我は必ず大根と昆布」
「とりあえずはんぺん」
★コンビニのおでんの匂ひカップ酒 鳥閑
「匂いつまみに一杯引っ掛ける」
「匂いはタダです」
*席に付き「とりあえずビール、そしておでんはとりあえず大根で」。
新明解国語辞典で「とりあえず」をとりあえず引いてみました。
「最終的にどうするかは別問題として臨時の措置としてそうすることを表す」だそうです。
★背を丸めおでんをつつくガード下 摩天
「仕事後の楽しみ」
「そして酔眼です。駅の階段から転げ落ちなければいいが・・・」
★おでん酒無礼講てふ落とし穴 摩天
「何でも言ってくれ、も危ない」
「あとの祭り。後悔先に立たず。」
*無礼講と言ったの、言われたので最高得点句の座も危い・・・
★コンビニのトイレ新しおでん買う 一兎
「トイレ代です」
「トイレのためにおでんを買いました」
★老い二人残りおでんの朝餉かな 一兎
「3日くらい食べるのでは」
「鍋物の翌朝は必ず・・・」
*「残る」は老いた二人か、おでんか、はたまたどちらにもかかるのか。ともあれ残り物には福がある。
★知らぬどうし相槌うちておでん酒 碧水
「このおでん美味しいね」
「コソコソと「味が落ちたみたいだね」」
★競馬場予想紙拡げおでん酒 碧水
「競馬場におでん屋があるのは知らなかった」
「よくある景」
*おでん予想。本命は大根、対抗にこんにゃく、竹輪は大穴、福穴にはんぺん、無印は昆布かな。
★ゆで卵頭数入れおでん煮る ゆめ
「ケンカしない様に」
「賢明なことです」
★おでん鍋三日目なりしひとり食ぶ ゆめ
「おでんの味は飽きないですね。四日目、五日目もどうぞ」
「一人暮らし」
*三日目ともなると作りすぎの責任をとっているかのように一人食べ。四日目、五日目は罰ゲームのごとし。
★しみじみと聞く話ならおでん酒 鈴蘭
「演歌っぽく」
「そして演歌でも聞きながら」
コトコトと家族の帰り待つおでん 鈴蘭
「帰宅時間に合わせて温めなおし」
「煮詰まって干上がらなければよいが・・・」
*おでんの味は帰宅時間に関係し、遅いほど味が染みて美味しくなっているはず。
寄り道して満腹で帰宅は立腹にておでんも沸騰。
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
遅くなりましたが、先月の句会(忘年会・カラオケ大会)の様子もご覧ください。
