2016年11月


兼題:「豆引く・豆稲架・豆筵・・」「当季雑詠」 出題者:泰山


                          (豆稲架の画像は碧水さんからいただきました。)  

【豆筵母なき子らと子なき母】泰山
「よくここまで空想しました。技能賞」
「母は莢、子は豆のことか」

【北国の災害復興小豆引く】泰山
「赤飯で祝うには未だ早い」
「小豆で復興菓子を造って」

【遠きより妻の呼び声豆を引く】素頓
「お茶が入ったよ~~~~~」
「ごはんですよ~」

【初七日やオレンジ色の十三夜】素頓
「ふと見上げたお月さま。」
「七と十三の取合せに工夫の跡がみられる」


11月14日の超スーパームーンです。

【豆叩く脱サラ農夫ロック調】鳥閑
「一寸やってみせて戴きたい」
「調子よく」
★最高得点句

【味噌醤油豆腐納豆大豆引く】鳥閑
「良く集めたから〇」
「すみません、油揚げを忘れました」

【豆を引く干す打つ古希はまだ若し】摩天
「飲む打つ買うは出来ずなりとも」
「古希になり飲む打つ買うは卒業す」

【大豆引く会話の要らぬ老夫婦】摩天
「だって二人とも耳が遠いんだもの」
「実は言葉を発しても聞こえないのです」

【豆を引く空に気球の赤青黄】一兎
「足元を見て腰を入れて引こう」
「交通安全週間なのでしょうね」

【豆打てば筵に踊る畑の肉】一兎
「お豆は体に良いようです。」
「植物性タンパク質。健康に良し。」


【豆打つや爆ぜて飛び散る軽き音】碧水
「拾い集めるのが大変なのです」
「わたしもこの場から爆ぜたいぜ」

【豆稲架の葉の声さわわ夕まぐれ】碧水
「目には見えねど豆葉の声。国語辞典に「さわわ」も「ざわわ」もないですね。」
「ざわわはサトウキビ」

【豆を引く昭和は遠くなりにけり】ゆめ
「「降る雪や」は明治、「豆ひくや」は昭和・・・とね」
「降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男」

【夕時雨灯ともし頃の馬籠宿】ゆめ
「夕時雨と馬籠宿の取り合わせよい」
「島崎藤村の生まれたところですね。そのあと、夜となりそして「夜明け前」となります」

【北からの風にせかされ大豆引く】鈴蘭
「冬はまじか、野良仕事は急ぎましょう」
「妻から、そして風にまで、いつもせかされて生きてきました。」

【物干しの家庭菜園豆の稲架】鈴蘭
「ほう、これは珍しい」
「鳥寄せでしょうね。今夜は焼き鳥だ。」

                            敬称略

一桂さん、選句ありがとうございました。
一桂さんの「團暖会」のチラシを貼付いたします。

画像は私に届いた「右團治会」のお知らせから。